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【J2:第36節 山形 vs 札幌 プレビュー】前節で敗れたチーム同士、立ち直り勝ち点3をつかむのは山形か? 札幌か?(07.08.26)

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8月26日(日)J2 第36節 山形 vs 札幌(18:00KICK OFF/NDスタ)
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 山形が前節で戦った3位・福岡は当面、目標として追わなければならない相手だったが、その福岡相手に0−3と完敗。勝ち点差を10から13と逆に突き放された。昇格可能性はまだ残されている。が、その頭に「数字上の」という言葉を付けずに済むように、今節から札幌、C大阪、湘南と続く上位チームとの3連戦では勝ち点を最大限に獲得し、さらに相手からも奪い取っていかなければならない。

 8試合連続して先制点を奪いながら2点目が取れずにいた7月までとは、8月以降の3試合の流れは異なっている。計3試合の得点は2、失点は7。特に、先制されたあとにチームの一体感が失われているケースが目立つ。第13節以来、山形は2得点を挙げた試合がないが、そうした負の実績が、追う者のプレー心理を静かに圧迫している。「失い方が悪くなってくると、守備の組織をつくる、セットアップするという段階まで行かないうちに向こうもその隙を突いてくる。攻撃のミスが守備のミスも生んでいる」とは樋口監督の分析。札幌も相手の隙を突くしたたかさでは負けていない。財前、臼井など中盤がポジションを入れ替えながら攻撃し、中途半端な失い方をせず攻撃をやりきる、シュートまでもっていくことが肝要だ。

 また、戦況をさらに優位なものにするため、ゴールキックを含むロングフィードの競り合いでは、セカンドボールの奪取率を高める必要がある。そして何よりも失ってはいけないものは、90分間、いかなる状況でも100%ファイトする姿勢だ。

 第32節から3試合連続3得点を挙げ再加速を始めていた札幌も、前節は室蘭で勢いに乗る湘南に12試合ぶりとなる黒星を喫し、足止めを喰らった。しかし、それ以上に2位・京都にブレーキがかかっていることもあり、勝ち点9差をつけ独走状態は変わらない。今季ホーム初黒星の影響も、いつまでも引きずることはないだろう。9月5日には延期されていた第28節・アウェイ徳島戦が組まれているため、今節から4連戦となるが、第4クールで冷や汗を流さないように、勝ち点はまだまだ稼いでおきたい。

 前節のダヴィ、曽田に続き、今節はダヴィ、芳賀、西嶋の3人が出場停止となる。ダヴィを欠いた前節はロングフィードのターゲットとして中山にかかる比重が高くなり、相手に狙いを絞られることで攻撃の迫力を若干だが欠いた。さらに、中盤で核となり汗をかいてきた芳賀が、第26節・山形戦の34分間を除けば、今季初めてピッチから姿を消すことになる。とは言え、それぞれのポジションを埋めるだけの選手層があり、チーム戦術も変わらないだけに、目立った戦力ダウンがあるとは考えにくい。2位との勝ち点差に余裕があることで、終盤へ向け、さらに経験値を高めるためのトライアルと位置づけることさえ可能だ。

 湘南戦では先制された直後に追いつき、首位を走るチーム特有のしぶとさも垣間見せた。同点弾を生んだ西谷は縦へのドリブル突破に加え、コースさえ空いていれば利き足ではない右足でもミドルを狙っていた。右からは藤田−石井のホットラインもある。気になるのは2失点の中身だ。1失点目は左からのクロスに対してDFとDFの間に飛び込まれ、2失点目は1対1で抜かれている。それぞれフィニッシュは相手の技術を誉めなければいけないが、いずれも鉄壁のDFラインを破られた形の失点だった。2失点が2試合続いているだけに、この試合で無失点に抑えることで守備の不安を一掃したい。

 ポゼッション率やスコアで上回ることが精神的優位を生み、ゲームの主導権を握れるとするならば、第3クールも終盤のこの時期、勝ち点でアドバンテージのある札幌はキックオフ前からすでに主導権を握っていると言ってもいい。逆に、逆境の9位・山形にも「勝つしかない」というエネルギーが満ちている。それを一点に注ぐことができれば、強固な守備の隙を突いてゴールネットを揺らすことができ、焦りやあきらめでエネルギーが分散すれば、苦境を示すバロメータの針がまた一段振れることになる。首位の貫禄か、リバウンドの爆発力か。最後の1秒まで楽しみたい。

以上

2007.08.25 Reported by 佐藤円
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