5月19日(土) 2007 J1リーグ戦 第12節
新潟 1 - 1 鹿島 (14:04/東北電ス/38,268人)
得点者:'4 岩政大樹(鹿島)、'15 深井正樹(新潟)
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先制した鹿島、追いついた新潟。どちらも勝点3を狙った末に1-1で引き分けた。前半4分、鹿島は右CKから岩政大樹がヘディングを決めて先制。その11分後、新潟はこの試合でリーグ戦通算100試合出場となった深井正樹が同点ゴールを決める。後半は押し気味の鹿島に対し、新潟はカウンターを狙う形に。どちらも譲らなかった。
161センチの小さな体が、チームメートの腕で高々と抱え上げられた。宙に浮かぶような形のまま、深井は力強くこぶしを握った。0-1で迎えた前半15分。鹿島のパスミスをカットした深井は、左サイドからペナルティーエリアに進入する。相手守備陣が寄せてきたところで、左足を振りぬくと、ボールはマウス左隅におさまった。
「打った直後は興奮して覚えていないです」。リーグ通算100試合のメモリアルゴールを、古巣の鹿島を相手に決めた。ボールを持つたびに鹿島サポーターのブーイングを浴びた。ただ、「ブーイング以上に新潟の応援が大きかったので、聞こえなかった」と気持ちは集中していた。これでホームでは第10節甲府戦に続くゴール。前回はダメ押し、今回は貴重な同点弾と、声援を力に変えた。
リーグ戦では第3節名古屋戦以来のスタメンだった。ここまで出場7試合中、途中出場4試合、フル出場は1試合。サブのまま出番がなかったのは3試合ある。今季、鹿島から期限付き移籍してきた。エジミウソンと、日本代表の矢野貴章のツートップの前に、スーパーサブでの起用が続く。
それでも「鹿島にいただけでは、感じられないことを経験できている。精神的な部分で成長できたと思う。どこのチームもそんなに甘くない。1つひとつ結果を出して、チャンスをものにしていきたい」。モチベーションを常に高く保ってピッチに立った。その結果が、チームがほしい時間帯での同点ゴールにつながった。
「2点目を挙げて勝ちきりたかった」というのが本音でもある。ゴールは奪った。今度は勝利につながるゴールがアピールになる。
新潟が得点に結びつけられたのはここだけ。先制点は序盤にコーナーキックから押し込まれた。前節の清水戦でもセットプレーから失点していた。後半は両サイドで起点を作って攻める鹿島の前に防戦を強いられた。「全体的に足が止まってしまった。ボールを奪いに行くのがうちのスタイル。あれではリズムがつくれない」。DF内田潤は厳しい口調で反省点を挙げた。
先制点、後半のボール支配と、流れは鹿島が握っていた。オズワルド・オリヴェイラ監督が「新潟には後押しがある」と懸念していたホームの雰囲気にも、後半は飲まれなかった。前半はロングボールの多用が目立ったが、後半は両サイドで起点を作って、バイタルエリアで勝負した。それだけに決定機を逃したことが悔やまれる。「後半は崩されていなかったでけに、相手を崩す方法を見つけなければならなかった」と岩政。オリヴェイラ監督も「決定的なチャンスで決められなかったことが響いた」と詰めの甘さを指摘した。
ともに得点以外の部分で課題が見えたドローだった。次節はそれを克服した内容が試される。
以上
2007.05.19 Reported by 斎藤慎一郎
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■注目プレイヤー: 深井 正樹選手(新潟)
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