8月25日(土) 2007 J1リーグ戦 第22節
磐田 2 - 1 甲府 (19:03/ヤマハ/12,757人)
得点者:'44 成岡翔(磐田)、'56 前田遼一(磐田)、'68 秋本倫孝(甲府)
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太田をスタメンから外して3ボランチにするという思い切った手を施した磐田のアジウソン監督。結果的にはそれが勝利に結びついたが、GKが川口能活でなければまったく別の結果になっていたかもしれない。
「後半戦に入って非常に失点が多かったので、それを減らしたかった」と、おそらくJリーグでは初めてであろう外国籍選手3人によるトレス(3)ボランチを採用した磐田のアジウソン監督。その結果、前線を1人外さなければならなくなったため、甲府の右サイドバック・杉山の上がりに備えて左の西を残し、右の太田を先発から外すという選択となった。日本代表にもなった太田が、ケガや出場停止以外でリーグ戦の先発から外れるのは、本当に久しぶりのことで、磐田サポーターにとっても大きなサプライズだった。
対する甲府は、茂原が7試合の出場停止から復帰し、3トップの左に入って立ち上がりから自分たちらしいアグレッシブな動きを見せる。逆に磐田のほうは、「前半は全体のポジションが低くなっていた」(アジウソン監督)ために、DFラインにまで激しくプレッシャーをかけてくる甲府に押し込まれる形になり、なかなかリズムを作れない。
ただ、3ボランチにした磐田の守備は、中央で底の位置に入ったエンリケが、カウンターのケアやDFラインのカバーをそつなく行ない、ファブリシオとマルキーニョスパラナも忠実なマークを見せて大きな崩れは見せない。それでも、タッチ数が少ない甲府の小気味良いパス回しによってチャンスを作られ、22分には右CKから甲府のDF秋本にフリーでヘッドされるが、ここは守護神・川口がスーパーセーブでチームを救った。
さらに31分にはマークのズレをつかれて須藤に裏に飛び出され、GKと1対1の場面を作られるが、これも川口が前に出てストップ。ここは、自分からは動かずに須藤の動きをじっくりと見てプレッシャーをかけた川口の貫禄勝ちだった。この2本のビッグセーブがなければ、甲府が先制してかなり優位な展開としていただろう。
だが、そこから流れを引き戻した磐田は、攻撃面でも3ボランチが機能し始める。甲府は高い位置からプレッシャーをかけてパスの出どころをつぶすのが守備の大原則だが、甲府の2列目が石原と藤田の2枚であるのに対して、磐田の3ボランチが数的優位な状況となる場面が目立つようになったからだ。そのため、ボランチの1人がフリーになって自由にパスを出したり、裏に飛び出したりできるようになり、高い位置をとる甲府の両サイドバックの裏をとって、カウンター気味にチャンスを作る場面が多くなった。
35分にはそのパターンでファブリシオが右サイドに飛び出して惜しい場面を作り、37分には前田が裏に抜け出してシュート。38分にも前田の巧みなスルーパスからパラナがシュートと、決定機を続けざまに作るが、いずれもチャンスを生かせない。
だが、前半終了間際にようやくその形が実を結ぶ。44分、前田が左サイドでボールをキープし、相手に囲まれながら巧みに反転して縦にボールを送ると、ファブリシオがきれいに右サイドに抜け出してグラウンダーのクロスを送る。するとニアサイドに成岡が走り込み、スライディングしながらDFよりも先に触ってGKの左を抜き、ついに磐田が均衡を破った。
後半に入ると、どちらも前半に見られた問題の改善を図り、一進一退の展開になっていく。その中で、11分に上田の右FKから前田が決めて磐田が2-0と突き放すが、甲府も23分に藤田の右CKから秋本が豪快に決めて一矢報いる。どちらもセットプレーからきれいに1点ずつ奪ったが、2点目を先に取ったのが磐田だったことが勝敗を大きく左右した。
終盤は、磐田の守備陣にとって大きな課題となる時間帯。甲府は、新たに獲得したラドンチッチが後半12分から初出場し、その強さと高さと積極的に仕掛けるプレーで大いに得点の可能性を感じさせたが、磐田の最終ラインも粘り強く対応。3ボランチにしたこともあって、バイタルエリアに大きなスペースができてしまうこともなく、中断後のこれまでの試合よりも危なげない逃げ切り方を見せた。
それでも40分には、大西の右クロスからラドンチッチが決定的なヘディングシュートを放ったが、またしても守護神・川口がスーパーセーブ。まさに「神」になったかのような川口の働きもあって、磐田が1点差を最後まで守りきり、ホームで2連勝を飾った。
敗れた甲府としても、内容でもチャンスの数でも大きな差はなかったが(シュート数は磐田17本、甲府14本)、先につかんだ流れを生かせなかったのが痛かった。ただ、磐田としても「内容的にはもっと良くなると思うが、それが上位を相手にしてもできなければ上には行けない」と田中が語ったように、横浜FM戦、清水戦と続く次の2連戦が大きな正念場となってくるだろう。
以上
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