今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第33節 徳島 vs 仙台 レポート】仙台が逆転勝ちで久々の勝ち点3を奪取。しかし、敗れたとは言え徳島も『粘り強い守備』で次節への光明を見いだす。(07.08.12)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
8月11日(土) 2007 J2リーグ戦 第33節
徳島 1 - 2 仙台 (19:04/鳴門大塚/3,534人)
得点者:'10 長谷川太郎(徳島)、'51 千葉直樹(仙台)、'85 ロペス(仙台)

----------

6連敗という結果から目を背けることは出来ない。また開幕戦以来ホームで勝ち星がないという厳しい現実からも。
しかし、この一戦で徳島は『粘り強い守備』を取り戻しつつあることを確かに見せてくれた。2失点こそ許したもののチームからは前節までのような不安定感がしっかり払拭されていたと言えよう。

試合は、大方の予想を覆す徳島の先制パンチで幕を開ける。開始早々の10分、片岡が右サイドから中央へと入れたFKのこぼれ球にいち早く長谷川が反応。冷静に仙台ゴールへと流し込み、移籍後初得点でチームに貴重なリードをもたらした。徳島にとってはセットプレー一発での理想的な展開、逆に仙台にとってみればほとんど想定外のスタートだったに違いない。

そして冒頭で触れた通り、ここから徳島は『粘り強い守備』を発揮する。そして、その象徴とも言えたのが挽地と筒井のロペス、梁への徹底したマンツーマンディフェンスだった。ロペスを担当した挽地が前へ向かせない厳しい寄せを見せれば、梁についた筒井も鋭い出足で足下へ激しいチェック。この両選手はボールの動きにも惑わされない自らの任務に徹した働きで、まさしく“スッポンマーク”のしつこさを見せて仙台のキーマン2人を抑え込んだ。
すると他の守備陣もそれに続く。左右へ流れ起点を作ろうとする関口と中島の2トップを西河と丹羽、金が受け渡ししながら細心の注意を払ってケア。またスペースを見つけて飛び出してくる千葉をも早いタイミングで捕まえて攻撃の目をことごとく潰していった。

ただ、徳島の惜しむらくは、同点を許した後半6分の失点シーンだろう。ロペスにサイドをえぐられるスルーパスを出され、関口の折り返しをゴール前に詰めていた千葉に押し込まれた場面だ。確かにロペスのトラップが巧みであったのは間違いないが一瞬引き離された挽地、ゴール前でクリアし切れなかった丹羽と、わずかな守りの乱れが続いたことは悔やまれてならない。
さらに逆転を許すこととなる2失点目に触れるなら、この失点はやや不運にも見舞われたものだった。ワンプレー前の接触で徳島のダ・シルバが倒れたままになっていたことによって「ロペスを捨ててファビーニョに行くかどうか迷ってしまった(試合後談)」挽地がマークを外す結果となり、ゴールを許してしまった。

この戦いを振り返って、徳島の今井監督は「勝てなかったのでベストではないが、選手達はその努力を十分にしたのではないか。ミスもあったが90分を通して集中していたと思う」と語ったが、その通りチームはこの一戦で次節への足がかりを間違いなく掴んだ。『粘り強い守備』をさらに取り戻せば連敗脱出の出口は遠くないと思われる。

対して「結果を出すこと、勝つことが今日の目的でしたから、それを達成できたことはよかったと思います」と話した仙台・望月監督にしてみれば、内容的には満足いくものではなかったはずだ。ロペスと梁を予想以上に封じられたことによりチームが攻撃での工夫を欠いたことは否めない。今後同じ様な戦い方を多くのチームがしてくることを考えれば、毎節続く負けられない戦いへ挑むにあたってそのようなケースでの打開策を見いだしておく必要があるだろう。

最後に、内容と結果はそれぞれであったが、この一戦、両チームの選手がタフに戦いあった好ゲームであったことは間違いない。詰めかけた多くの観客を魅了してくれた選手たちに、心から感謝を申し上げたい。

以上

2007.08.12 Reported by 松下英樹
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着