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【再開直前! J1各クラブ戦力分析レポート:横浜FM】早野コンセプトに迷いなし。クオリティ高め、自然な順位上昇を(07.08.08)

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【リーグ後半戦展望】----------

今シーズンの横浜FMは、相手にとってやりにくいチーム。得点力不足に悩むかと思えば、堰を切ったようにゴール量産。下位にてこずるのに、上位とは互角以上の戦いを繰り広げる。後半戦は、やはり結果がほしい。それは目の前の勝点3に絞り込むことではなく、求めるのはチーム力がアップしての確かな前進。今シーズンの当初に掲げた攻撃的なサッカーを貫いての連勝だ。

中断中のキャンプも、遠征ではなく通常のみなとみらいの練習グラウンドで行なった。新戦力による変化や、システム修正ではなく、攻守のレベルを上げることに注力している。カギを握るのは、やはりオフェンス。リーグ戦、ナビスコカップを合わせた公式戦26試合中、3点以上の大量得点ゲームが6。これに対して無得点試合が10もある。確かにサッカーはゴールが生まれにくいし、チャンスの質・量は展開に大きく左右される。とはいうものの、今シーズンの横浜FMの好機が作れない沈黙と畳み掛ける迫力の差異は、あまりにも大きい。どちらの顔が本当なのか。その結論も後半戦に下されるだろう。

前半戦、横浜FMが示したゴールの形は、実にバラエティに富んでいた。美しいロングシュートあり、目の覚めるようなカウンターあり、クロスからの粘り強い絡みあり。見る側からすれば、何が飛び出すか分からないのは楽しみなのだが、本当の強者、チャンピオンチームのゴールへのアプローチは、常に“必然性”が備わっている。具体的にはカウンターや勢いではなく、ゆっくりしたビルドアップで崩せるかどうかがバロメーター。そのためにはサイドからの怜悧なクロスが必要だ。ディフェンスの間を狙うターゲットを捉えるピンポイントのボールを送れば、大島というフィニッシャーが待っている。
また、ホットラインも構築したい。たとえば山瀬功と坂田。背番号10のスピンのかかったスルーパスに追いついてフィニッシュするスピードスター。そんな光景は、ニューF・マリノスのセールスポイントにもなるはずだ。
守備は人材が豊富で心配無用。中盤&前線では積極的に起用した若手、ベテラン、外国籍選手マルケスらがレギュラーを争う。このチーム内競争を、さらなるレベルアップの源泉としたい。

ベスト4に残ったヤマザキナビスコカップだが、早野監督は“プライオリティ”を好まない。ただし準決勝の2戦は試合間隔が短い(10月10・13日)だけに、どういうプランで望むのか、監督の腕の見せどころとなる。
リーグ戦は首位との勝点差は少なくないが、それだけに数字を計算するよりも目の前の1戦に集中して上位に迫っていける。
後半戦のスタートダッシュは横浜ダービーから。相手は現在最下位だが、アウェイ戦で敗れていることもあり、現場・チームスタッフとも一丸となって、この一戦の集客に力を注いできた。5万人を超える大観衆が詰めかける予定だ。ここで、どういうリベンジを披露してくれるか。後半戦の加速のスピードが、この90分間で見えてくる。


【後半戦のキープレーヤー】----------

坂田大輔選手(FW / No.21)

坂田大輔。現在リーグ戦4ゴール、ヤマザキナビスコカップ2ゴール。もちろん、満足には程遠い数字だ。ケガに悩まされた昨シーズンと違い、今シーズンはリーグ戦全試合(カップ戦は8試合中7試合)に出場しているだけに、得点数はもっと伸びていて当然かもしれない。しかし中身を見れば、そう単純にはいかない。

プレー自体は個性を発揮していたといえる。持ち前のスピードや運動量で攻守に貢献、とくに最前線での激しいプレッシングは間違いなく合格点以上だった。ディフェンスラインの裏を狙う仕掛けも切れ味も相応の威力は示せている。さらに強引にドリブルしマーカーを受け止めながら放つ左足シュートの重厚感には、パワーアップが浮かんでいた。なのにフィニッシュ数が少なかったのは、個人というよりはチーム全体の攻撃が機能していない時間帯があったからではないか。だから、坂田のゴール数が上昇すれば、自然にチームの成績もアップしていくはずだ。

チャンスメークやディフェンスの働きも悪くないのだが、やはりポイントゲッターが得点を重ねないと勢いは出ない。リーグ二桁ゴールはノルマ、そこからどれだけ上乗せできるか。若きエースのコンスタントな爆発を期待しよう。


【前半戦の振り返り】----------

序盤戦、J2からの昇格3チーム全てに勝点3を献上してしまうなどスタートにつまずき順位も降下。だが第7節の大分に5−0、翌8節の新潟に6−0と大勝したことがターニングポイントとなり、状態は上向きに。攻撃サッカーを指向していた早野監督のコンセプトが浸透し成果があらわれたと同時に、プレッシングサッカーの威力も示した。
ところが5月12日の名古屋戦以降は得点力が鳴りを潜め、J公式戦8試合で3得点(1勝4分3敗)。ようやく決定力が回復したのは中断前、アウェイ大分戦に3ゴール、そしてヤマザキナビスコカップの準々決勝のアウェイF東京戦も4ゴールし豪快な逆転勝ち。ベスト4を決めている。
もちろん成績にも内容にも、監督選手ともに満足はしていない。しかし悲観する材料ばかりではなく、手応えやバラエティは十分。ゴールラッシュを始め、首位G大阪とがっぷり四つに組んだスコアレスドローなど印象的なゲームも多かった。


【再開時の予想フォーメーション】----------

システムも陣容も、基本的に前半戦と同じ構成となりそう。
センターバックは贅沢な悩み。代表歴もある栗原勇蔵もいるだけに、3バックという選択肢もあるのだが(昨シーズンの前半戦に栗原を中央に据えた)、早野監督はベースは動かすことなく4バックで通すだろう。さらにCB、両サイド、ボランチもこなせる那須大亮の存在もディフェンス層の厚さを醸し出す。

中盤は、やや流動的に状況に応じてのバリエーションを使う。ボランチの河合は軸。今までのファイティング・スピリッツをたぎらせたスタイルから、今年はバージョンアップして、攻撃の起点としてサイドへの供給役も務めている。山瀬功はトップ下でゴールに直結する責務を託されるが、展開によってはボランチ・河合に近いラインまで下がることもできる。二列目の両サイドは狩野健太、マルケス、さらにエウチーニョが絡む。この争いが攻撃力アップにつながるだろう。
トップは坂田と大島のコンビを中心に、高さのハーフナー マイク、スピードの斎藤陽介、ベテランの鈴木隆行が控える。

以上

2007.08.08 Reported by 池田博人(インサイド)
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