●Jユースサハラカップ2006決勝戦
12月24日(日)/13:00/神戸ユ
広島 vs F東京
TV放送:BS-i 生中継 13:00〜
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12月24日、J誕生と共に産声を上げたJユースサハラカップは、14回目の決勝戦を迎える。決戦の地は神戸ユニバー記念競技場。相対するのは、3年ぶり3度目の優勝を狙う広島と初優勝を狙うF東京だ。
F東京の布陣は基本的に[4-4-2]。ただ、変則的な要素がある。F東京は長身の森村昂太(U-18代表・昇格内定)を1トップ気味に配し、その脇に機動力に秀でる1年生FW岩渕良太を配置。彼がサイドへ出たり、中盤に下がったりすることで流動性を生んでいる。対戦相手が揃って「あそこで起点を作られてしまった」と嘆く森村のキープ力とポストワークは一級品で、彼の周囲を走り回る両サイドハーフと岩淵がその森村の良さをよく引き出している。また、森村が厄介なのは、単なるポストマンに留まらず、状況によっては個人で局面を打開するプレーもできること。これが彼へのマークを難しくしている。さらに森村には左足からのプレースキックという武器もある。高さに自信を持つF東京にとって、高さを欠く広島に対して最大の武器。この決勝トーナメントを前に負傷から復帰している長身FWの金森洋充という秘密兵器の存在も、広島にとっては気がかりなところ。
対する広島の攻撃陣は平繁龍一と中野裕太というU-19代表候補とU-17代表が組む大会最強の2トップに、右MFの横竹翔(U-17代表)らが絡む「個」の強さが光る。秋までは広島らしい組織的かつ流動的な攻撃を志向していたという森山佳郎監督だが、それが今年の選手に合っていないと見て、その道について「あきらめた」と森山監督。「前は『個』の力で何とかせえやという感じ」(森山監督)だという。森山監督の言い方は少々乱暴だが、冬に至って自分たちの形を確立したと言えるだろう。これに、吉本一謙(U-19代表候補・昇格内定)を中心としたF東京ディフェンス陣がどこまで戦えるか。特に中学時代から旧知の仲であり、ライバルでもある吉本と平繁のマッチアップには注目が集まる。また、左サイドバックの恩田亮輔(F東京)も決勝のキーマンだろう。横竹の脅威に対応しつつ、中央のカバーもこなしたい。
中盤では中央の「2対2」がポイントだ。U-16代表の1年生・岡本知剛と大会屈指のバランサーである保手濱直樹が組む広島の2枚に対し、U-18代表の中野遼太郎とセンス抜群の井澤惇が組むF東京の2枚。厳密にこの4人がマッチアップするわけではないが、中盤の主導権をどちらが握るかという点でこの4人がキーとなるのは間違いないところ。アウトサイドでは横竹の裏がポイントになる。「右からやられているのは分かっている」と森山監督が率直に認めるとおり、広島の右サイドは攻撃の強みであると同時に守備の弱みでもある。準決勝の三菱養和戦でも、この急所を徹底的に突かれた。「三菱養和がいろいろしかけてくれたので、分かったこともある」というF東京・福井哲監督の言葉は、この辺りも含めてのものだろう。だが、「今さら変えない。隠していることなんてない」と森山監督。真っ向勝負でF東京の意図をくじく腹だ。
「新しい故障者もなく、出場停止もいない。これが何より」と決勝を前に語った森山監督。一方、これまで修学旅行や負傷でメンバーが揃わなかったF東京も、「やっとベストメンバーが揃えられる」(福井監督)。奇しくも両将が同じような言葉を残した。まさしく真っ向勝負、この年代を代表するタレント同士の激しいバトルとなるだろう。
今も3年生が残るクラブチームはこの両雄のみ。12月24日のクリスマス・イブ。神戸の地で、最後の戦いが始まる。
以上
2006.12.23 Reported by 川端 暁彦(サッカー新聞エルゴラッソ編集部)
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