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【J2:第35節 仙台 vs 草津 レポート】成長中の草津を前に、反撃が遅すぎた仙台はドロー。しかし停滞した状況を打開するための「何か」には気がついたのでは。(07.08.20)

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8月19日(日) 2007 J2リーグ戦 第35節
仙台 1 - 1 草津 (19:04/ユアスタ/13,420人)
得点者:'38 チカ(草津)、'67 田村直也(仙台)

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 ここのところの成績に、不平不満を言いたい仙台サポーターも、そうした気持ちをぐっと堪えて、試合開始からチームに声援を送り続けた。前半に、これで4試合連続、ここ7試合で6試合目となる先制点の献上があったとしても、応援の声は途切れなかった。

 しかし後半立ち上がり、そんなサポーターに我慢の限界を超えさせる場面を仙台は演じてしまう。53分、中盤でボールを奪って、ゴール前まで相手を押し込んだまでは良い。しかしペナルティーアーク付近でいくら回してもシュートの意欲を見せない仙台は(正確に言うと、局面局面でトラップが乱れ、上手く足に収めることが出来ない部分もある)、草津守備陣の帰陣もあってどんどんチャンスの芽を減らし、その挙句左サイドへ振ろうとしたグラウンダーのパスがミスパスとなり、メインスタンド側のタッチラインをむなしく割っていく。どちらかと言えば温厚な雰囲気のメインスタンドですら、その瞬間多くのサポーターが立ち上がり、声にならない声を叫んだ。

 一気に、雲行きが怪しくなるスタジアム。試合開始からたちこめてきたもやも、仙台の惨状を覆い隠すことは出来ない。
 だが、どんな言葉よりも戦術よりも、仙台に必要だったもの。それを若きルーキーがもたらしたことで、様相は一変する。

 今節、スタメンで起用された富田、田村らが、試合開始からボールに対して激しく行き、前節に欠けていた球際の強さを見せるなど、停滞していたムードを変えようとする意図は仙台のチームに確かに見えた。
 しかし彼らの奮闘とは別に、前節のまま変えられない部分も。相変わらずミス(特にこの日はトラップでのミスが目立った)が続き、チャンスになりかけた場面も結局は草津のボールに。さらにロペスがとにかく動けない。体が重く、守備の場面では頭数にすら入れられないような状況だった。

 そんな仙台を尻目に、草津は熟成が進む4−5−1の布陣で、しっかりパスをつなぎ仙台を攻め立てる。ボランチの富田が「前でボールを取りに行けなかったことが悔やまれる」と試合後に語っていたが、それが失点に結びついてしまったのが38分だった。草津は中盤で仙台のお株を奪うようなダイレクトパスをつなぎ素早く進撃すると、正面30メートル以上の距離から鳥居塚がロングシュート。強烈に枠を捉えていたこのシュートは林がパンチングで防ぐが、それによって得たCKを、チカが岡山、そして飛び出した林に競り勝ってヘディングで決めた。

 一方で仙台はというと、とにかくボールが収まらない。前線の選手に当てるべく何度も放たれた浮き球のくさびは、尾本、チカの二人のCBにことごとく跳ね返され、平面での展開も打開には至らない。そして後半に入ると、少しばかりパスは回り始めたが、結末は冒頭のシーンのようなものに。一体、何が足りないのか…皆が首をかしげていた67分、ゲームの様相を一変させるゴールが決まる。

 仙台は左サイドからのFKを得ると、そこからエリア内に入れられたボールに対し、草津の守備陣はクリアにもたつく。何とかペナルティーエリア右45度の方角に跳ね返すことが出来たが、ボールの落下点には田村がいた。
 その田村、決して万全な体勢ではなかったものの、ボールの落ち際を利き足でもない左足で叩く。するとボールは、ゴール前の密集を抜け、本田が反応すら許されないまま、ゴール左隅に吸い込まれていった。サポーターの待つバックスタンドに向けて歓喜のダッシュを見せる田村はこれがプロ初ゴール。

 そしてこのゴールが、仙台の選手たちになにやら大切なことを気付かせたようだ。シュートへの積極性が俄然増し、それに伴って、足元でのパスを回し続けていた攻撃が嘘のように、シュートへ辿り着くという意図が強く感じられる素早い攻めへと変貌した。前節同様、草津が明らかにチャンスとなるカウンターの場面以外、植木監督が悔やむように安易なクリアから防戦一方になってしまったこと、そしてベンチから永井、関口、ファビーニョと、流れを変える選手を仙台が続々投入したこともあって、残り時間は仙台の一方的な展開となった。

 だが、2点目には届かない。86分には田ノ上が危険なタックルで一発退場となり数的不利に。ただでさえ前がかりで攻勢に出ていた仙台がそれを続けるには危険が多すぎ、この時点で勝利は無くなった。

 まず先制点を得た草津。チームの誰もが胸を張るように、攻めの組み立てはどこを相手にしてもそこそこやれるレベルになってきた。とはいえ90分継続することはまだ難しく、ここは鳥居塚が語っていたように「90分全体を考えた試合運び」が重要になってくるのでは。その壁を越えられれば、自ずと久しぶりの勝利は近づいてくるはずである。

 そして仙台。後半の反撃は果敢であったが、裏を返せば、なぜそれを前半から出来ないのかという話になる。
 しかし田村のゴール(そして彼の積極性)が周囲に大事なものを気付かせたからこその反撃だったのだとすれば、チームにとって、明るい兆しであることは間違いない。
 試合後のサポーター、水戸戦のドロー後はブーイングだったが、今節は(悔しさを押し殺しながら)チームを讃える声援を送った。サポーターも、今節の体験による「変貌」を信じているからこそのコールなのだろう。

 次節は、今節札幌を下した湘南とのアウェイゲーム。ジョニウソン、田ノ上と主力2人を欠いての苦しい試合だが、開幕戦で今季に対して大いなる夢をサポーターに抱かせた会場で、その夢が嘘ではなかったことを示すべく戦う。

以上
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