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【J2:第23節 山形 vs 福岡 レポート】福岡が精密なポゼッションで2得点し、復調を印象づける連勝! 山形は後半に盛り返すも4連敗(07.06.23)

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6月23日(土) 2007 J2リーグ戦 第23節
山形 1 - 2 福岡 (14:04/NDスタ/3,537人)
得点者:'10 オウンゴ−ル(福岡)、'37 アレックス(福岡)、'54 宮沢克行(山形)

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 前節、0−1と敗れはしたものの連動したプレッシングが甦った山形は、前節の相手、C大阪と同じようにポゼッションを特長とする福岡をホームに迎えた。アグレッシブに前に出て高い位置でボールを奪い、攻守の切り換えで先手を取ることで課題の得点力不足を補おうという青写真は、しかし福岡の巧妙なポゼッションの前に、立ち上がりからその効力を失っていた。

 DFラインでボールを回している間、福岡の中盤は高い位置をキープ。一見、DF4人と中盤との距離が遠く、ロングボールを狙っているようにも見えるがそうではない。起点をつくるのに十分なスペースを見つけると、久藤、あるいは布部がスルスルと下りてきて、そこへタイミングよくパスが供給される。「(山形の)プレッシングの始まりは相手の2トップなので、そこをうまく走らせて、空いたところにボールを入れて、そこからしっかりと中盤が前を向いてプレーすることができました」(福岡・久永)。ここで先手を取れば、あとは相手のプレッシングを受ける前に、持ちすぎず次の展開に移るだけ。

 そのシーンを、山形側から見るとこういうことになる。「今日は相手がサイドに張るチームだったので、自分もミヤ(宮沢。ともにサイドハーフ)も縦に入れさせたくなかった。縦を切って中で取ろうという話だったんですけど、そこでライン間を使われて、みんなが置いていかれる展開だった」(財前)。

 中と外の使い分けにおいても、福岡は巧妙に事を運ぶ。前半3分、やはり常にラインの間でいやらしくポジションを取っていた右サイドハーフ田中にパスが通り、下げたボールは山形辰徳が受ける。これで外へ引きつけておき、空いた中央へのパスには布部が反応しフリーでボールを受ける。ここは早めのアプローチで山形がシュートを打たせなかったものの、福岡のポゼッションが山形のプレスを凌駕していることを象徴していた。

 その勢いが得点に結びついたのは前半10分、久藤の左FK。跳ね返りが再び久藤のところまで戻ってくると、今度は縦方向の布部に出し、そこからGKとDFの間めがけてクロスが入る。クリアしたボールを逆サイドで受けた田中がすかさずグラウンダーのシュートを打ち込むと、DFレオナルドのクリアがそのままゴールマウスに吸い込まれる。オウンゴールで福岡が先制。山形が先制点を奪われるのは、これで6試合連続となる。

 福岡に翻弄されていた山形も、ボランチ木藤を中心に中盤でボールを奪うシーンは何度か見ることはできた。ただ、十分に空いているように見えるバイタルエリアを制圧するには、FWのくさびのプレーとその前後のプレーでの精度が低かった。ようやくサイドまでボールを運べるようになったが、中がそろった福岡守備陣をうち破るだけの力強さはない。前半22分には怪我から復帰したばかりのチェッコリをかわし、財前が右からクロスを入れたが、ボレーシュートの体勢に入っていた豊田に届く前に福岡DFにクリアされる。26分の北村のように、ミドルレンジでも積極的にシュートを打ち込もうという意識も見えたが、攻撃でペースをつかんでいる福岡は守備でもリズムがよく、山形を寄せ付けない。

 福岡がいくらボールを回そうとも、山形はセンターバック前のスペースの戸締まりさえしておけば、そう簡単に点を取られるものではなかった。しかし、そのもっとも守りたかったスペースに進入したのが、前半37分のリンコン。一瞬にしてその場を陥れボールを受けるとターン。その動きとシンクロして、すでに中央裏のスペースへ走り出していたアレックスがスルーパスを足元で収めたあとは1対1。冷静に決めて2−0とリードを広げた。山形はこの直前、木藤が負傷退場したことも響いた。

 後半に入っても、4分にオーバーラップしたチェッコリのクロスを久永がヘディングシュートするなど、福岡が先手を取る。しかし、その流れを一遍で断ち切ったのが、後半9分のプレー。石川とのコンビで左サイドを崩した財前が、マークを外し速いクロスを送り込む。中央で飛び込んだ北村の頭上を通過し、そのままゴールラインを割るかに見えたボールに追いついたのは、長い距離を走ってきた宮沢。「仲間を信じて長い距離を走ってゴール前まで行ったので、そういう気持ちが最後に得点になった」というゴールが反撃の狼煙となる。
 11分には宮沢のダイレクトプレーで北村がゴール前に飛び出し、その2分後には、右サイドから北村が入れたボールを渡辺がセットし、走り込んだ宮沢がミドルシュートを放つがバー直撃。さらに跳ね返りを左45度から、財前が緩いカーブでゴールマウスの隅を狙ったがわずかに外れる。さらに、18分には石川の左クロスをファーサイドで豊田がヘディング。しかし、ボールは頭にかすりそのまま逆サイドへ。

 前半とは攻守が入れ替わる展開。福岡は、リードしていながら下から突き上げられるような感覚を、第2クール初めの4連敗した時期にいやというほど味わっていた。しかし、この時間帯の猛攻をしのぎきった福岡は、次第に落ち着きを取り戻す。山形のラインが下がったのを見逃さずにリンコンが打ち込んだ後半18分のシュートを最後にこの試合でシュートは見られなくなったが、逆に山形にもビッグチャンスを与えず、時間の経過とともにセーフティにコントロールし、ゲームを終わらせた。

 福岡の勝利を支えたものは様々あるだろうが、前節の白星もその一因であることは間違いない。この試合でも1失点を喫したものの、リードを逃げ切り、何より勝点3という結果を手にしたことで、自分たちのサッカーに対する自信をさらに深めることができる。順位を上げていくにはまだまだ連勝が必要になるが、上位チームを追い上げるだけのエンジンと燃料はそろったようだ。

 敗れた山形は連敗が4となり、勝利のない試合も8試合を数えることになった。戦術の拠り所としていたプレッシングを、これまでのロングボールではなくポゼッションで外されたことで、上位との差を縮めたいこの時期に、またひとつ課題を抱えることになった。しかし、今は我慢の時期。戦いの軸が揺らいではならない。それを確立することこそが、まだ半分以上ある残りのシーズンに向けた最優先の課題となる。
「4連敗することはすごく悔しいですけど、こういう経験があって前に進めると思うので、投げ出さないでもう1回、ここから這い上がっていけるようにやり続けるしかないと思います」(財前)。現実を直視できることも、強くなるための要素のひとつだ。


以上

2007.06.24 Reported by 佐藤円
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