●第86回天皇杯4回戦
11/4(土)13:00キックオフ/博多球/1,606人
福岡 1-1(4 PK 3) 京都
得点者:98' パウリーニョ(京都)、111' ホベルト(福岡)
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J1リーグ残留争いの真っ只中にいる両チームにとって、この試合は難しい試合だった。出来ることならば、けがの回復状況が万全でない選手や、疲労がたまっている選手はゆっくりと休ませたい。総力戦となるリーグ戦のために出場機会の少ない選手に実戦を経験させたい。もちろん、新たなけが人は出したくない。しかし敗れるようなことがあれば、それはチームのメンタル面に影響を及ぼすことは必至。結局のところ、様々な思いを抱きながらも、この試合を勝つことでしかチームに勢いは生まれない。どんな形であれ、勝利がほしい試合だったはずだ。
そんな試合に、福岡は第29節の先発メンバーから7名を入れ代えて試合をスタートさせた。しかし、戦力が落ちたのかと言われればそうではない。最終ラインの千代反田充、金古聖司をはじめ、いずれもレギュラーに座ってもおかしくない7人。改めて、トップチームでプレーする選手たちの間に実力差がないことを示すメンバーでもあった。ただ、試合感という点から見れば物足りなさがあったのも事実。「ギクシャクすると思っていた」(川勝良一監督・福岡)というように、連携面やチームのバランスに難を抱えていたのは仕方のないことだった。
一方、石井俊也を経由させてボールを配り、大きなサイドチェンジから左サイドの渡邉大剛を走らせる京都に、福岡を崩す機会は十分にあった。特に前半で押し込むことが出来れば試合の結果は違ったものになったはずだ。しかし、福岡の速い攻撃を警戒しすぎたのか、実質5バックとなった最終ラインは低い位置にとどまり、右サイドの大久保裕樹は、対面の古賀誠史に押し込まれて前へ出て行けない。時折パウリーニョが「らしい」動きを見せるものの、ロングボールを蹴る単調な攻撃では、不安定さを残す福岡の最終ラインでさえ崩すことは出来なかった。
時間が経つにつれ、実戦から遠ざかっていた選手たちの試合感が戻ってきた福岡が、後半になってペースを取り戻したのは当然のこと。ここから京都は防戦一方に追い込まれる。さらに70分に登尾顕徳が退場処分になると反撃する術を失ってしまった。それでも、布部陽功、久藤清一を欠く福岡が攻撃の起点を作れずに攻めあぐねたために試合は延長戦へ。98分には京都がPKを奪って先制したが、ボールを支配して攻め続ける福岡が111分に同点ゴール。結局、PK戦を制した福岡が5回戦へ駒を進めた。
試合内容を見れば、どちらもいまひとつの内容だった。特に数的優位を生かせずに90分間で勝ちを収められなかった福岡の戦い方には不満は残る。しかし、メンバーを大幅に代えての戦いでは、それも想定済みのこと。内容よりも結果を得るための戦いだったことを考えれば、福岡にとっては問題のない試合だったと言えるだろう。チームに勢いを与えるためには勝ち点3が何よりの良薬。福岡はリーグ戦、天皇杯を含めてホーム4連勝でリーグ戦の広島戦に臨む。
敗れた京都の選手たちは一様に沈んだ表情。監督交代後初勝利を目指したが、それもかなわなかった。「選手は120分間、それからPKという戦いを1人少ない状況の中で最後まで良く頑張ってくれた。勝利は掴めなかったが頑張ってくれたということに関しては満足している」と美濃部直彦監督は選手をねぎらったが、誰も納得はしていないだろう。J1の厳しい戦いの中では引いて守るのでは限界がある。監督が志向する「ボールに対して激しく奪いに行く守備」が出来るかどうかがリーグ戦のサバイバルレースを生き残る鍵になるだろう。
以上
2006.11.04 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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