11月7日(水) AFCチャンピオンズリーグ 決勝 第1戦
セパハン 1 - 1 浦和 (21:30/イスファハン)
得点者:45' ポンテ(浦和)、47' マフムド・カリミ(セパハン)
TV中継:テレ朝チャンネルにて11月11日(日)20:00〜録画中継
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悲願のアジア王者をめざす浦和が、ACL決勝第1戦、敵地の厳しい環境下、価値あるドローで優勝へまた一歩前進した。
立ち上がりから予想以上に前がかりに来たセパハンに対し、劣勢を強いられた浦和。だが、GK都築の好セーブやDFの体を張った懸命の守備で失点だけは免れると、20分過ぎ左サイドの平川を起点とした攻撃でようやくチャンスを探り出す。
22分、ゴールライン深くまで入った平川のクロスがセパハンゴールを脅かすと、26分には永井がドリブルから右足を振り抜き、右ポスト直撃の一発を放った。
それでもより多くチャンスを作り出していたのはセパハン。それだけに、前半終了間際、ポンテが挙げた1点は貴重だった。左サイドでボールを受けると、内に切れ込みペナルティエリアに進入するかと思いきや右足を一閃。強烈な一撃に名手モハマディも目測を誤り、ボールは右サイドネットに突き刺さった。浦和にとっては、これがこの試合初の枠内シュートだっただけに、時間帯を考えてもまさにこれ以上ない形でのフィニッシュだった。
ただ、後半はセパハンがメンバーふたりを入れ替え、システムをそれまでの4-2-3-1から3-5-2へシフトしてきたことで、浦和の対応が遅れ、結果的にそれが失点につながってしまう。開始40秒、ゴール前の混戦から最後はこぼれ球をマフムド・カリミに押し込まれた。
「前半はサイドチェンジでボールが来たときには、つねに挑戦できていたが、後半は相手も3-5-2にしてきてマンツーマン気味だったので、なかなかボールを受けられずに守備に回る時間が増えてしまった」(平川)
前半、唯一攻撃の糸口となっていた平川をつぶされた浦和は、その後さらに劣勢に立たされる。
セパハンのホーム、イスファハンは標高約1600メートルの高地にあり、当然酸素は薄く、空気は乾燥している。それが、終盤になって徐々に効いてきた。「これまでに感じたことがないぐらいのどが渇いた。もう痛いぐらい」(平川)、「もうのどがガラガラ」(鈴木)と多くの選手から出た“のどの痛み”。それは声を出す力を奪った以上に、体力的な消耗をも誘ったようだ。
次第に足が止まり出す浦和に対し、同点に追いつき、俄然勢いを増すセパハン。ひとたび中盤でボールを失えば、すばやいカウンターで一気にゴール前まで運ばれるなど、浦和は幾度も自軍ゴールを脅かされる。しかし、それでも最後まで集中だけは切らさず、何とか失点を最少の1点にとどめ、終了のホイッスルを迎えた。
浦和にとっては、キャプテン山田、守備の要・闘莉王を欠いたことも苦戦のひとつの要因だったといえる。山田の代役にはFW永井が回ると見られていたが、オジェック監督は最終ラインにネネを入れ、右サイドに阿部を指名した。もちろん、それは阿部の能力の高さを買ってのことだった。しかし「練習でもやっていない。正直どうやればいいか、位置取りがはっきりしなかった」と本人が振り返ったとおり、阿部のプレーからは迷いが感じられ、右サイドが停滞した原因ともいえた。
オジェック監督は、阿部の右サイドでの起用について「いまのチーム状態、今日の試合を考えて、右サイドは非常に重要だったので、そこで起用した」と説明したが、サイドに回ったことで、阿部の能力が半減したことは明らかだった。
山田の欠場は第2戦も決定的、ここはひとつ修正ポイントといえるだろう。
内容はともかく、大苦戦のなか、手にしたドローは大きな価値がる。この日は途中出場で、見せ場はなかった田中達も「満足とはいえないが、及第点は与えられる。少なくともレッズにアドバンテージがあるのは間違いない」と悔しさのなかにも、第2戦に向け視界が広がったことを強調した。
次の舞台はホーム埼玉スタジアム。敵地での悪条件をすべて振り払い、真っ赤なスタンドをバックに浦和がセパハンを撃沈するのは、もはや時間の問題かもしれない。
以上
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