7月7日(土) 2007 J2リーグ戦 第26節
鳥栖 2 - 0 草津 (19:03/鳥栖/5,623人)
得点者:'44 藤田祥史(鳥栖)、'47 藤田祥史(鳥栖)
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「危険な時間帯」。サッカーでは、よく使われる表現である。
前後半の開始直後と終了間際の5分間程度を指している。開始からの5分は、相手の戦術と選手の調子を知るために必要な時間と言われている。終了までの5分は、自分たちの集中力と気迫の持続が途切れやすくなる時間と言われる。その時間帯の得点は、チームに勢いを与え、失点は気勢をそがれる結果になることが多い。今節の鳥栖スタジアムは、この時間帯の得点がチームの戦い方と結果を分けた。
前半のアディショナルタイムが表示された。それまではスコアレスドロー。ピッチ上の選手もベンチの監督・スタッフも、そしてスタンドの観客も気持ちは後半に移っても仕方が無い状況だった。鳥栖も草津も、前線からプレッシャーをかけて一進一退の攻防を繰り広げていたからである。それを打ち砕いたのが、鳥栖のMF小井手のワンプレーであった。
ゴールを背に、ボールを中央で受けた小井手は、草津のボランチ2人のアプローチをかわしゴールを向いた。守備の基本は、「相手に自由にプレーさせないこと」であるが、この瞬間の草津ボランチのプレーはあまりにも軽すぎた。前半終了間際の集中力の欠如だったのかもしれない。小井手の前には、ポストプレーに入ったFW藤田と右サイドを駆け上がってきたDF長谷川がいた。小井手の選択は、完全フリーの長谷川に「ボールを渡すこと」だった。長谷川は落ち着いて中央の藤田にラストパスを送り、先制点を演出した。前半終了間際の先制点。この得点は、前半の草津のポゼッションサッカーに微妙に影響した。
前節、鳥栖は前半の終了間際に失点し、それが決勝点となった。前節の屈辱を今節の草津戦で晴らした。
1点のビハインドを負って、草津は後半を迎えた。あわてる時間でもなく、「我慢して好機を狙う」(秋葉/草津)ことで、勝機を狙っていた。しかし、鳥栖の右サイドで展開されたボールは、小井手の左足からゴール前に走りこんだMF石田に送られた。石田のシュートはGKにはじかれたが、詰めた藤田が押し込んで鳥栖に追加点が生まれた。
前節、草津は後半開始2分に失点し、それが決勝点となった。今節も後半開始2分に失点してしまい、この失点がそれまでの草津の戦い方を変えざるを得ないきっかけとなった。「勝ち点3を得るための戦い方」(秋葉/草津)は、桑原と里見を投入し、前線でボールの受け手を増やすことだった。FW高田を含めた3トップ気味の攻撃陣は、前半のポゼッションサッカーからパワープレーに変わった。後半終了間際には、DFチカまでもがこれに加わったが、得点を生むことはできなかった。パスの受け手は多かったが、出し手が少ないために好機を演出することができなかったからである。
前節の反省を今節に生かした鳥栖と前節と同じ過ちを犯した草津。結果はおのずと鳥栖に有利になっていく。2点の先行後に鳥栖が先手を打って尹晶煥と廣瀬を入れた。守るのではなく、「さらにエネルギーを加える」(岸野監督/鳥栖)ことで、前半の鳥栖よりさらにポゼッションし始めた。「自分たちの形」を最後まで変えなかった鳥栖と変えざるを得なかった草津。この違いは、勝ち点3の違いを生む結果となった。
「危険な時間帯」今までその辛さを散々味わってきた鳥栖。今節は、その屈辱を晴らすことができた。
今節もその辛さを味わった草津。8試合連続で勝利から見放される結果となった。長いシーズンの折り返しを迎えた両チームは、全く違う顔を見せる結果となった。ワンプレーで流れを引き寄せることができるサッカー。怖くもあるが、そこに面白さを見ることもできる。90分間、目を離すことができないスポーツである。
以上
2007.07.08 Reported by サカクラゲン
J’s GOALニュース
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