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【J2:第37節 仙台 vs 京都 プレビュー】共に前節、劇的な勝利で勝点3をもぎ取った両チームの激突。前節の感動をよりエネルギーに変えるのはどちらか。(07.08.30)

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8月30日(木)J2 第37節 仙台 vs 京都(19:00KICK OFF/ユアスタ)
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※オートプレーの為、実際のメンバーと異なる場合があります。また一部選手はエディットして作成・追加しています。ご了承ください。
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 仙台は敵地平塚で湘南と対決し、後半ロスタイムの目安であった3分も過ぎようとしていたまさに土壇場にロペスが値千金の決勝ゴールを決め、薄氷ものの勝点3を手にした。
 ただ、結果こそヒヤヒヤものの勝利に映るが、それには湘南も素晴らしいサッカーで仙台を迎え撃った点が大きく影響しており、仙台が見せた内容自体は、第32節の水戸戦から続いた下位4連戦での姿と大きく異なり、一人ひとりの気迫とチームとしての組織が揃った見事な戦いぶりだった。

 とはいえ、勝ったはよいものの、劇的な勝利から日が明けて冷静に振り返ると、この試合には一抹の悩ましさを抱いてしまう。それがロペスの存在である。
 確かに、決勝ゴールは決めた。チャンスを作りながらシュートがその都度枠を外れたりGKの正面を突いてしまうことが続いたチームの中で、あの緊張の場面でしっかりと決めてくる決定力、それ以前にゴール前でフリーとなったチャンスへの嗅覚は素晴らしい。
 しかし結果論ではなく試合の過程を振り返って考えれば、この日ロペスによって勝利を手にした仙台が、その裏でロペスが引き金となって敗戦の危機を迎えかねなかったという事実から目を背けることは出来ない。相手の厳しいマークに、周囲を使うことをせずに正面から強引に挑み、その上でボールを失ったとしても、自分から積極的なチェイシングを試みるわけでもない。ロペスのそばを減速することなくすり抜けていくボール保持者が起点となって、仙台は幾度も相手のカウンターを受けた(これは湘南戦に限った話ではない)。
 最近、仙台はロペスをトップ下に配した4−5−1を採用することが多いが「システムはあくまでスタートのポジションであって、それぞれが動くことでポジションは変わる」という望月監督のコメントが真意であるのなら、既存の4−4−2と、ピッチ上にいる選手たちの基本方針は変わらないはず。そして4−4−2では、2トップに入っていた中島と萬代がチェイシングに奮闘して後方の負担を減らすことで、攻撃のマインドを全員が持った仙台のチームのバランスが保たれていた。つまりは仙台の選手としてピッチに立つ以上、ロペスにも「治外法権」はないはずなのである。

 京都戦に向けた仙台は、前節で仙台における初スタメンを飾ったファビーニョが、その試合での負傷が元で別メニューとなり、またスタメンを張れるかが微妙。もし出場回避とあれば、ロペスに託される攻撃の役割はさらに増す。だからといって、攻守に独りよがりなプレーが許されることはない。「ロペスの攻撃力を抑える」ことを念頭に入れた、ネガティブな意味でのこれまでのロペス対策ではなく、「守備が緩慢なロペスの位置で起点を作る」という、ポジティブなロペス対策を京都に採られれば、仙台は間違いなく苦しくなる。

 やけにロペスに厳しい論調となってしまった。しかしこれは紛れも無く期待の表れ。ロペスが文字通り「穴の無い存在」となることで、仙台のチーム力はまだ伸びしろがあると思われるし、シーズン序盤のように周囲を上手く使うロペスの姿が戻ってくれば、他の選手だけでなく、きっとロペス本人もよりやりやすくなるはず。現在仙台が1試合多い中で、京都との勝点差は6。勝利が必須とされる一戦ではあるが、そんな中でもサポーターはしっかりと、ロペスの立ち振る舞いを見定めている。

 一方、追走する3位以下を突き放し、自動昇格圏内の2位を死守したい京都は、このアウェイ戦で最低でも敗戦だけは避けたい。
 しかし前節、福岡との激闘の中で、京都は勝点3の代償ではないが角田が退場。大勝した前回対決も出場停止ではあったが、第1クールの対決では仙台の終盤の反撃をチアゴと共に屈強な体で跳ね返し、開幕から連続無敗を続けていた仙台に今季初めて土をつけることに大きく貢献したこのCBを欠くのは、それこそ第1クールのように試合が終盤まで拮抗したあたりで影響が出るかもしれない。

 ただそんな中でも、累積警告をここまで7枚受け、あと1度警告を受けると2試合の出場停止となっていた攻撃の核パウリーニョが、今節出場停止とならなかったのは大きい。仙台相手には0−1で勝利した第1クールに決勝点、5−1の大勝だった第2クールの対決では先制点を含むハットトリックと、仙台にとって「天敵」に近い存在なだけに、京都にしてみれば心強い。
 どんなに守備がブロックを固めようとも、それをあざ笑うかのようにラインの裏に抜け出しゴールをさらっていくパウリーニョ。過去2度の対決では、彼がこのような形で序盤に先制点をゲットしたことが、仙台のゲームプランを大きく狂わせた。

 つまり逆に考えれば、仙台としてはパウリーニョに仕事をさせず、最低でも拮抗のまま試合を進められるかがカギとなる。そもそも今季仙台は京都に対して、ハーフタイムまでイーブンの状態で迎えたことすらないのだ。
 だからこそまず「未知の領域」に持ち込めば、これまでの2試合に見ることができなかった勝機が見えてくる。

以上
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