6月27日（水）J2 第24節 Ｃ大阪 vs 東京Ｖ（19:00KICK OFF/長居）
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　前節、草津に勝って4連勝。勝点3を加えたC大阪は9位から6位へと一気に順位を上げた。しかも4試合連続で無失点。1カ月前の湘南戦（5月27日）で4失点を喫して無残に散った姿はどこにもない。5月下旬から6月上旬に行ったミニキャンプで植え付けられたクルピ監督の戦術が浸透し、もともとあったチーム力が引き出され始めているのは確か。そして、勝利を積み重ねることで、選手たちの間に自信と信頼が広がっているのも事実だ。

　ひとくちに4連勝といっても、決して楽な試合ばかりではない。むしろ厳しい内容のものがほとんどで、苦しい時間帯を耐えて、チャンスを確実にモノにして勝点をもぎ取ってきた印象が強い。前節の草津戦もそうだった。「相手のボール回しが早かったので、最初は無駄に走ってしまっていた」。古橋達弥が振り返ったとおり、前半は相手の勢いに押される場面が目立った。しかし、そこで慌てないのが今のC大阪。「いつかはゴールを決められると信じて戦っていた」（古橋）という気持ちが、後半の2得点につながった。セットプレーからの得点が目立つのも最近の特徴で、トレーニングを繰り返した成果といえる。

　そして、C大阪は4試合連続して無失点というのも称えられるべきだろう。GK吉田宗弘が「ゼロで抑えながら守りきるイメージができてきた」と言い、右サイドバックの柳沢将之は、「チームとしての約束事がはっきりしてきているし、カウンターを受けないようバランスにも気をつかっている」と話す。ただ、東京Vの攻撃陣を相手にこれまでどおりの組織的な守備を見せることができるかどうか。チームとしての力量を測るには、格好の相手になりそうだ。
　
勢いが感じられるC大阪だが、不安な要素がないわけではない。U-20ワールドカップに参加するため、森島康仁と香川真司がこの試合から不在になる。途中出場ながらパンチのあるプレーを見せていた森島康、左の攻撃的MFとしてチャンスメークに貢献していた香川の不在はチームに大きな影響を与えるだろう。そして前節の草津戦では、このところFWとして先発出場を続けていた小松　塁が負傷（右ひざ内側側副靭帯損傷）し、欠場の見込み。さらに柿谷曜一朗も負傷中ということで、オフェンスの選手が手薄な状態だ。もっともクルピ監督はかねてから「チームの総合力には自信を持っている」と話している。FWには金　信泳（キム・シンヨン）、左MFには堂柿龍一の先発が予想されるが、彼らが奮起し、結果を残すことでチーム力はさらに厚みを増すはずだ。
　
　対する東京Vは、6月に入って1勝1分2敗とやや足踏み状態というところか。前節の札幌戦では、立ち上がりから攻めの姿勢を見せたものの決めきれず、逆にセットプレーからの失点に泣いた形。ラモス監督は、「あせらなくていいのにみんながあせってしまった」と語った。堅い守りを見せるC大阪が相手だが、東京Vにすれば、先に得点すれば俄然有利になる。攻撃のタレントは豊富に揃うとあって、冷静にゴールを陥れることがポイントになりそうだ。現在8位ではあるが、勝点は6位のC大阪と同じ30。当面の敵をきっちりたたいておきたいところだろう。

　C大阪が連勝を伸ばし、上位チームに迫ることができるかどうか。それとも東京Vがホームチームの勢いに待ったをかけるのか。ともに実力あるチームの対戦だけに見ごたえは十分、熱い戦いが繰り広げられるはずだ。

以上