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【J2:第26節 湘南 vs 福岡 レポート】七夕決戦は前後半の立ち上がりを押さえた福岡に軍配。湘南は怒涛の反撃もゴールに結べず、今季初の3連敗を喫す。(07.07.08)

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7月7日(土) 2007 J2リーグ戦 第26節
湘南 0 - 2 福岡 (19:03/平塚/5,717人)
得点者:'2 アレックス(福岡)、'54 宮本亨(福岡)

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 ドラマチックな演出は、空の上の、年に一度の逢瀬にしか用意されていなかったようだ。前後半の早い時間帯に得点した4位・福岡が勝点3を奪い、逆転を目論む湘南を置き去りにした。リードを許したホームチームは、笛が鳴るまでゴールに橋を架けようと追いすがるが結局、ドラマは最後まで起きなかったのである。

「いいサッカーができた」とリトバルスキー監督が振り返った前半、福岡は開始早々に主導権を握る。七夕の動員に揺れるスタジアムを沈黙させたのは、わずか2分のことだった。アレックスとリンコンが狭いスペースでダイレクトパスを重ね、あっという間に相手の守備網をかいくぐる。アレックスが見舞ったフィニッシュは、体を張るDFに当たりコースを変え、ゴールに吸い込まれた。「2-0」で勝利した第1クールの2点目とおなじ、両ブラジル人の阿吽の呼吸による得点だった。

 とくに序盤の福岡は、コンパクトに締める相手の守備ラインのあいだを巧みに突いた。アレックスはもとより、久永辰徳と田中佑昌の両サイドハーフ、ボランチの久藤清一といった攻撃の牽引者たちが運動量豊富に出し入れを活発にし、パスを重ねていく。湘南の得意とする囲い込みにも動じない。シンプルに捌き、ときに時間をつくり、小気味よいポゼッションから機を窺う。ボールを失っても素早くプレスに転じ、ひとたび奪えばシンプルに楔を打ち込み、あるいは田中が瞬時に右サイドの深い位置を盗むなどして、ラストパスへと繋げていく。こうして前半の半分ほどは福岡の時間帯だった。

 一方の湘南は、福岡がチャンスをゴールに結べずにいると翻弄されていたディフェンスが次第に機能しはじめ、守備からリズムに乗っていく。「攻めさせてからのカウンターが効いていた」と布部陽功が明かした福岡の鋭い切り替えには手を焼いたものの、前回の福岡戦以来12試合ぶりの出場となった中町公祐をはじめ、加藤望や永里源気らが絡み、ゴールに迫る。30分に中町が際どいシュートを放って以降は、とくに支配を逆転させた。守備に奮闘していたボランチや両サイドバックも攻撃に顔を出す。だが原竜太の惜しいシュートをはじめ、ロスタイムまで攻め立てるもゴールは割れず、0-1のまま折り返した。

 ハーフタイムを挟んでも湘南は前半のリズムを失わない。だが福岡のカウンターもまた、相変わらず危険なスパイスを両者の綱引きに与えていた。そして、試合巧者はその一縷のチャンスを逃さない。54分、押し込んだ福岡がコーナーキックを得ると、久藤のクロスから布部を経由し、宮本亨がヘディングで押し込んだ。本人も最初は入ったのかどうか分からなかったというほどの、混戦のなかでの貴重な追加点だった。

 もはや後がなくなった湘南は、タイトなプレスで全体を押し上げ、相手にパスを繋げることすら許さない。また途中出場の梅田直哉が前線で起点となり、仲間をフィニッシュへと導く。あるいはJ2最年少出場記録の菊池大介がJ2最年長プレイヤーである加藤の後を託されると、入って早々左サイドからパスを捌き、中町のスルーを経て、逆サイドを駆け上がった田村雄三が強烈なミドルを撃つ。その後も、クロスバーを叩いた永里のヘッドや攻撃参加した山口貴弘のクロスなど、相手のカウンターをかわしながらロスタイムまで押し込むが、試合終了の笛が湘南の願いを断ったのだった。

 勝利した福岡は、引き分けを挟む4連勝で前半戦を締めくくった。この日、途中出場を果たした柳楽智和と中村北斗の両雄の復帰も心強い。第2クール序盤、大量失点を食らい連敗に沈んだ守備も、ここ5試合でわずか1失点と安定感をみせる。次節は中3日のアウェイ連戦となるが、いまの流れを厚別へ持ち込み、首位チームを撃破したい。「いいかたちで第2クールを終わることができたが、まだまだ。絶対に気を抜けない」と布部が引き締めたとおり、そのつぎに控えているホーム仙台戦と併せて大きな山となりそうだ。

 一方の湘南は今季初の3連敗となった。今節の失点は不運な面もあったが、失点しない守備をまずは見直したい。と同時に、菅野監督も試合後に触れたプレーの質も研いでいきたい。ただ、攻撃の連動性は試合を重ねるごとに磨かれているのは明らかだ。故障者も徐々に合流し、くわえて新たな血も注入された。なにより、「いま持てる力を精一杯発揮しようとやってくれた」と指揮官が振り返ったように、チームの根幹となる姿勢を前半戦の締めくくりで再確認し体現できたことは、今後の闘いを見据えたときに得がたい糧となろう。次節から水戸、草津と、こちらもアウェイ戦が続く。来たる第3クールをほんとうの闘いたらしめるのは紛れもなく、自らにある。

以上

2007.07.08 Reported by 隈元大吾
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