●AFC アジアカップ2007 グループB
7月9日(月)19:20キックオフ(日本時間)/ベトナム・ハノイ
日本 vs カタール
-試合速報はこちら-
TV放送:テレビ朝日系列にて19:00〜21:26
----------
アジアカップ3連覇を狙う日本の初戦の相手はカタール。93年の「ドーハの悲劇」や、毎年行われているU21カタール国際トーナメント、あるいは2006年アジア大会など、我々サッカー関係者には馴染みのある国だが、A代表同士の対戦は意外と少ない。
93年Jリーグ発足後は2度しか戦っていない。1度目が94年アジア大会(広島)。グループリーグ第2戦で当たり、1−1のドローに終わっている。2度目が2000年アジアカップ(レバノン)のグループリーグ最終戦。この時の日本代表はすでに決勝トーナメント進出が決まった後。国際Aマッチ出場経験の少ない選手がピッチに立ったこともあり、苦戦を強いられた。結果は1−1。またしても勝てなかった。80年代を振り返ってみても、日本は2度カタールに挑んで2度敗れている。現在のカタールのFIFAランキングが85位で、40位の日本のよりかなり下といっても、この実績を見る限りでは「組しやすい相手」とは言えないようだ。
しかも今回はさらに手強そう。というのも、指揮を執るのがオシム監督の「愛弟子」ともいえる人物だからだ。オシム監督が率いた旧ユーゴスラビア代表のヘッドコーチを務めたムソビッチ監督がその人。90年イタリアワールドカップ8強進出の後、彼自身もコーチのキャリアを重ね、2004年にトルシエ元日本代表監督がカタール代表監督を解任された後を引き継いだ。監督交代が日常茶飯事の中東にあって、1人の指揮官が3年も代表チームを指導するのは非常に珍しい。それだけムソビッチ監督の手腕が高く評価されているということだろう。
ムソビッチ監督の採るサッカースタイルはオシム監督と酷似しているという。人とボールを動かしながら攻撃チャンスを見出すというものだ。かつて中東勢といえば、自陣にべったりと引いて守りを固め、ボールを奪ったら素早いカウンターを繰り出すというスタイルで戦っていたが、彼らのサッカーも確実に進化を続けているのだ。
さらにムソビッチ監督は研究熱心で、日本代表のことを丸裸にしているともいわれる。彼らは6日夜に決戦の地・ハノイ入りしたが、その直前にはバンコクでタイ代表とゲームを行うなど、じっくりと調整してきた。日本対策も徹底的に行った模様で、中村俊輔(セルティック)や高原直泰(フランクフルト)といったキーマンは徹底的につぶそうとしてくるに違いない。
相手のよさを消した上で、自分たちの特徴を出そうとするのもオシム監督と同じ。今回のカタールは3−6−1のシステムをベースに戦ってくる。最大のキーマンは、昨秋にウルグアイからカタール国籍を取得したFWセバスチャン。彼は昨年末のドーハ・アジア大会優勝にも大きく貢献しており、驚異的な突破力や得点能力を備えている。カタールでは今、帰化選手を増やしてチーム力アップを図ろうという動きがあり、浦和レッズで活躍したエメルソンもすでに国籍を取得した。国籍取得からの時間が短く今大会の出場は叶わなかったが、いずれはさらに手強くなるだろう。
守備の要であるセネガル生まれのDFアブドラー、イングランドのマンチェスター・シティに籍を置いたことのあるテクニシャンであるMFヤセルなどタレントもいる。彼らは要注意プレーヤーだ。
すでに日本選手たちもカタールのビデオを繰り返し見るなど、熱心に研究を進めている。オシム監督も「相手の背番号と特徴、顔までしっかり覚えて試合に入るように」と指示している。
ビデオを見た遠藤保仁(G大阪)は「ウルグアイ出身のFWはキープレーヤーの1人、10番(ヤセル)はアイマール(レアル・サラゴサ)みたいなテクニックと速さを持っている。素晴らしいキッカーもいるし、不用意なFKを与えないようにしないといけない」とコメントした。一方、中村俊輔は「ウルグアイ出身のFWはうまいし、10番もいい選手。だけど10番がふらふらと流れたりしながらプレーするので、ここでうまく絞ってボールを奪えれば、自分と加地(G大阪)で攻めて、相手の左サイドバック(7番のアリ)で2対1を作れる。ボランチもサイドにズレて守ってくるけど、速く攻められればチャンスになる」と相手の突きどころを分析していた。
中村俊輔はそのポイントを意識したのか、6日のベトナムアーミークラブとの練習試合でも、加地を積極的に使って2対1から攻めようという意識をのぞかせていた。そして実際、2人のコンビから遠藤がゴールを決めた。本番もこのような崩しが数多く出れば、日本が主導権を握れるはず。どんなに疲れていても、気象条件や芝の状態に苦しんだとしても、日本はやはりアジア王者である。カタールに先手を取らせないような、頭を使ったサッカーを見せるしかない。
以上
2007.07.07 Reported by 元川悦子
J’s GOALニュース
一覧へ【AFC アジアカップ2007】対戦国分析 / カタール編:オシム監督の愛弟子・ムソビッチ監督率いるカタール。帰化選手の代表入りなどで確実にレベルアップ(07.07.07)













