8月5日(日)J2 第32節 仙台 vs 水戸(19:00KICK OFF/ユアスタ)
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※オートプレーの為、実際のメンバーと異なる場合があります。また一部選手はエディットして作成・追加しています。ご了承ください。
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第30節の札幌戦は攻め込みながらも完封負け、翌31節のC大阪戦では、3得点こそ得たものの今度は4失点を喫し敗戦。仙台は内容こそ両極端、しかし大きな悔しさの残る敗戦を2つ続けている。
だがこういう時こそ、一人ひとりに求められるのは、とにかく走り、守備でも攻撃でも高い連動を見せた自分たちのサッカーを信じる強い心。「水戸戦に向けた一週間、気持ちの切り換えが求められますよ、選手も、うちら(コーチ陣)も」とは、C大阪戦直後の佐々木GKコーチの言葉。それを成すことができたのか、仙台は今節、ホームに水戸を迎えた一戦で試される。
とりあえずC大阪戦直後に千葉が「4失点もしてしまっては勝てません」と振り返ったように、仙台にとにもかくにも求められるのは守備の建て直し。仙台はシーズン前半から、変幻自在の攻撃で勝点を積み上げてきたが、これだけ後方に憂いがあれば攻撃だとも言っていられない。
C大阪戦で気になったのは、守備の切り換えの遅さである。いや、正確には「遅さ」というより「曖昧さ」とでも言うべきか。ボールを奪われた直後、相手をサイドに追い込もうとするまではいい。しかし序盤の仙台とは違い、C大阪戦の仙台はこの部分で意思統一が図れなかった。全員の連動を欠いたプレスには閉じきれない穴が開き、そこからボールが「漏れ」、本来は簡単に出されるはずのない空いたサイドのスペースへボールを流し込まれる。仙台の失点はほぼこの繰り返しだったと言ってよいだろう。
8月2日、仙台は、宮城でミニキャンプを張っていた千葉と練習試合を行った。守備の課題修正を念頭に置いて挑んだ45分×2の試合で、仙台は後半終了間際に失点を許してしまうものの、C大阪戦のような目を覆わんばかりの守備崩壊は影を潜めていた。この点に関しては、J1相手に自信を深めたと評価できる。
一方で望月監督は、千葉戦で別の課題を見出した。「守備の切り換えは良くなってきたが、攻撃への切り換えとそこからの連動がちょっと遅れた部分はある」。守備が改善されれば今度は攻撃ということだが、C大阪戦後の空気を考えれば、攻撃に気持ちを振り向ける余裕が出てきたこと事態、チーム状況の改善を表していると考えられなくもない。
そして仙台の攻撃については、もう一つ光明がある。札幌戦の後で正式に登録が完了したファビーニョが、どうやらこの水戸戦から16名のメンバー入りを果たしそうだ。さすがに合流当初は体の重さや連携面でのすれ違いがあったものの、ここに来てコンディションも急上昇。さすがにまだ本調子とはいかないだろうが、前述の千葉戦でも、カウンターの展開から積極的にミドルを狙うような、新潟時代を彷彿とさせる(そして今季の仙台に多少なりとも欠けていた)プレーを見せ、平日の昼間ながら会場に詰め掛けた仙台のサポーターを沸かせていた。ピッチに登場するとすればおそらく試合途中からとなるだろうが、前線で強烈なスパイスとなる働きに期待がかかる。
そんな仙台だが、2連敗で迎えた今節、対戦相手の順位を考えてもチーム、サポーター共に許容できる結果は勝点3のみであろう。今節ユアスタにやってくる水戸にとっては、そこにこそ勝機がある。
ここ最近の水戸は、シーズン序盤の積極的なポゼッションサッカーとは趣を異なものとしていると感じる。どんな相手であれ、まずは2トップを前線に残して2ラインがしっかりと引き、奪ったと同時に前線に当てるというサッカーは、昨年までの水戸のイメージを重なる。
ところが、今季の水戸はやはり一味違う。ゲームの流れが水戸に傾いたタイミングを見計らって、例の積極的なサッカーへとやり方を変えてくる、そういったしたたかさを水戸は手にした。つまり今の水戸は、昨年までの強固な守備と、今季から志したポゼッションサッカーの良い部分をミックスさせたようなチームと考えるべきなのだ。
第1クールで水戸は(今年それまでやっていたサッカーと真逆の)5バックに近い引き気味の3バック布陣で仙台に対抗、後半までゴールを割らせずに耐え、焦りを与えることに成功していた。勝点3のみがこの試合における及第点である仙台は、立ち上がりから積極的に水戸を崩しにかかるだろうが、もし水戸に、そんな仙台の背景を逆手に取る意図があるならば、第1クール同様まずは守りをしっかり固めることで、仙台を追い込んでくるに違いない。その上で仙台に心身どちらかの疲れが出始めたところ、開幕から培ってきた華麗なサイドからの崩しで仙台の守備を襲えばよい。
この試合では水戸に、第2クールの対決で仙台の守備陣を文字通り切り裂いた、右サイドの金澤が出場停止から帰ってくる。(あくまで順位上の関係でこう表現するが)「大金星」を水戸が上げる土壌は、チームの戦力面でも、両チームが置かれた背景の面でも、ひそかに生まれつつある。
仙台はここ2節で揺らぎ始めた自分たちのサッカーを、まず守備から、次に攻撃面で再確認してこの一戦に臨むが、この「自分たちの中の戦い」とは別に、虎視眈々とユアスタでの勝利を画策する「青の恐怖」との戦いが待っている。
以上
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第32節 仙台 vs 水戸 プレビュー】自分たちのサッカーの再確認をこの一週間で試みた仙台が、今や「2つの顔」を持つに至った水戸を迎え、勝点3奪取の戦いに挑む(07.08.05)













