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【J1:第19節 広島 vs 名古屋 レポート】世界の一流・ヨンセンvs広島の若武者・槙野智章。若者は奮戦したが、老獪なストライカーは貫禄の2得点(07.08.13)

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8月12日(日) 2007 J1リーグ戦 第19節
広島 1 - 3 名古屋 (18:04/広島ビ/12,595人)
得点者:'35 ヨンセン(名古屋)、'42 オウンゴ−ル(広島)、'66 ヨンセン(名古屋)、'88 杉本恵太(名古屋)

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 結果としては、ヨンセンの2得点が試合を決した。しかし、それ以外のシーンでは、ヨンセンは広島の若武者・槙野智章の奮闘の前に、存在感を消されていた。ポストプレーこそ、さすがの安定感を見せてはいたが、しかし槙野のプレスの前に効果的な配球はできていない。彼のポストから2列目の選手が絡んで厚みのある攻撃を見せるのが、名古屋の特徴なのであるが、そういうシーンはほとんどなかった。
 だが、そういう中でも、結果を残すのが一流の一流たるゆえん。試合を動かすきっかけとなった先制点では、それまで苦しんでいた槙野を強いフィジカルと早い動きだしで置き去りにして、ニアサイドで本田圭佑の素晴らしいFKに合わせた。また、後半のPK奪取のシーンでは、山口のクロスも確かに素晴らしいが、そこに圧倒的な高さでヨンセンが合わせたからこそ、広島のファウルを導いた。というよりも、その存在感そのものの大きさが、PKの笛を呼び込んだのかもしれない。

 一方の槙野。U-20ワールドカップでの活躍が記憶に新しい「未来のミスター・サンフレッチェ」は、悔しさにまみれているはずだ。確かに、広島の得点は彼が森崎浩司のCKに合わせたところから、オウンゴールを呼び込んだものだ。しかし、マークしていたはずのヨンセンに先制点を許し、2失点目は山口にクロスを入れられ、そして3失点目は杉本恵太に置き去りにされた。もちろん、3失点は彼だけの責任ではない。「槙野はよかった」と戸田和幸は語っているが、そのとおりである。DFとして力強く守っていたし、声もよく出ていた。浦和戦で目立ったビルドアップ時のミスや戸惑いも、この試合ではシンプルなプレーに徹することで払拭されていた。
 それでも、自分の目の前で3点とも失ってしまう瞬間を見てしまうと、「3失点は反省材料」という槙野の言葉も当然だろう。85分間、しっかりとしたプレーをしていても、残り5分でミスをしてしまえば、批判されるのがDFというもの。厳しい。しかし、そこを乗り越えてこそ、次への成長が見えてくるものだ。

 試合全体を見れば、広島の方がチャンスの数では圧していた。特に後半は、ゴール前に激しく迫り、佐藤寿人のポスト直撃のシュートや、ウェズレイのミドルレンジからの豪快なシュートもあった。しかし、それをことごとく楢崎正剛がはじき出しているし、ゴール前の混戦でも素早く反応してボールをキープしている。フェルフォーセン監督が語っていたが、GKが楢崎でなければ、もしかしたら試合は別の結果が出たかもしれない。
 一方、名古屋の攻撃は、3得点はあげたものの、今ひとつ機能していたとは言いがたい。決してタイトとは言えない広島のプレスに苦しみ、パスは回せても決定的な崩しはできない。後半、本田が中央に入って山口に出したスルーパスから2点目のPKが生まれているが、この場面にしても、広島が攻撃的に前に出たその裏を突けたからこそ。藤田俊哉を中心とするパス回しは安定していたが、スピード感に欠けていた。「どこでスピードアップして、人数をかけて攻めるのか」という共通認識を持つには、もう少し時間を必要としそうだ。
 対する広島のパス回しは、「ここで通れば」というチャンスの香りがにおうものがいくつかあった。しかし、あまりに急ぎすぎて落ち着きがなく、結果としてミスを連発してしまう。特にこの日は、2トップに対してクサビを打つばかりで、得意としていたはずのサイドへの展開が、特に後半はほとんどなかった。それが、名古屋を追い込みながら得点できなかった要因だろう。また、名古屋の左ストッパー・阿部翔平をフリーにすることが多く、彼と本田で左サイドで数的優位をつくられ、そのカバーのためにMF陣が前半から走らされていたことが、後半に運動量が激減した要因をつくった。常に前線にプレスをかけるべきだ、とは思わないが、相手ボールがフリーで動く時間が長いために、最終ラインをあげることは困難になる。そのことが、結局攻撃のサポートが遅れることにつながっている。
 広島は、元千葉のDF・ストヤノフの獲得を発表した。彼の加入が、魅力的ではあるが安定感に欠ける広島のサッカーを、どう変えてくれるのか、おおいに期待したい。ただ彼の出場が可能になるのは、早くて土曜日の大分戦。水曜日に行われる柏戦に向け、4連敗中のチームをどう立て直すか。ペトロヴィッチ監督の手腕に、ここは期待したい。


以上

2007.08.13 Reported by 中野和也
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