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【J2:第27節 C大阪 vs 徳島 レポート】苦しいなかで勝利をモノにしたC大阪、善戦しながら苦杯をなめた徳島。勝負の分かれ目はセットプレー(07.07.12)

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7月11日(水) 2007 J2リーグ戦 第27節
C大阪 3 - 1 徳島 (19:03/長居2/3,244人)
得点者:'44 古橋達弥(C大阪)、'73 小山拓土(徳島)、'86 小松塁(C大阪)、'89 小松塁(C大阪)

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 結果は3-1でC大阪の勝利。スコアだけをみれば、ホームチームの快勝といえそうだが、内容は異なるもの。試合後の両監督の表情からも、それははっきりと感じることができた。「ゲーム内容に関しては満足できるものではなかった」と語ったのはC大阪のレヴィー・クルピ監督。一方、徳島の今井雅隆監督は「ゲームプランどおり、うちとしたら出来のいいほうの部類のゲーム」と評した。そして、両監督がともに口にしたのは、このゲームの勝敗を分けた「セットプレー」についてであった。「日ごろから練習しているセットプレーの成果を発揮したという意味で、勝利を収めるにふさわしかった」と、クルピ監督が笑顔を浮かべたのに対し、今井監督は「ゴール前でのファウルとそのあと(のFKに対するプレー)はまったく言い訳の余地のないもの」と厳しい口ぶりで語った。

 ホームのC大阪は、出場停止のアレーに代えて千葉貴仁をボランチに起用。前線には身長186センチメートルの金信泳と187センチメートルの小松塁を並べ、これまではFWだった古橋達弥を右のサイドハーフに配した。前節の京都戦の途中から採用し、奏功した布陣だった。が、立ち上がりから深く引いて守りを固める徳島ディフェンスを攻めあぐんだ。前線に張る金信泳は厳しいマークにさらされて、ほとんどくさびが入らない。小松は中盤に引いてチャンスを作ろうとするが、相手につぶされてしまう。ほとんどスペースがなく、古橋の飛び出しや両サイドバックの侵入もままならなかった。徳島の思惑どおりに前半が終わろうとしていた。

 試合が動いたのは前半44分。金が思い切ってゴール前でドリブルを仕掛けたところを倒され、C大阪がフリーキックのチャンスを得た。これを小松、ゼ カルロスがつなぎ、最後は古橋が鮮やかにゴールに蹴りこんだ。「狙い通り。守りを固めるチームに対して、ああやって取れると楽」と古橋。C大阪にとっては最高の時間帯、逆に徳島にとってはいやな時間帯でスコアが動き、ハーフタイムを迎えた。

「ポゼッションはしていたが、ずっと中盤の底で回している状態だった。ハーフタイムに監督から『どこかで仕掛けるように』と言われた」とは小松のコメントだが、後半に入ってもC大阪は主導権を握れずにいた。対してリードを許した徳島は、挽地祐哉に代えて小山拓土を入れるとともに、前半の「4-1-4-1」から「3-5-2」システムに変更。引き続きC大阪のサイドアタックを警戒しつつ、前半に比べるとやや前線に人を増やして攻め手を探った。徳島の狙いが実を結んだのは、73分。中盤でダ シルバが羽地登志晃にボールをはたき、羽地が相手DFを引きつけてから、ペナルティエリアに侵入した小山にパス。ノーマークだった小山が落ち着いてシュートを決めて徳島が追いついた。

 直後にC大阪は、FW金を下げて苔口卓也を前線へ。スピードを生かした仕掛けを期待された苔口だったが、リズムは変わらずチャンスを作ることができなかった。このままドローかと思われた試合の流れを変えたのは、またしてもセットプレーだった。86分、古橋の左コーナーキックに小松が頭で合わせ、土壇場で勝ち越し。さらに89分にも小松がゼ カルロスのクロスからシュートを決め、C大阪が徳島を突き放した。

 終わってみれば、C大阪の決定力が光った試合といえる。しかし、古橋が試合後、「もう少し早く2点目、3点目が取れればよかった。もっと自分たちで仕掛けないと」と話したように、2点目を挙げるまでのプレーにはもどかしさが感じられた。一方の徳島は、結果は出なかったが、戦い方が徹底されており、選手交代や布陣の変更もプラスに働いた。「全体としては我々のゲームができた」という今井監督の言葉は、うなずけるものだった。

以上
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