5月23日(水) 2007 J2リーグ戦 第17節
水戸 1 - 3 C大阪 (19:04/笠松/1,291人)
得点者:'14 香川真司(C大阪)、'30 前田和哉(C大阪)、'54 小松塁(C大阪)、'63 西野晃平(水戸)
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何事も築くのは難しいが、壊すのはたやすいものである。水戸はわずか45分で今まで積み上げてきたものを壊すこととなってしまった。
今季、ここまでわずか1勝ながらも水戸は「アクションサッカー」を志し、そして確実に成長してきた。第13節東京V戦で5得点の快勝、第14節徳島戦でも一方的に攻め立てる展開へと持ち込み、いよいよそのサッカーの完成形が見られると誰もが期待したはずだ。しかし、この試合の前半でその期待は裏切られることとなってしまった。度重なるけが人と小椋と金澤が体調不良による欠場など多くの主力メンバーを欠いたこともあり、すべてにおいてあまりにも稚拙なサッカーを繰り広げることとなった。
C大阪の1トップ2シャドーという形に対し、水戸の3バックが対応しきれず、「相手の入れ替わりが激しくて戸惑った」(武田)が、その流れを自ら断ち切ることができなかった。そして、前節から大幅にメンバーが替わったことで「連動性を欠いた」(西野)水戸はC大阪にいいようにボールを回され、自陣に押し込まれる展開が続いた。14分にはスローインから簡単にペナルティエリアに侵入され、先制点を許すと30分にはCKから失点を喫した。その後も攻撃でも守備でも何もできないまま、前半を終えることとなった。
後半に入り、4−4−2にシステムを変え、反撃を試みた水戸は54分にまたしてもCKから失点するものの、63分には西野の豪快ミドルで1点を返し、息を吹き返す。その後、両サイドを有効に使った攻撃で何度もC大阪ゴールを襲ったが、フィニッシュの精度を欠き、追加点を奪うことはできなかった。しかし、アグレッシブに攻め立てるという水戸の本来目指すべき姿は見ることはできた。
それが見られただけに前半の出来が余計に悔やまれる。「相手が良かったわけではない」と前田監督が言うように、C大阪の攻撃に崩される場面はほとんどなく、そして、後半はC大阪DFを崩すシーンが見られたように、決して力の差は大きくはなかった。前半押されてしまったのはシステムの問題もあったのは確かだが、「気持ちの問題が大きい」と前田監督は言う。金澤や小椋という主力を欠き、アグレッシブさを欠いた。そして、この試合でチャンスをもらった選手たちから『ポジションを奪おう』という意気込みを感じられなかったのは残念で仕方がない。「試合間隔が空くと難しい」(椎原)のは事実だが、そこで100%を出し切れない選手はプロとは言えない。そうした1人1人の気持ちの弱さが前半のサッカーへとつながってしまったのではないだろうか。
そして、この日壊してしまったものは、これまで積み重ねたサッカーの内容だけではない。サポーターからの「信頼」もだ。結果に恵まれない中でも「アクションサッカー」の完成を信じて、サポーターは選手たちに声援をおくってきた。しかし、わずか45分で彼らの夢を壊してしまったのだ。この責任は重い。「メンバーがいなかった」では言い訳にはならない。一度失った信頼を取り戻すことは簡単なことではない。その重責をどれだけ選手たちは感じることができるか。次節「北関東ダービー」で答えを出してくれるだろう。
一方、C大阪にとっては大きな勝点3である。クルピ体制初勝利であり、4試合ぶりの勝利と得点。さらに香川、小松の2人が初ゴールを挙げるなど、チームに明るい兆しを感じさせる勝利となった。前半から古橋や香川が果敢にボールを引き出して起点となり、攻撃を組み立て、3得点を挙げた。クルピ監督は「(第18節)湘南戦後にキャンプを張るので、その後にはサポーターに誇りを感じてもらえるサッカーができることを確信している」と今後の巻き返しに自信をのぞかせた。この1勝を反撃の狼煙としたいところだ。だが、あまりこの1勝を過大評価するのはよくないだろう。なぜなら、この日は水戸が最低の出来だったからだ。
以上
2007.05.24 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
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