8月12日(日) 2007 J1リーグ戦 第19節
甲府 0 - 1 鹿島 (18:34/小瀬/14,316人)
得点者:'34 野沢拓也(鹿島)
----------
「鹿島は上手い選手も多く、いいチームだけど、思った以上に蹴ってきたね」
試合前日のトレーニング後、第13節(5月26日 /jsgoal_archive/result/20070100010420070526_detail.html )の対戦を振り返って大木監督はこう話した。
試合後、鹿島の岩政は「甲府はやることがハッキリしている。この意味では、単調といえば単調。リズムに慣れてくれば対応しやすくなる。前半からいい形でボールを奪うことが出来た。甲府は人数をかけてボールを回してくるし、ラインを上げているから鹿島としては(狙いがはっきりするから)戦いやすい。引かれた方が嫌ですね」と、今季4回対戦して3回無失点に抑えた自信を口にした。お互いに相手のやり方は分かった上での4回目の対戦は、鹿島の方が自分たちのサッカーをやり通して勝利を手にした。
大木監督が会見で「立ち上がりはもう少しやれると思った」と話したように、甲府は立ち上がりに鹿島のディフェンスが混乱するような早いパス回しが出来るはずだった。しかし、鹿島はそのリズムに慣れる必要なく、甲府の普通のサッカーに対応できた。そして、他のチームの甲府対策同様に、ボール奪ってからのサイドチェンジ、浅いディフェンスラインの裏を狙うロングパスを蹴ってきた。オフサイドを奪った数が、鹿島が2回なのに対して、甲府が10回という記録を見ても鹿島の攻撃の意図は分かる。そして、鹿島が流石なのは狙い通りのサッカーを遣り通して点を取るところ。34分の野沢の決勝ゴールは、鹿島のしたたかさと野沢の技術の高さが融合した結果だ。甲府の守備陣は90分間よく対応したが、このゴールを防ぐことが出来なかったことに強い後悔が残った。
甲府の攻撃はシュート数が前・後半併せて6本と、いまひとつだった。シュートチャンスを増やすという課題を解消することは出来なかった。選手のコメントには共通する理由が挙げられている。
「サイドをコンビネーションや個人の突破で、もう少し崩して行ければシュートチャンスを増やすことが出来たと思う。(今日は)相手の意表を突くプレーがなかった」(藤田)
「ちょっとした驚き、違うシーンを作らないとクロージングが活きてこない」(須藤)
ウィニングイレブンなら「L1」ボタンや「△」ボタンを多用するパス回しだ。この日の甲府には「L1」、「△」のボタンを押す選手がいなかった。方向キーと「×」ボタンだけでショートパスを繋ごうとしていた。サッカー担当ではない地元紙の女性記者は、「今日は私にでもパスがどこに出るか分かりました」と、不満気に言った。この言葉通り、驚きや意外性のあるパスはほとんどなかった。ボールを失ったり、奪われたりすればロングパスで裏を狙われる。それが続くことの負担は大きいが、それでも細かくパスを繋いでこそ甲府。同サイドに選手が密集してパスを繋ぐ、浅いラインで押し上げるというサッカーの裏にはリスクがあるが、それを冒してゴールを奪い、勝利を手にしてこそ「甲府のサッカーは、日本人が世界で通用するためのサッカー」という言葉に耳を傾けてくれる人が増える。オール日本人という布陣で、日本代表クラスの選手や有能な外国籍選手を擁する鹿島に勝つことは容易ではないが、勝たなければならない。ただ、勝点3には繋がらなかったが、その進歩は5月の頃を振り返れば明らか。ブレることなく我慢の夏を乗り切れば、秋には夏に溜めたストレスを一気に発散できる時が来るはずだ。
リーグ戦の下位チームとの連戦が続く鹿島。その初戦で勝点3を取り、優勝という希望を繋いだ。7枚(甲府は2枚)のイエローカードと1枚のレッドカード(柳沢)を出されたことは痛いが、それで崩れることはなかった。後半30分過ぎからは、時間をうまく使って相手をイラつかせ自分たちのペースに引きずり込んだ。勝つためにやれることは、どんな相手でも手を抜くことなくやるのが王者の血。首位G大阪との直接対決(8/29@金沢)まで何があっても立ち止まることは出来ない。
以上
2007.08.13 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第19節 甲府 vs 鹿島 レポート】4度目の対戦は3度目の完封負け。長所を出せず短所を突かれた甲府には、悔いの残る1失点(07.08.13)













