8月11日(土) 2007 J1リーグ戦 第19節
横浜FM 8 - 1 横浜FC (19:00/日産ス/53,916人)
得点者:'30 大島秀夫(横浜FM)、'44 坂田大輔(横浜FM)、'51 山瀬功治(横浜FM)、'62 山瀬幸宏(横浜FM)、'65 大島秀夫(横浜FM)、'72 大島秀夫(横浜FM)、'74 山瀬功治(横浜FM)、'82 平本一樹(横浜FC)、'88 大島秀夫(横浜FM)
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大島秀夫の4ゴールを含む大量8得点(チーム新)で快勝した横浜F・マリノスが、3月10日のアウェイで敗れた屈辱を晴らした。終わってみればワンサイドゲームだったが、ダービーに特有の緊張感から、前半はどちらに転んでもおかしくない展開だった。
立ち上がりは横浜FMが攻勢を仕掛ける。前回対戦では、逆に横浜FCが立ち上がり、積極的に相手ゴールを脅かした。ともに、ホームの利を活かして、波に乗ろうという意図があった。前半1分には、田中隼磨から縦に抜け出した吉田孝行へパスが通り、マイナスのセンタリング。坂田大輔がヒールで流してマルケスを狙ったが、合わなかった。3分には、横浜FCのコーナーキックのクリアから、山瀬功治がつないで大島へ。大島が自陣からドリブルし、右の吉田に預けてゴール前に侵入、田中隼のセンタリングにヘッドを見舞ったが、わずかに左に逸れた。14分、マルケスの浮き球を大島が胸トラップ、振り向きざまのパスを山瀬功がシュート。相手DFに当たったかに見えたが、左へ逸れる。
防戦一方の横浜FCは16分、滝澤邦彦が左から大きなクロスを蹴り込むと、ファーに飛び込んだ難波宏明が、飛び出したGK榎本哲也と競りながらヘッドを当てる。シュートはクロスバーを超えたが、横浜FMはヒヤリとさせられた一瞬だった。このあたりから、横浜FMもパスミスから奪われて反撃を食らうシーンが目立ち始める。
そして30分、先制点は意外な形で生まれる。吉田が右サイドでキープして戻す。河合竜二のクロスに、飛び出した横浜FCのGK菅野孝憲は、キャッチに行こうとして下から両手をすくい上げるも、ボールは胸に当たってファンブル。浮いたボールを、大島がそつなくヘディングで押し込んだ。
だが、横浜FCにも2分後、決定的なシーンが訪れる。右からのクロスに、フリーで飛び出したのは奥大介。トラップは右にわずかに流れて、シュートに行く前に、榎本が体ごと投げ出してセーブした。
横浜FCをアクシデントが見舞ったのは41分。自陣からの逆襲でロングボールが左にいた難波を狙う。ここで、田中隼と交錯して倒れた難波が負傷退場してしまう(のちに、アゴの骨折と発表があった)。突然の負傷に、横浜FCベンチは交代選手を入れられず、10人のまま試合は進み、44分、横浜FMに2点目を入れられてしまう。
ゴールは坂田大輔。横浜FCのクリアを吉田が拾って、受けたボールをうまくコントロールし、振り向きざまDFの間を通して、ゴール左隅に突き刺した。
結局、横浜FCは難波に代えて、前半ロスタイムからチョヨンチョルを入れる。横浜FMは後半開始から、マルケスに代えて山瀬幸宏をピッチに送り込む。横浜FMの3点目は後半6分。山瀬功が起点となって、山瀬幸から左の小宮山尊信へ展開。小宮山は切れ込んで戻すと、ここにいた山瀬功が左足を振りぬいて右隅に決めた。「後半すぐの3点目が、試合の流れを決めた」。坂田が振り返るように、この3点目の持つ意味は大きかった。山瀬功も、珍しく興奮し、ゴールの後にサポーターの元に歩み寄ったくらいだ。
あとは、横浜FMのゴールラッシュ。17分、山瀬幸のスーパーミドルシュート。その前には、田中隼がクロスバーに当てる鋭いシュートもあったが、跳ね返りを坂田がうまくつないで、山瀬幸のゴールに結びつけた。5点目は20分。小宮山が左から、右足でシュートを放つと、GK菅野が飛びついて弾く。ここにいた大島が落ち着いて、トラップから左足で流し込んだ。大島は27分にもゴールを決めて、自身2度目のハットトリックを達成。29分には、山瀬功も2点目を決めて、これで7−0。
しかし、大量点の後には落とし穴も待っていた。37分、平本一樹のゴールは、DF栗原勇蔵とGK榎本の連係ミスから生まれた。栗原は、松田直樹に代わって後半途中から入ったばかりだった。
それでも、この日の横浜FMは攻撃の手を緩めない。43分、田中隼の上げたクロスに、ファーサイドで待っていた大島がこの日、何と4点目のゴールをボレーで叩き込んだ。不覚の失点を取り返した8点目のゴールは、チーム記録を更新するとともに、横浜FCに止めを刺した価値あるゴールだったといえよう。
3月のアウェイで味わった屈辱を取り返しても、お釣りが来そうな大量点で、今季最後の横浜ダービーを制した横浜FM。称賛すべきは、酷暑のピッチで、90分にわたって走り回り、攻撃の手を緩めなかったことだ。だが、「8点取れる試合もあれば、無得点の試合が何試合も続いてしまうのがウチの悪い癖。波のないように、戦っていきたい」と田中隼も言ったように、この後の戦いにこそ真価が問われるだろう。このダービーを、終着点ではなく、出発点とするために。
一方の横浜FCは、「メンタル的にもフィジカル的にも厳しいゲームだったので、すぐに切り替えるのは無理だろうが、何とか気持を切り替えて次の試合の準備をしたい」と、高木琢也監督も言うように、後半戦、残る試合で巻き返しを図りたい。
以上
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