★6/27習後のオシム監督(日本代表)コメント
★6/27習後の日本代表選手コメント
★6/27練習試合の結果
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サバイバルとチーム完成度の向上…。2つの相反するテーマを持って、千葉合宿最終日の流通経済大との練習試合に臨んだオシムジャパン。アジアカップ1次リーグ開催地であるベトナム・ハノイを思わせる蒸し暑い気候の中、行われた60分×2本の練習試合は得点ラッシュとなった。
1本目は「ジョーカー」として期待される前田遼一(磐田)のゴールに始まり、播戸竜二(G大阪)、佐藤寿人(広島)が立て続けに得点。FW4人が一気に先発するという難しいバランスの中、彼らは結果を出した。そして2本目も矢野貴章(新潟)が先制弾を決め、エース・高原直泰(フランクフルト)も得点。FW陣では巻誠一郎(千葉)を除く5人がゴールし、アジアカップ本登録メンバー23人入りへ強烈なアピールを見せた。オシム監督は「ギリギリまで23人をどうするか考えているようなら、私は代表監督の仕事をしていないことになる」と話し、すでに腹を決めている様子だが、この日の選手たちの頑張りが何らかの影響を及ぼすかもしれない。
一方、オフ明けで試合勘の鈍りが懸念された中村俊輔(セルティック)と高原だが、そんな心配は無用だった。中村俊は2得点で格の違いを見せつけ、高原も強く逞しいゴール前のパフォーマンスを示す。両大黒柱のコンディション向上は、チームにも明るい材料だ。
逆に試合後、オシム監督は負傷離脱した田中マルクス闘莉王(浦和)と水本裕貴(千葉)がアジアカップメンバーの選考外となることを明らかにした。これにより、30日に絞り込まれる選手は5人となる。
24日から行われていた日本代表候補合宿。最終日の27日は毎回恒例の大学生とのテストマッチが組まれた。ゲーム方式は1本60分×2本。GKは30分ずつプレーし、フィールドプレーヤー12人は約10分ごとに交代した。
1本目の先発メンバーは巻、播戸、佐藤、前田というFW4人が含まれた11人。「最初から4人というのは驚いた。遼一はMF経験があるから下がり、自分も1つ後ろとかサイドとかでプレーしようと思った。でもどっちつかずの部分があり、バランスが悪かった」と佐藤も顔を曇らせた。案の定、立ち上がりの日本代表は流れがつかめない。相手の激しいプレスに苦しみ、ボールが回らなかった。が、開始7分に播戸のパスを受けた前田が先制点を奪ったことでリズムをつかみ始めた。
10分余りが経過し、佐藤と本田圭佑(名古屋)に代わって加地亮(G大阪)と駒野友一(広島)が登場。これで布陣が4ー4−2に変わり、バランスも落ち着いた。さらに20分すぎには4−3ー3へ。アジアカップの対戦相手であるカタールやUAEも試合中に頻繁にシステムを変更してくるというが、今回の頻繁なメンバー・布陣変更は相手への適応力を養う意味もあったのだろう。
26分には本田とのワンツーから播戸がゴール。開始10分にGKとの1対1を外している播戸だけに、この1点には心から安堵したようだった。続いて33分にはU22日本代表の本田が豪快な左足ミドルシュートで3点目を奪う。合宿前のJリーグでは疲労蓄積が心配された本田だが、今回の合宿では非常に動きがよく、思いきったプレーを何度も見せた。若い選手が可能性を示すこともオシム監督にとっては喜ばしいはずだ。そして1本目最後のゴールは50分の佐藤。播戸のクロスを、確実にヘッドで押し込んだ。オシムジャパン発足時から常連の佐藤だが、国際試合の出場機会は少ない。本人も危機感を感じているのか、アジアカップへの意欲を前面に押し出していた。
2本目は4−4−2からスタート。FWに高原と矢野、2列目に中村俊と羽生直剛(千葉)、ボランチに鈴木啓太(浦和)と中村憲剛(川崎F)とキリンカップでプレーした選手が多く、開始早々から非常に連動した攻撃が見られた。その象徴が8分の矢野の先制弾。右サイドに位置した中村憲から中村俊、高原とダイレクトでパスが渡り、左サイドを駆け上がった羽生へ。この速いボール回しに相手守備陣はついていけず、ゴール前ががら空きになった。そこに飛び込んだ矢野が楽々と1点をゲットする。「人とボールが動いて結果を出すのがオシムさんの目指すサッカー。それに相応しい点だった」と外から見ていた水野晃樹(千葉)も納得していた。
中村俊が17分に挙げた2点目は太田吉彰(磐田)が倒されて得たPKによるもの。19分の3点目は見事なサイドチェンジから中村俊がクロスを入れ、前線へ走りこんだ水野が決めた得点だった。高原の4点目は中村俊がお膳立てをし、5点目は中村俊が自らGKとの1対1を確実にモノにした。つまり5点のほとんどに中村俊が絡んだのだ。
2000年レバノン大会でベストイレブン、2004年中国大会でMVPに輝いた男は、この大会の意味をいちばんよく知っている。オシム監督も「チームを導いてほしい」というニュアンスの言葉を中村俊と遠藤保仁(G大阪)に対してかけたという。それだけの仕事ができる実力と確固たる存在感を、この試合で改めて示した。
2本ともチーム完成度の向上が見て取れた。パス回しのスピードは格段に上がり、得点への意欲も増している。守備陣の選手層の薄さが気がかりではあるものの、この調子でケガ人が出ずに組織力を高めていけば、アジアカップ本大会もまずまずの結果が出せるのではないか。「日本が優勝候補といわれるのは気持ちがよくない」とオシム監督はあくまで周囲をけん制していたが、我々の期待に応えてくれそうな「手ごたえ」を、選手たちはこの練習試合で感じさせてくれた。
その前にまずは30日に予定されている大会本登録メンバーの発表に注目だ。指揮官の判断が、今から大いに気になる。
以上
2007.06.27 Reported by 元川悦子
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