11月18日(土) 2006 J2リーグ戦 第49節
水戸 0 - 1 札幌 (14:04/笠松/3,526人)
得点者:'79 相川進也(札幌)
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「0対0でいいというようなチームをこじ開けて2点、3点取るのは難しい」と試合後、柳下監督は振り返った。「0対0でいいというようなチーム」とはもちろん水戸のことであり、「0対0でいい」というのは守備だけを固めて攻撃をしなかったということである。つまるところ、柳下監督は「水戸は守備だけしていて、攻撃はしてこないチーム」ということを言いたかったのである。まさに言い得て妙。前半と後半の立ち上がりこそ、攻撃の姿勢を見せた水戸だったが、それ以外は札幌に支配され続け、ボールを奪ってもミスを連発。リスクを冒してでも攻撃に出ようという姿勢を出すことなく、最後まで攻撃の形というものを見せることはなかった。柳下監督の言葉は、オブラートに包んだ間接的な物言いだっただけに逆に痛烈な皮肉として会見場に響き渡った。
水戸はアウェイで2連勝をしてホームに帰ってきただけに、一時期の不調から脱したたくましさを見せてくれることと思われた。しかし、前節は勝利したものの、「ひどい内容」(前田監督)だったこともあり、実際にはチームにはテコ入れが必要な状況だったのである。そこで前田監督はアンデルソンの起用と3−4−3から4−4−2への変更を決断し、試合に臨むこととなった。だが、それが裏目に出てしまった。
アンデルソンを起用するということで、試合前に監督はアンデルソンに「簡単にプレーをすることと周りを使うこと」を話したという。まじめなアンデルソンはなんとか監督の指示に従う意識を見せ、以前に比べ球離れは数段早くなった。しかし、それにより、アンデルソンの持ち味のドリブル突破の脅威はなくなったのも事実。札幌DFをぶち破るような突進を見せることはなく、攻撃全体がチグハグなものになってしまった。また、これまで好調を支えた3トップによる前線からのプレスがなくなったことで、札幌に簡単にビルドアップされ、「思ったところでボールを取れなかった」という権東の言葉通り、チームとして連動した守備をすることはできなかった。札幌の攻撃を封じていたように見えたが、あくまで自陣に引いていたからであり、意図した守備でなかったためにボールを奪っても攻撃に移るまでに時間がかかってしまい、なすすべがなくなってしまったのだ。
札幌にとってそんな水戸を相手にゴールを奪うということは困難を極めた。圧倒的にボールを支配し、ほとんどの時間を水戸陣内でプレーをしたが、ほぼ全員で引いて守るだけのチームから点を取ることは容易ではなかった。しかし、それでも79分、左サイドライン際を西谷が巧みなステップでドリブル突破。DF3人をかわしての折り返しを相川が押し込んで待望の先制点を挙げた。再三リスクを冒して突破を試みた西谷の積極性が最後に結実。水戸にはなかった「積極性」が札幌に勝利を呼び込むこととなった。
その後、水戸は塩沢を投入し、パワープレーで押し込んだが、終了間際に得たペナルティーエリア前のFK、河野のキックはゴール上に外れ、万事休す。4試合ぶりの敗戦を喫することとなった。
試合後、「内容はそんなに悪くなかった」(前田監督)、「ある程度やれた。チームはだんだん良くなっている」(河野)という声が水戸側から聞かれたが、1年間チームを見てきた人でこの言葉に納得できる人は少ないだろう。持ち前の守備の強さを基盤に、攻撃力を加えるということが今年のテーマだったはず。特に第3クール以降はリアクションサッカーからアクションサッカーへの切り替えという1つ上のレベルを目指すという方針を信じ、サポーターたちは7連敗という辛苦をも受け入れ、チームに声援を贈っていたのである。この日、水戸が見せた「0対0でいいというような」サッカーはそんな彼らに対する裏切り行為と言っていいだろう。
守備が大事なのは当然。そこをないがしろにせず、どれだけ攻撃の意識を高く持てるかがこのチームの永遠の課題だ。残りはわずか2戦、ホームは次の試合で最後である。だからこそ、1年間の集大成を見せなくてはいけない。残された1週間、あらためて1年間を振り返り、これまで何が良く、何が悪かったのかを整理し、最高の準備をしてほしい。絶対にこの日以上のサッカーはできるはず。最大限のリスクを冒して攻撃を仕掛けてほしいものである。『終わり良ければすべて良し』ではないが、終わりぐらい良くなければ、サポーターはやりきれないだろう。
以上
2006.11.18 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
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