8月19日(日) 2007 J1リーグ戦 第21節
大宮 1 - 2 鹿島 (18:01/熊谷陸/13,889人)
得点者:'27 デニスマルケス(大宮)、'32 マルキーニョス(鹿島)、'89 増田誓志(鹿島)
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試合終了と同時に、鹿島のベンチ前では監督、スタッフ、選手全員で歓喜の輪ができた。試合終了直前、途中交代の増田がヘディングシュートを決め、数的不利の鹿島が劇的な勝利。鹿島のベンチはまるで優勝したかのような光景だったが、じつに苦しい試合をものにできた喜びが率直に表れていた。
試合開始から、ボールを支配したのは鹿島だった。4−3−3の布陣をしいた大宮だったが、フィールドをワイドに使う鹿島の球回しをなかなか掴まえることができない。
大宮の佐久間監督は「うちは1ボランチのところに佐伯がいるんですけど、そこに鹿島は本山選手と野沢選手がいて、あそこの状況がどうしても数的不利な状態」だったと判断し、前半10分すぎにフォーメーションを4−4−2に変更した。しかし、状況に劇的な変化はない。相変わらずボールを支配しているのは鹿島だった。
特に前後に激しく動く鹿島FWの動きに大宮はセンターバックが付いていけない。ボールを引き出すFWの動きにプレッシャーがかけられないため、くさびのパスが簡単に入り、それをサポートするためボランチが下がらざるを得なくなり、結果としてチーム全体が自陣に押し込められてしまった。
ただ、鹿島も決定的な場面はあまり作れないでいた。最終ラインの前では自由にパスを回せるものの、ラインの裏に抜け出たり、ラインを崩すようなシーンはなかった。その影響もあってか、先制点は大宮に入る。27分、右サイドでキープしていたボールを逆サイドへ大きく展開すると、鹿島のプレッシャーが遅くなり、センタリングを折り返したとき、わずかにデニス・マルケスが抜け出るところを引き倒してしまった。鹿島がボールを支配して心理的に優位に立ち、少しずつプレッシャーが甘くなったところを見事に突いたプレーだった。PKはデニス・マルケス自らが蹴り、来日初ゴールを飾った。
しかし、鹿島もすぐさま同点に追いつく。32分、野沢のセンタリングをマルキーニョスが落ち着いて決めた。前半はそのまま鹿島ペースで進むものの、決定力に欠き、同点のまま後半に移った。
試合が動いたのは57分。小笠原がこの日2枚目のイエローカードとなり退場。後半から降り出した雨も徐々に強くなり、気象条件も選手にとっては厳しくなっていった。しかし、数的不利になっても足が動いているのは鹿島の選手たちだった。セカンドボールへの反応や、ボールへの執念で大宮を圧倒。数の少なさをまったく感じさせない戦いぶりだった。
大宮の選手はせっかくボールを奪っても、その他の選手がまったく走り出さない。鹿島の選手が労をいとわずプレスに来るところをパス回しで交わしはするものの、選手たちの足が止まっているため、チャンスをつくるには至らないパス回しだった。
試合前、佐久間監督からはカウンターをケアするために、中盤の選手に攻め上がりを自重する指示が出ていた。それならそれで、奪ったボールを素早くトップのデニス・マルケスに当てて少ない人数でゴールに迫ろうとするのかといえばそうでもない。数的優位を生かせなかったことからも、なにか選手たちが消化不良のままグランドに立っているように見えてしまった。チーム状況の悪さを考えると、いまやるべきは、少ない約束事をとにかく徹底していくことなのではないだろうか。
この敗戦で、大宮は、対鹿島0勝1分5敗といまだ勝利がない( http://www.j-league.or.jp/SS/jpn/team/20070100_000038_W0711_J.html )。対する鹿島はリーグ再開後3連勝。劇的な勝利でチームの勢いは最高潮だ。今後、G大阪と浦和の2強にとって不気味な存在となることだろう。
以上
2007.08.20 Reported by 田中滋
J’s GOALニュース
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