8月29日（水）J1 第23節 甲府 vs 新潟（19:00KICK OFF/小瀬）
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※オートプレーの為、実際のメンバーと異なる場合があります。また一部選手はエディットして作成・追加しています。ご了承ください。
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残り12試合となった段階で、残留争いに巻き込まれている16位甲府（6勝3分13敗）と、上位戦線で躍進続 く5位新潟（11勝5分6敗）が激突する。それぞれのホームタウン縁（ゆかり）の武田信玄と上杉謙信がかつ て繰り広げた一戦になぞらえ、『川中島ダービー』とも銘打たれる今季4度目となる両者のぶつかり合い。 時代を超えて争われてきた因縁の対決が、間もなく小瀬スポーツ公園陸上競技場で会戦を迎える。

　さて、冒頭で述べたように、現在の両チームの状況には大きな隔たりがある。残留争いを余儀なくされて いる甲府は、依然として苦しい戦いが続いており、なかなか浮上のきっかけをつかめずにいる。第20節のア ウェイ横浜FC戦で収めた快勝劇で希望の火が灯ったかにも思われたが、その後あえなく2連敗。勢いに乗る ことはできなかった。
　一方、予想以上の奮闘を見せ、しっかりと上位争いに踏み止まっているのが新潟。上位チームとしての振る 舞いも板に付いてきたが、それでも2連勝で迎えた前節の清水戦では完封負けを喫しており、甲府との試合 で再び弾みを付けたいところだろう。

　そんな両者の対決で最大の見所となるのは、勝負を分ける位置に最も近いストライカーたちの競演だ。サポーターの声援を一身に受けることとなるホーム甲府では、前節の磐田戦でニューカマーが今後に期待を抱 かせるデビューを飾っている。192ｃｍの体躯から繰り出された強烈なシュートで観客の度肝を 抜いてみせたモンテネグロ人FWラドンチッチは、終盤戦に勝負をかけるチームの最終兵器となりそうな予感 を抱かせてくれた。まだまだチームの戦術、および身体的にもフィットし切れていないとのことだが、大木武監督もその能力には太鼓判を押しているだけに、新潟との一戦でも確実にチャンスは訪れるはずである。 また、長期の出場停止が明けて小瀬に帰還する茂原岳人の存在も心強い。前節こそ試合勘で難しい場面も見 られたが、自らの庭で相手を切り切り舞いさせるあの鋭いプレーを取り戻してくるはずである。
　そして、やはり須藤大輔の存在なくして今の甲府は語れまい。ナビスコカップを含めて豪快なゴールを量産し、大木監督に「まだ伸びる」と言わしめる30歳の遅咲きのストライカーは、これまで同様に「泥臭い」 「気持ちで決める」といった象徴的な言葉を発してひたすらゴールを追い求める。ただ、そんな言葉に隠れがちではあるものの、須藤のよさは狭いところで足を振りぬけるシュートモーションの速さや感覚、滞空時間の長い打点の高いヘディングなど、ストライカーとしての確たる技術に裏打ちされたもの。「ゴール前で とにかく足を止めないことを意識している」と本人が語っているように、ゴールへの飽くなき執念が3試合ぶりのゴールを呼び込むことになるだろうか。

　これに対し、アウェイで甲府に引導を渡したい新潟では、今季12得点で現在得点ランキング3位に付ける エジミウソンと、ダイナミックなプレーを続けることで日本代表への定着を窺う矢野貴章の活躍ぶりが光る 。ここまで2人でチーム全得点の半分の数字を稼ぎ出しており、特に迫力溢れる突破と冷静なフィニッシュでゴールを量産し、絶対的なエースとして君臨するエジミウソンのプレーは見逃せないところ。得点王とベスト11のダブル獲得宣言も飛び出しており、ジュニーニョ（川崎F）、ウェズレイ（広島）といったＪトッ プクラスのFW陣と肩を並べて争うブラジル人ストライカーは、さらなる得点に向けて牙を研いでいる。

　なお、得点力ということで見れば、甲府の26得点（15位）に対し新潟は36得点（6位タイ）と両者の数字はその差を如実に示すものの、中断明け後という観点で眺めれば甲府4得点、新潟6得点とさして 変わりはない。両チームともに試合終盤での得点数が多いという数字もあるが、新潟にとっては先手必勝がデータ的にも示さ れているだけに、先取点の行方がこの試合の流れに大きな影響力を及ぼしそうだ。

　某テレビ番組の企画により、武田家、および上杉家子孫によるオセロ勝負の末、決着の付かなかった川中島決戦は上杉側に凱歌が上がったという。そして、今季甲府は新潟に1分2敗。もちろんそんなことには関係なく、ホームのサポーターの前で甲府は一心に勝利を追い求めるだろう。ただ、因縁のある相手にいつ までも辛酸を嘗め続けるわけにはいかない。「やらなきゃやられる」、「ウチには王様はいない」、「技術で上回る、タクティクスで上回る、フィジカルで上回る、メンタリティで上回る、とにかく、何かで上回ら なければ勝てるわけがない」。シンプルながらも突き刺さる大木監督の言葉の数々。そして今日も、指揮官は決戦を前に選手たちに檄を飛ばし、必勝を誓っているはずである。

以上