6月17日(日)J2 第22節 福岡 vs 草津(13:00KICK OFF/博多球)
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とにかく結果が欲しい。福岡にとって、そしてサポーターにとって、それが切実な願いだ。前節の仙台戦では最後まで互角の戦いを展開。双方ともに気迫あふれる好ゲームは決して悲観するような内容ではなかったが、それも敗れてしまえば首位と勝点18差の8位という現実ばかりが重くのしかかる。しかし、ここで下を向くわけにはいかない。熱い応援を続けるサポーターのためにも、今節は何が何でも勝利を掴まなければならない。
「負けが続くと今まで出来ていたことも出来なくなることもある。しかし、それにチャレンジしていかなければいけない」(久藤清一)。福岡が志向するサッカーは、ボールをポゼッションすることで攻守にわたって主導権を握り、ゆったりとしたリズムでボールを回して相手の守備の穴をジワジワと広げ、ここぞというところで一気にスピードを上げてゴールを目指すというもの。しかし、負けが続くことで、それが出来なくなりつつある。
細かなフットワークを必要とされ、ジャブを打ち続けるサッカーは手間もかかれば、頭も使うが、それが第1クールの好調を支えていた。まだ未完成のサッカーは守備の危うさを含むものではあったが、チームの可能性を広げたのも事実だ。もう一度、原点に戻って戦うことが必要だろう。労を惜しまずにスペースへ走り込み、急がずにボールを回し、チャンスと見るや縦にパスを入れて人数をかけてゴールに迫る。後方からビルドアップすることはリスクも背負うが、それでも勇気を持ってチャレンジしたい。
対する草津は第10節(4/21)に0−3で福岡に敗れているが、いまは全く違うチームになっている。高さと強さ、そしてカバーリング能力に長けたチカが束ねるDFラインと、豊富な運動量を誇る櫻田和樹を中心に高い位置からボールを追う中盤は、チームに守備力の安定をもたらし、現在は4試合連続無敗でその間の失点も1。そして、奪ったボールを櫻田、秋葉忠宏の両ボランチが左右に配り、高い位置取りの両サイドバックを起点にしてリズミカルに攻め上がる。前節の東京V戦では互角以上の戦いを演じた。
チームが目指す攻撃的なサッカーの実現には、最後の部分で攻めきれないという課題も併せ持つが、チームはいま飛躍の時期を迎えていると見ていいだろう。前回の福岡との対戦では「最低のゲーム。何もできなかった」と植木繁晴監督は厳しい表情を見せただけに、その雪辱に燃えて博多の森に乗り込んでくるのは間違いない。出場停止処分が解ける氏原良二も試合に出られなかった悔しさを思い切りぶつけてくるはず。福岡にとっては簡単な相手ではない。
じっくりとボールを回して詰将棋のように仕留めたい福岡と、奪ってから素早くシンプルに攻めたい草津。両チームの特徴は異なるが、ともに攻撃的なサッカーを志向するだけにゴール前でのシーンが増えることが予想される。
注目は田中佑昌と吉岡聡がマッチアップする福岡の右サイドでの攻防。その攻防を制するために、立ち上がりから中盤での激しいプレス合戦が繰り広げられることが予想されるが、ここでひるめば勝利はない。
既に梅雨入りした福岡の試合当日の天気予報は降水確率50%だが、うっとおしさを晴らすような好ゲームを期待したい。
以上
2007.06.16 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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