8月25日(土) 2007 J1リーグ戦 第22節
川崎F 4 - 1 G大阪 (19:00/等々力/19,789人)
得点者:'2 鄭大世(川崎F)、'28 マグノアウベス(G大阪)、'46 ジュニーニョ(川崎F)、'48 ジュニーニョ(川崎F)、'51 鄭大世(川崎F)
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決定力に課題があった川崎Fがいきなり試合を動かした。応援イベントに後押しされて入場した川崎Fは、前半開始早々の2分。2戦連発中の鄭大世が中村憲剛からのCKをヘディングでねじ込む。点を取れずに苦しんできていた川崎Fにとって、その鬱憤を晴らすかのような先制ゴールとなる。
1点をリードされたG大阪にもチャンスは訪れていた。たとえば6分の場面。右サイドの遠藤保仁からのクロスボールを復帰戦となったマグノ アウベスが頭で合わせて鋭いシュートを放ったが、これは川島永嗣のファインセーブに阻まれる。このプレーで得たCKをガンバは、ファーの山口智の折り返しシジクレイが狙ったが枠に飛ばず。
得点直後の危ないプレーを凌いだ事で川崎Fに落ち着きが生まれ、余裕を持ってパスを回せる時間帯が始まる。
アウェイで苦しい展開を強いられたG大阪に、勢いを与えるはずだったのが28分のマグノのゴールだった。G大阪は自陣からパスをタテ方向へと小気味よくつなぎ、最後はラインの裏へと飛び出したマグノが川島と1対1となる。こうなるとマグノを止めるのは難しい。精度の高い強烈なシュートはファーサイドのサイドネットに突き刺さる同点ゴールとなった。歓喜の輪が広がる中、G大阪に不運が訪れる。
「万全を期していい状態で臨ませたはず。スタートからいくということは、そうとういい状態だと思っていた。まさかああいう状態になるとは思わなかった」と西野朗監督はその場面を振り返ったが、このシュートによってマグノは古傷を傷め、そのまま負傷退場することとなった。
マグノは失ったが、同点に追いついたG大阪はやりようによっては試合を立て直す事が可能だったはず。しかしこの後、G大阪は中盤で信じられないような単純な横パスのミスを連発。自らペースを手放す結果になってしまった。
先制しながらも追いつかれた川崎Fはハーフタイムに「みんなで頭から行くぞ、と話した」(中村)のだという。そしてその攻撃的な姿勢はすぐに結実する。
後半開始直後の46分に、細かくゴール前でパスをつないでジュニーニョが抜け出し、まずは勝ち越し弾を決めると、さらに48分にはジュニーニョがミドルシュート。相手DFに当たったのか、高く上がったボールはドライブ回転がかかって急速に降下。信じられない弾道のゴールが決まる。
点差を広げたことで余裕を感じつつも、危険な2点差に気を引き締め直していたその3分後。今度は鄭がフィジカルの強さを存分に発揮。山口との競り合いでこぼれたボールを、さらに明神智和、安田理大と競り合ってキープ。GKとの1対1を冷静に決めた。まさにロッカールームで声を掛け合ったそのままの立ち上がりによって、川崎Fが試合を決定付けた。
後半、猛攻を仕掛けてきたG大阪に対し川崎Fは引きすぎて中盤にスペースを与える場面が見られたが、そのまま3点差を維持して試合終了。G大阪に勝利してリーグ戦での連敗をストップし、勝ち点を積み重ねる事に成功した。
安田との1対1を制し続けた森勇介が「先に決めればこういう展開になると思っていた。ビッグチャンスを確実に決めるのが大事になる。今日はジュニーニョとテセ(鄭)のおかげ」と2ゴールずつを決めた2トップを絶賛していたが、それと同じかそれ以上に寺田周平に「マギヌンは復帰戦にしてはフィットしていたと思う。運動量もあってためもできるし助かった」と賛辞を送られたマギヌンの活躍がこの試合はポイントだった。
中盤で精力的に動き回り、起点を作っていたマギヌンは、昨日、父を亡すという不幸を背負ってのプレーだったことが試合後に判明する。「今日は大事な試合だとわかっていましたので、みんなに教えないで自分の中にとどめていました。他の選手には試合に集中してほしかった」とフォア・ザ・チームに徹し、悲しみを押し殺して79分間のプレーを終えたのである。ファン感謝祭でサポーターに反転攻勢のスピーチをしたマギヌンが、私情を捨てて勝利したこの試合の意味は川崎Fにとってあまりにも大きい。内容と結果が直結した事で、中村が言うようにチームは自信を取りもどしたはずだ。
対するG大阪はマグノをケガで失い、勝ち点を落とすという苦々しい結果となってしまった。今季ワーストの4失点を喫した前後半立ち上がりの集中力の欠如が全てだったが、もう一つ気になったのが単純なパスミスの多さである。いずれも集中力がポイントになるが、どのようにチームを立て直すのか。西野監督の手腕に注目したいと思う。
以上
2007.08.26 Reported by 江藤高志
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