6月17日(日)J2 第22節 湘南 vs 鳥栖(13:00KICK OFF/平塚)
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思えば昨季のこの季節、湘南は8連敗に沈んでいた。梅雨空を憂うよりもチームの勝敗に吐息が漏れたものだ。だが今季は、連敗こそすれどズルズルと落ちてしまうことがない。チームのベースとなる守備が意識の面も含めて身に付いてきたという証左だろう。
在籍3年目を迎える加藤望は、2-0で勝利した20節の水戸戦を振り返りつつこう語る。
「いままでは守備をしっかりとすることを軸にやってきたが、水戸戦ではそこからさらにステップアップしてポゼッションを高めていこうと臨みました。ミスも多くもちろんまだまだですが、悪いなりにも相手を0に抑え、なおかつ点を奪って勝つことができた。技術や戦術どうこうではなく、勝つために何をすべきなのか、おぼろげながらも皆が見えてきたから手にできた結果だったと思う。ようやく一歩踏み出せたかなと感じます。今後もこれを続けていくことが大事」
昨年6月の鳥栖戦から菅野将晃監督が指揮を執って以来、およそ1年が経つ。じっくりと足もとを固め、チームは着実に階段を上っている印象だ。日ごろから厳しい目を向け続けるベテランの言葉にも、そんな実感がにじんでいた。
さて今節、湘南は鳥栖を平塚に迎え、今季2度目の対戦に挑む。昨季は指揮官の初陣を含め全敗を喫した天敵だが、第1クールには湘南が敵地で5-0の快勝を収めた。日程的にも鳥栖にとっては中3日のアウェイゲーム、おまけに16連戦の締め括りとなり、1週間を空けて臨む湘南の優位性は動かない。
しかし現在の鳥栖のパフォーマンスは、序盤戦のそれとは別物のようだ。11位に沈んだ第1クールから一転、第2クールに入ってからというもの、途中1分けを挟む5連勝を遂げた。第20節こそ首位の札幌に敗れたものの、前節にはすぐに立て直し難敵・京都を撃破、岸野靖之監督のバースデーに華を添えている。
振り返れば、たとえば湘南に敗れたゲームでは球際の甘さをはじめディフェンスの脆さが否めなかったが、いまは前線から始まるタイトなプレスが守備の連動性と安定感に繋がっている。また守備の安定に呼応するように、攻撃にも淀みない。前節には山口貴之が今季初ゴールを決めたほか、レオナルドのホーム初ゴールも飛び出した。怒涛の追い上げで湘南と並ぶ勝点30、順位も7位まで上げてきたJ最西端の雄は、いまもっとも波に乗っているチームといってよかろう。対する湘南は、中里宏司が累積警告で出場停止となる。高い守備意識から攻撃を紡ぐ両者にあって、スターティングオーダーを含めたゲームプランもまた見どころのひとつとなる。
「ひとつ勝てば上にあがれるというチャンスはそうそうないし、上のポジションで緊張感のあるゲームができる喜びを感じる。楽しみですね」
一戦を控えた加藤の表情は清々しい。その言葉どおり、予断の許さぬ展開となろう。流した汗が勝利に輝くのは果たしてどちらか。興味深い上位対決である。
以上
2007.06.16 Reported by 隈元大吾
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