今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【ヤマザキナビスコカップ 広島 vs 千葉 レポート】完璧な形から生まれた佐藤の決勝弾で広島が初めて決勝トーナメントに進出!ビッグアーチが歓喜に包まれた(07.05.24)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
5月23日(水) 2007 ヤマザキナビスコカップ
広島 1 - 0 千葉 (19:00/広島ビ/4,450人)
得点者:'64 佐藤寿人(広島)

----------

 どちらのチームも、勝てば無条件で決勝トーナメントに進める。しかし引き分けではどちらも突破が非常に厳しくなるこの試合。こういうサバイバルマッチにありがちな、互いに相手の出方を探るような雰囲気で試合は始まった。

 千葉の主力が怪我と出場停止で欠けていることもあり、広島が立ち上がりから勝負を仕掛けるか、とみる向きもあったが、ペトロヴィッチ監督が「意図的に千葉に主導権を握らせた」と言うように、やや低めのゾーンからスタートしてボールを千葉に持たせる形をとった。一方の千葉も、一気に攻め込むいつものスタイルではなく、リスクをできるだけ回避するために守備に人数をかける形をとった。そのため前半は、ゴール前のシーンが頻発する状況ではなく、お互いに単発な攻撃で終始した。

 後半、先に仕掛けたのは広島だった。それまで相手2トップのケアを慎重に行っていた最終ラインが、積極的に攻撃に参加。特に森崎和幸のプレーがアグレッシブで、サイドにボールを預けたりFWの足下に当てるパスばかりではなく、ドリブルで一気にボールを持ち上がり、一発でゴールに直結するスルーパスを狙っていた。戸田和幸や盛田剛平も、リスクを負って仕掛けていくことで「点をとるんだ」という強い意志をチームに与えた。その姿勢に、前半はフラストレーションをためていたサポーターが反応し、スタジアムの雰囲気はグングンと盛り上がっていった。

 そのムードが結実したのが、64分。低い位置でボールを奪った森崎浩司のドリブルから始まった。この日、1ボランチでスタートした森崎浩だが、前半からアグレッシブなドリブルとスルーパスを連発し、ボールに数多く関わることでリズムをつくっていた。そしてこのシーンでも、彼は迷いなくドリブルを選択する。

 彼にボールを要求したのはウェズレイ。しかし森崎浩は、その外にいた服部公太の方にスペースがあると見て、左サイドにパスを出した。そして、そのまま一気にファーポストへ走る。この動きによって、佐藤寿人のマークが一枚になった。
 この日、再三森崎浩からのパスを受けていた服部は、この時も「パスが来る」と信じていた。スピードを殺さずにボールを受けた彼は、ニアに走ってくる佐藤の動きにあわせることだけを考えて、ボールを蹴る。一方の佐藤は、一度開く動きをして相手DFを吊り出し、そこから飛び出すことで身体をDFの前に入れることに成功。そこに「ここしかないというタイミング」(佐藤)で服部のクロスが飛んできた。完璧な形をつくった佐藤のダイレクトシュートは、しっかりとゴールネットを揺らした。

 アマル オシム監督も逆転に向けて動いた。動きの重い巻誠一郎・新居辰基の2トップに代え、黒部光昭・青木孝太を投入。さらに、この日は広島の組織の前に存在を消されていた水野晃樹に代え朴宗真を起用。自重していた最終ラインの攻撃参加も頻繁になり、いつものリスクを顧みないサッカーに切り替えた。
 そして82分、千葉にとって最大のチャンスが訪れる。攻撃に参加してきた池田昇平のロングクロスが、逆サイドの黒部の頭にピシャリと合う。しかし広島GK・下田崇は「戸田がカバーに来てくれていたし、コースは正面しかない」と予測し、見事に至近距離からのシュートをクリア。千葉の希望は、この瞬間に潰えた、と言っていい。

 2連敗という最悪のスタートを切ったこのナビスコカップを、ペトロヴィッチ監督は若手選手にチャンスを与えながら乗り切ろうとした。そのチャンスを与えられた若者たちが、神戸戦・G大阪戦と活躍して勝利を導いたことが、この日の歓喜につながっている。88分、その象徴というべき槙野智章がサポーターの大歓声を浴びてピッチに登場。山岸智を徹底マークし、青木のシュートに身体を投げ出して、広島の勝利を締めくくった。

 試合終了の瞬間、広島ビッグアーチの電光掲示板には「決勝トーナメント進出」の文字が躍り、サポーターは声を限りに快哉を叫んだ。選手やスタッフが抱き合い、関係者は握手を繰り返し、佐藤寿人は紫のダルマに目を入れた。1992年の第1回大会から参加しているにも関わらず、一度も決勝トーナメント進出を果たせなかった広島が(※1)、長く目の前にあった固い殻を全員の力で突き破った瞬間だった。

「まだ(優勝するための)扉をこじ開けただけ」と、試合後、冷静になった佐藤は言う。その言葉どおりだが、広島サポーターとしてはもうしばらく、歓喜に浸っていたい気持ちだろう。中2日で清水という強敵を迎える「リーグ戦」という現実が待っているとわかっていても。

※1=予選リーグがなかった'94年、'99年、'00年、'01年は除く

以上

2007.05.24 Reported by 中野和也
----------
■注目プレイヤー: 佐藤 寿人選手(広島)
 (選手名をクリック&投票して、JOMOオールスターサッカーに選出しよう!)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着