7月14日(土)J2 第28節 草津 vs 湘南(19:00KICK OFF/群馬陸)
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草津にとって第2クール初戦が「悪夢」の始まりだった。13節で札幌を撃破し、4勝4分4敗の7位という成績で第1クールを乗り切った草津は、勢い良く敵地・湘南へと乗り込んだ。だが、そこに待っていたのは屈辱だった。スリッピーなピッチや不運な判定に苛立ち、完全に自制心を失った選手は7枚ものイエローカードを受け、植木監督は退席処分。最終的には2対3で敗北した。草津はこの試合をきっかけにリズムが狂い始め、第2クールをわずか1勝で終えた。草津は第3クールの初戦となる今節・湘南戦で、リベンジを果たして勢いを取り戻したいところだ。
草津は5月26日のホーム水戸戦で勝利を収めて以来、8試合連続で白星から遠ざかる。しかも、8試合で奪ったゴールは3と、深刻な得点力不足に陥ってしまっている。攻撃の基本パターンであるFWへのクサビが入らずに、ポゼッションこそするもののボールが前に運べない試合が続出。その結果、第1クールで見せた2列目からの飛び出しがすっかり影を潜めた。
相手に研究されたこと、つなぐ意識が強過ぎることなど、いくつかの理由が挙げられるが、チーム全体の運動量の低下が一番の要因ではないだろうか。「前の選手を追い越していくロングランがなく、相手より走っていない。サッカーは細かいパスをつなぐ競技ではなく、点を取る競技。100本のパスより1つのゴールだ」とGK本田。ポゼッションサッカーを追求する草津だが、相手を圧倒する運動量、すなわち「走撃」が大前提のはずだ。
今週、植木監督は停滞するチームへのカンフル剤として、ザスパU23(草津温泉で練習しながらサテライトリーグに参戦するアマチュアチーム)からFW奥山を昇格させた。奥山は同リーグでJ1クラブ相手に3試合連続ゴール中。植木監督は「結果だけではなく、裏への抜け出しの鋭さなどプレーの質を見て判断した。プロを目指して一生懸命頑張る姿はチームにいい影響を与えるはずだ。試合で使うつもりで呼んだ」と話す。指揮官は起用法の明言を避けたが、ズバリ、スターティングメンバーに抜擢するとみる。草津温泉で努力を積み重ねた奥山が、Jのピッチに立つ瞬間は確実に近づいている。
対する湘南だが、前節水戸戦で終了間際に2つのセットプレーを押し込み、連敗を3でストップした。だが、植木監督が「湘南もあまり良い状態ではない」と話すように、万全ではない。やはり、ポイントとなるのはアジエルの動きだろう。草津は今週のトレーニングでアジエルへの対応を再三に渡って確認した。湘南はアジエルが囲まれた場合、前節後半のようにFWに長いボールを送る可能性もあるため、草津は柔軟な対応が要求されそうだ。また、石原、原という運動量豊富な2トップにも警戒が必要だ。前回の対戦のように2人にポストプレーを許すようだと、形勢は難しくなる。
ジリ貧状態となっている草津だが、ここにきて緊急補強の話が浮上するなど、クラブはチーム強化のアクションを見せ始めている。U23からの昇格、選手補強などの明るいニュースを、リーグ終盤に向けての追い風にするためにも、今節の勝利が求められる。
以上
2007.07.13 Reported by 伊藤寿学
J’s GOALニュース
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