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●第一試合
桐光学園(神奈川)1-0 大阪朝鮮(大阪)
12/31(土)12:10 キックオフ/13,000人/三ツ沢
得点者:73' 内藤洋平(桐光学園)
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30日の国立競技場での開幕ゲームを終えて、いよいよ高校サッカーナンバー1を決める大会が幕を下ろした。大会2日目、三ツ沢公園球技場の第1試合では、10年ぶりの出場を果たした地元・桐光学園と、昨年度ベスト8時のメンバーが5人残る大阪朝鮮が顔を合わせた。桐光学園の地元ということもあって、前評判はパワーとスピード、そしてテクニックを併せ持った大阪朝鮮が上。しかし、地元サッカーファンの声援が桐光学園を後押しする。
立ち上がりから主導権を握ったのは大阪朝鮮。長いボールを早めに前線に送り、高い位置で起点を作ると、そこから積極的に個人で仕掛ける。手数をかけないシンプルな攻撃だが、そのパワーとスピードは前評判通り。グイグイと桐光学園を追い込んでいく。桐光学園は引いた体制から前線中央で待つ永村知哉をターゲットにしてカウンターを狙うが、大阪朝鮮のすばやいプレスの前にパスが思うようにつなげられない。
時間の経過とともに迫力を増す大阪朝鮮の攻撃。桐光学園は無失点で耐えているものの、ほとんどボールをつなげることが出来ずに自陣に押し込まれる時間が増えていく。しかし、桐光学園にとっては、それも覚悟の上だったようだ。「前半、それから後半の立ち上がり10分はリスクをなくして。ただ相手が前からガンガン、ガンガン来るだろうから、そこのところで粘り強くいくというのは予想通りの形」(佐藤裕和監督・桐光学園)。追い込まれても最後のところで踏ん張ってシュートだけは打たせなかった。
攻め続けながらゴールが奪えなければ流れが変わるのはサッカーの常。最後の崩しのところでドリブル突破を図っては止められてシュートが打てない大阪朝鮮から前半の勢いが消えていく。そして後半10分が過ぎたあたりから、ジワジワと流れが桐光学園へと傾いた。勝負が決したのは73分。北井佑季が瞬時に加速してペナルティエリア内へドリブルを仕掛けると、大阪朝鮮はたまらずファウルを犯してしまう。「彼の技術、スピードは警戒していたんですけれども、最後に仕事されました」(康敏植監督・大阪朝鮮)。桐光学園は、このファウルで得たFKのチャンスに内藤洋平が直接ゴールネットを揺らして勝利を手に入れた。
「大阪の220校の代表になれたというのは本当に子どもたちをほめてやりたいです。ここまで来たということを本当にほめてやりたいです」(康敏植監督・大阪朝鮮)。初戦敗退は悔しい結果に違いないが、自分たちらしさは存分に見せてくれた。下を向かずに大阪に帰って欲しい。そして、「目標は年を越して、1試合でも多くということですので、そういう意味では、勝ったということでは非常に評価できる試合だったと思います」とは佐藤裕和監督。地元サッカーファンの期待を背負って、次は2回戦突破を目指す。
●第二試合
富山第一(富山)0-5 九州国際大付(福岡)
12/31(土)14:10 キックオフ/7,000人/三ツ沢
得点者:21' 井筒庄吾(九州国際大付)、36' 藤田大輔(九州国際大付)、46' 藤田大輔(九州国際大付)、52' 永井謙祐(九州国際大付)、57' 永井謙祐(九州国際大付)
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さて、第1試合の興奮が冷めやらない中、第2試合に登場したのは、4年連続20回目の出場となった高校サッカーファンにはお馴染みの富山第一と、初出場の九州国際大付。しかし、九州国際大付は初めての舞台に緊張したのか思うようなプレーが出来ず。立ち上がりは富山第一が押し込む展開で試合が進む。経験の違い。そんな言葉が見ている者の頭に浮かぶ。しかし、ひとつのゴールが試合の流れを変えた。
21分、左からのCKにファーサイドで待っていた井筒庄吾が頭で合わせて九州国際大付が先制点を奪う。「立ち上がりは緊張したんですけれど、1点入ってからはポジショニングとか、動き出しとかもタイミングよく出来ました」(藤田大輔・九州国際大付)。ここから、スピードに溢れる、ゴールへ向かって一直線にプレーする九州国際大付のサッカーが爆発。縦横無尽にピッチを駆け回る姿が観客の心を掴んでいく。
その中心は自身の2ゴールを含めて5ゴール全てに絡んだ永井謙佑。とにかく速い。相手DFの後ろから追いかけているにもかかわらず、追いつくだけではなく、そのまま抜き差ってボールを奪う。単純な速さだけではなく、巧みに緩急をつけ、走るコースにも変化をつける永井のプレーを富山第一は全く止められない。そして、永井が走るたびにスタンドからは大きなどよめきが起こり、プレーを重ねるごとに観客の目が釘付けになった。
終わってみれば文句のつけようのない完勝。初出場とは思えない堂々とした試合振りは驚きに似た印象を残した。それでも杉山公一監督(九州国際大付)は謙虚な姿勢を崩さない。「最初の10分は呑まれていたんで、あれでやられていたら結果は逆でしたね。あそこで耐えろ、我慢しろというところから0で行けたからワンチャンスでこういう形になっただけなので、点差ほどのゲームではないと思います」。しかし、自分たちのサッカーが出来たことに手応えは感じているだろう。
そして、5点という派手な結果に目が行きがちだが、富山第一の攻撃力を無失点で抑えた守備の頑張りがなければ1回戦突破はなかったはずだ。ギリギリのところで体を張って跳ね返し、1対1では粘り強く食い下がり、そしてフォアリベロ気味のポジションから、相手の起点をことごとくつぶした和田拓也のプレーも勝利に大きく貢献した。2回戦は地元・桐光学園との対戦。完全アウェイ状態の中で自分たちのサッカーをもう一度出来るかがポイントだろう。第82回大会で同じく福岡県代表として初出場ながら決勝戦まで駒を進めた筑陽学園も2回戦で地元・桐蔭学園を破ったことで波に乗った。福岡のサッカーファンの期待は高まる。
以上
2006.12.31 Reported by 中倉一志
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