7月21日(土) 2007 J2リーグ戦 第29節
湘南 1 - 1 愛媛 (19:03/平塚/3,532人)
得点者:'2 内村圭宏(愛媛)、'8 北島義生(湘南)
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「奇しくも前回対戦したときとおなじような展開になってしまった」
指揮官が試合後に触れた「前回」とは、平塚で行なわれた第5節の愛媛戦である。前半から中央を堅く閉ざし主導権を握っていた湘南は、しかし後半に入ってから退場者を出し、数的不利を強いられる。それでも選手たちは厳しい状況下で一層のハードワークを発揮したが、ゴールには届かずスコアレスドローに終わっていた。そして今節もまた後半にひとり失い、前半のスコアのまま「1−1」で試合を終えたのだった。
愛媛は立ち上がりから藤井貴と内村圭宏のスピード豊かな2トップ、あるいは大山俊輔と江後賢一という両サイドハーフがタイトにプレスを仕掛けた。試合開始わずか2分に訪れた先制点は、攻め込んだ湘南がいったんボールを戻したところを逃さず奪い、手薄なままの相手陣内で江後から内村へと落ち着いて繋ぎ仕留めたゴールだった。
早々に出鼻を挫かれた湘南も負けてはいない。激しさを増す中盤の攻防のなか、坂本紘司が奪い、左の加藤望へすかさず渡す。と同時に連動して駆け上がった尾亦弘友希が左サイドを深く突き、加藤のパスからクロスを入れた。ファーサイドで右足を振りぬいたアジエルのシュートは愛媛GK川北裕介に阻まれるも、ふたたびアジエルが拾い、最後は走りこんだ北島義生がゴール左隅へねじ込んだ。この8分の同点弾は、数分前の失点に絡んでいた北島の、執念宿る一撃でもあった。
同点とされた愛媛は、鋭い動き出しを備える2トップを活かし、カウンターに活路を見出す。前からのプレスも効果的だ。ただ前線のアグレッシブなディフェンスに比して、後方が連動しきれていなかったことは否めない。対する湘南は序盤こそ最終ラインからのロングボールでラインの押し上げを図ったが、プレスを凌ぎひとたび中盤に収めると、アジエルを軸に持ち前のパスワークからワイドに展開し、あるいは梅田直哉と石原直樹の2トップや加藤らが相手DFラインの前のスペースを使ってリズムに乗っていく。
湘南に傾いていた流れが変わるのは、後半に入って間もない52分のことだった。尾亦がこの日2枚目のイエローカードを食らい、退場を余儀なくされる。ただ、ここで彼ひとりを責めるのはいかにも酷だろう。この直前の場面にしろ、また前半の失点にせよ、いずれも相手の鋭いチェックからボールを失い、リズムをかき乱したことに端を発しているからだ。
さて突然のアクシデントに、湘南はDFを3枚にして応急処置をとるが、江後と大山がサイドを深く抉ってきたことも大きかったろう、すぐさま北島に代えて中里宏司を投入し、右の田村雄三を左に配して、ふたたび最終ラインを4枚に整える。石原をトップに残し、その下にアジエル、後半開始から入っていたFW原竜太が右に回り、左は前半どおり加藤、そして中盤の底に坂本という布陣で応戦した。
数的優位に立った愛媛は、精度の高い大山の右足や2トップの動き出し、ボランチの攻め上がりを絡め攻勢に出る。対するホームチームの10人も、斉藤俊秀とジャーンのセンターバックを中心に最後のところで防ぎきり、マイボールにするや1ボランチの坂本を含めた前の5人で反撃を企てた。それにしても、斉藤の鬼神のごときディフェンスには目を奪われる。今節にかぎったことではないが、相手のシュートやラストパス、セットプレーのマークにせよ、あらゆる危険な場面でことごとく立ちはだかった。「勝負にこだわっていく時期。負けたら終わりというぐらいの気持ちで臨む」と戦前に話していたベテランDFの言葉どおりの実行が、劣勢に立たされたはずのチームの背中を押したことは間違いない。愛媛がポゼッションを高めはしたものの、一方的な展開には終わらず、残り15分はむしろ人数の少ない湘南の時間帯だった。こうして今季3度目の対戦は、両者ともに勝点を分け合った。
中2日の厳しい連戦を強いられた愛媛は次節、ホームに水戸を迎える。笠松で「0−3」に沈んだ前回の対戦の借りを返すべく、4試合ぶりとなるホームでの勝利を掴みたい。初出場を遂げたジョジマールは、湘南の堅い守備に鮮烈デビューとはいかなかったが、チームとして今節の勝点1をつぎに繋げたいところだ。
一方の湘南もまた、苦しみながら掴んだこの日のドローを次節へと繋げたい。思えば、最後に勝点1を手にしたゲームは、いみじくも第5節の愛媛戦以来のこととなる。すなわち白黒ハッキリした結果が続いてきたなかで、劣勢にもかかわらず牙城を守り抜き、最後まで可能性を秘めた今節の闘いは、マイナス2というよりもプラス1の意味合いが大きい。「つぎの京都戦の価値がより大きくなった」と菅野将晃監督が語ったように、数的不利のなか粘り強く闘ってもぎ取った勝点をさらに輝かせる機会は、来週の水曜日に待っている。今季3度目の京都戦、今度こそ制圧したい。
以上
2007.07.22 Reported by 隈元大吾
J’s GOALニュース
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