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【J2:第29節 山形 vs 仙台 レポート】先制し、仙台をシュート7本に抑え込みながらまたも勝ちきれず。山形にとっては無念のドロー!(07.07.22)

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7月21日(土) 2007 J2リーグ戦 第29節
山形 1 - 1 仙台 (19:04/NDスタ/9,190人)
得点者:'44 北村知隆(山形)、'87 永井篤志(仙台)

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 キックオフ直後から狭い中盤で激しくボールを奪い合っていた両チームだったが、5分後には山形のプレスが機能し始める。試合が始まると同時に左サイドを離れトップ下あたりでプレーしていたロペスに対しては、秋葉、本橋が中心となって中央を閉じた。2本、3本とパスを通されても、4本目には追いつくだけの集中力と粘り強さも備えている。仙台のCBには比較的自由にさせていたが、そこから飛ぶロングボールにはレオナルドと小原が余裕をもって対応した。ユアスタでの前回対戦で、出だしから一方的に押し込まれた山形の姿は、この日のホームNDスタのピッチにはなかった。

 しかし、それでおとなしくなってしまう仙台の攻撃力ではない。仙台は前の6人が激しくポジションを移動させ、そこへ両SBの中田、磯崎が絡みながらパスをつなぎ、チャンスメイクしていく。なかでもロペスの暴れ方は尋常ではなかった。13分にはロペスが相手を突き飛ばすような勢いでドリブルを仕掛けてシュートまで持ち込むと、14分にはミドルシュートも積極的に狙う。15分には、関口のポストから左サイドに中島が飛び込み、速いグラウンダーのクロスに足から飛び込んだのはやはりロペス。あるいは前半30分で見せたシーンのように、カウンターでは味方からボールを預けられた瞬間、スペースで前を向いているポジショニングの妙もあった。

 山形は守備で、仙台は攻撃で、互いの長所をぶつけ合うような、ダービーに相応しい前半は、終了直前にスコアが動く。44分、ゴールは山形。決めたのはヘディングの北村。しかし、それを完璧にお膳立てしたのは財前だった。いつも以上にアグレッシブな守備に、この試合に懸ける意気込みを感じさせていた背番号10は、右サイドでボールを持つと磯崎、千葉と立て続けのチェックを受け、「粘って反転したときに、磯崎を見たら足がそろってたので、イチかバチか」と股抜きを成功させると自ら走り込みゴールライン際からやわらかいクロスを上げた。大舞台が似合う男が、静かに燃やした闘志を結果に結びつけた。

 前半終了間際に先制し、絶好の形で折り返した山形の次なる課題は、第13節以来となる2点目を取り、試合をさらに優位に進め、そして勝ちきること。後半2分には北村が1対1の決定的シーンを迎えたが、右隅を狙ったシュートはポストにはじかれ、10分にはFKからの本橋のヘディングもわずかに枠をそれた。その後も財前を臼井に、横山を根本に代えて攻撃の活性化を目論むが、後半30分手前で息を吹き返すまでは自陣に押し込まれ、奪ったあとの起点づくりも難しい時間帯も過ごすことになった。

 一方、前半の立ち上がりに押し込まれた仙台は、最後尾で長めにポゼッションすることで全体を落ち着かせると、17分の関口、18分の中島とシュートを打ち込み反撃に移る。プレッシャーを避けて低い位置にとどまったロペスは、ゴール前に顔を出す機会は減ったが、ボールを左右に捌く役に徹していた。19分には磯崎に代えて田ノ上を、23分には梁に代えて永井を投入したあと、パスが山形の守備網に引っかかる時間帯もあったが、後半32分の中田→萬代で3−5−2にシステムを変えると、サイドを起点に攻撃のネジを巻き直す。そして右サイドからのクロスを増やしたあとの後半42分、富田の左クロスを中島がヘッドで折り返し、マークを外しスルスルとゴール前に進入した永井のヘディングで同点に追いついた。

 追いつかれた山形も、追いついた仙台も、わずかな残り時間とロスタイムにはリスクを冒して「もう1点」を奪う姿勢を見せる。攻め込む仙台に山形も体を張って止めにかかり、メインスタンド側のタッチライン付近では激しくぶつかり合う肉弾戦が展開されたが、みちのくダービー第3戦は1−1のドローで終了した。

 前半は攻撃が封じられた印象もある仙台だが、慌てることなく理詰めのカードを切り、逆転こそできなかったがきっちり勝ち点1を拾う展開に持ち込んだ。「今日の引き分けに関しては、内容も含めて、追いついたということも含めて、勝ち点3に近い価値があるのかなと思っているし、次のホームでの札幌戦に十分につながる勝ち点だったと思っている」が望月監督の弁。トップ2の背中はしっかりと視界にとらえているが、次節の直接対決の勝ち点がどちらにどれだけ転ぶのか? 今後の展開にかなり大きなウエイトを占める一戦になる。

 山形は札幌、京都、東京V、仙台と続いた4連戦を3分け1敗で終えた。上位との直接対決で差を縮めることができず、先制しても勝ちきれない我慢の時期が依然として続いている。1試合平均13.7本のシュートを放ち、J2屈指の攻撃力を誇る仙台を、この試合ではシュート7本に抑えた。同じドローでも、3度追いつく撃ち合いとなった第1クールの対戦よりはよほど山形らしい試合運びで、樋口監督も「やりたいことはかなりの確率でできた」と一定の評価を与えている。「1試合2得点」は引き続きの課題となるが、それを達成するもっとも近道は「あきらめないこと」。次こそ勝てると信じるメンタリティが、いま問われている。

以上

2007.07.22 Reported by 佐藤円
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