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【第86回天皇杯5回戦 清水 vs F東京 レポート】勝利を引き寄せたケガから復帰の清水・兵働。F東京はロスタイムの失点が響いて8強ならず。(06.12.09)

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●第86回天皇杯5回戦
12/9(土)13:00/3,955人/岡山
清水 3-2 F東京
得点者: 5'高木 純平(清水)8'増嶋 竜也(F東京)38'梶山 陽平(F東京)89'藤本 淳吾(清水)111'チョ ジェジン(清水)
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1人の選手が入っただけで、これほどチームのリズムが変わるという試合は久しぶりに見た。どちらのチームにとっても非常にむずかしい戦いは、清水の選手交代によって大きく変わった流れが、結局勝敗も分けることになった。

どちらもケガ人が多く、選手のやりくりが苦しい中で行なわれた雨の岡山でのゲーム。清水は、膝の靱帯が完治していない矢島を先発に起用したことと、病気で3ヶ月近くチームを離れていた兵働がベンチに入ったことがサプライズ。「どうせ(矢島を)使うなら、先発で行けるところまでいくという形のほうが、矢島にはプレーしやすいし、元気な岡崎を後に残しておくのもいいと考えた」(長谷川監督)というのが、矢島を先発で起用した狙いだった。
一方、F東京もサプライズこそないが、やはりベストとは言い難い布陣。それもあってか、序盤はどちらも手堅い入り方だったが、意外に早く試合が動く。開始5分、左から入った高木純がチョ・ジェジンのパスを受けてGKを巻くようなシュートを右ポスト際に決めて、清水が先制点を奪った。
しかし、清水はこれで流れをつかむというよりも、「受け身になってしまった」(長谷川監督)という状態になり、鋭い出足で前からプレッシャーをかけるF東京のペースになっていく。そして、8分に栗澤の左CKから増嶋がきれいにヘディングを決めて同点。さらに38分には、栗澤の右FKがバーに当たり、跳ね返りを拾った梶山が冷静にゴール右に決めて逆転。セットプレーで2点を奪い、内容的にも攻撃の速さで清水を上回り、シュート11本(F東京)対6本(清水)と、F東京がペースを握ったまま前半を終えた。

後半に入ると、長谷川監督は矢島に代えて平松をボランチの位置に入れ、枝村をトップ下に上げて4-2-3-1の形をとる。F東京のプレッシャーを受けて中盤でタメを作れず、なかなかサイドバックが上がれなかった前半の内容を改善するための交代だった。その意味では、平松はよくその役割を果たした。また、後半4分に枝村が左足首を痛めて岡崎と交代(交代は後半5分)。これで2トップに戻ったが、岡崎もよく動いて後ろからのボールを引き出した。
しかし、まだ狭いところでのパス回しが多く、気持ちの入ったF東京の守りを切り崩すところまではいかない。逆にF東京もカウンターで何度か清水ゴールに迫り、一進一退の展開が続いた。そんな流れの中での26分「20〜30分程度」と考えていた長谷川監督が兵働の投入を決断。山西に代えて兵働を左MFに入れ、高木純を左サイドバックに下げるという攻撃的な交代カードを切った。

兵働も久しぶりの出場ながらスリッピーなピッチでボールタッチがブレることなく、キープ力と広い視野、戦術眼を生かした彼らしいプレーを披露。これで、長谷川監督が狙っていた「中盤でタメを作る」という部分が完全に機能するようになって、藤本も高い位置でプレーできるようになり、サイドチェンジも活発になって、清水らしくピッチをワイドに使うサッカーができるようになった。F東京が1点を守るために引き気味になったこともあって、清水のポゼッションが大きく高まった。もちろん兵働1人の力ではないが、彼が入ったことをきっかけにして、清水のリズムが一気に良くなり、試合の流れが変わったのは間違いない。

それでも、F東京は集中力を切らすことなくしっかりと守っていた。33分には、清水のミスをついたカウンターから戸田が決定機を迎えたが、シュートは枠をとらえられない。逆に清水も、41分の岡崎のミドルシュートがバーに当たるなど、なかなか同点に追いつけず、2-1のままロスタイムに突入したところでドラマが待っていた。
ペナルティエリア右外からのFKを兵働が蹴ると、ゴール前での競り合いからこぼれたボールから藤本がシュート。これが立ち並ぶ選手の間をすり抜けてゴールネットを揺らし、土壇場で清水が同点に追いついた。

延長に入ると、さすがに兵働の動きは落ちたが、清水が主導権を握る流れは変わらず、チャンスの数でF東京を上回る。だが、F東京も足が止まることなく、どちらも勝利への執着心を出して白熱の延長戦となった。
最後に決定力で上回ったのが清水。延長後半6分、CKの2次攻撃で兵働が右からクロスを入れ、DFが頭でクリアしたが、これが小さくなったところに待ちかまえていたチョが右足でボレーシュート。エースの一発がゴール左にズドンと決まって清水が勝ち越し点を奪い、そのまま逃げ切って大きな逆転勝利を飾った。

F東京もけっして悪い内容ではなかったが、「土壇場で勝ちきれないところが今年のF東京を象徴している」とチーム関係者が語ったように、来季に向けて課題を残す終わり方となった。清水のほうは、むずかしいゲームに競り勝ち、「次に向けて勢いの出る勝ち方ができた」(長谷川監督)という大きな1勝。「体力的には苦しかったが、なんとか無難にはこなせた」と語った兵働が、あらためて存在感の大きさを見せつけたことは、それ以上に大きな収穫だった。


以上

2006.12.09 Reported by 前島芳雄
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