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【FCWC特集】北中米カリブ代表CFパチューカの大陸予選勝ち上がりを紹介!(07.11.08)

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 ある意味、最近のCFパチューカの勢いを顕著に示すバロメーターは、短期間のうちに獲得した国内外でのタイトルの数々だろう。ざっと挙げてみたい。

 06年度メキシコ夏季リーグ優勝、06年12月にはコパ・スダメリカーナ(欧州のUEFAカップにあたる南米のクラブのカップ戦)優勝、CONCACAFチャンピオンズ・カップで優勝、07年度メキシコ夏季リーグ優勝、8月の北米スーパーリーグ優勝である。ここ2年間のうち、国内で2度、国際トーナメントでは3度王者に輝いている。

 まずは大陸予選参加の条件となった06年度メキシコ夏季リーグ優勝。これはクラブとしては4度目、約3年ぶりの快挙だった。
そして、国内優勝を境にパチューカ首脳陣は動いた。ガブリエル・カバジェロ(メキシコ籍アルゼンチン人)、クリスティアン・ヒメネス、ダミアン・アルバレス(共にアルゼンチン)らの外国人を獲得したのである。優勝メンバーに加えた彼らの移籍によって、その年の下半期に具体的な成果が出ることとなった。

 それは、06年12月のコパ・スダメリカーナ優勝である。これはCONMEBOL(南米サッカー連盟)主催の大会に、招待参加のパチューカが、メキシコのクラブとして初優勝を遂げた快挙と言っていいだろう。決勝で対戦したのはチリの名門クラブ、コロコロ。初戦はCFパチューカのホーム・ゲームながら、1対1の引き分けで折り返してしまう。CFパチューカにとって非常に分が悪い。というのも、同大会はアウェイ・ゴールが認められているため(敵地での得点は2倍換算される)、実質的には1対2でコロコロが優位に立っていたからだ。つまり、優勝のためにCFパチューカに課されたのは敵地での絶対勝利だった。そのような状況の中、アウェイの戦いで2対1でコロコロを破るゴールを演出し、CFパチューカに勝利をもたらしたのは、補強選手で入ったヒメネスとカバジェロによる2得点だったのだ。

 07年、国内リーグと並行して昨年の同リーグ優勝実績によってFIFAクラブワールドカップの大陸予選であるCONCACAFチャンピオンズ・カップに参戦した。まずは中米代表のマルケンセ(グアテマラ)にホーム(2対0)&アウェイ(1対0)で勝利を収めて難なく突破したのとは対照的に、準決勝では06年MLSカップ王者のヒューストン・ダイナモとの激戦が待ち受けていた。
初戦はアウェイである米国ヒューストンでの試合だ。米国とはいえメキシコ移民が多いヒューストンのこと、メキシコさながらのスタジアムの雰囲気が予想されたが甘かった。メキシコ移民とはいえ地元にあるクラブと言えばダイナモ。メキシコ内でも地元色の強いパチューカを応援する者と言えば、同市出身の者かその親類くらいだったのだ。従って熱烈なダイナモ・サポーターに囲まれる中、相手に2得点を許し、CFパチューカは無得点のままホーム・ゲームを迎えることとなった。

 決勝進出を最大目標に、当日は入場無料としたCFパチューカは、スタジアムを地元ファンで埋め尽くした。明らかに攻撃的なCFパチューカの布陣から、直ちに2得点が施されて総得点数が2対2の同点となった。
後半、前半残りは激しさを抑えていたCFパチューカに対し、ダイナモはプレッシャーを強めてゴール。しかし、ヒメネスへのペナルティから、同選手が確実に決めると3対1(総得点で3対3)と盛り返す。後半も残り少なくなり、延長突入かと思われたのも束の間、まだまだドラマチックな攻防が続いた。残り11分でダイナモのゴールである。こうなると時間の経過が傍観者たちの神経を逆なでするもの。しかし、そんなスタジアムに再び火をつけたのが86分のカバジェロの一発だった。

 これで延長戦に望みをつないだCFパチューカは、延長前半15分にヒメネスのミドルシュートが決まるとついに決勝進出へ向けて有利な立場となった。延長後半はパチューカが守りきって試合終了。ホーム・ゲームとしては5対2の大勝だったが、総得点数で5対4という1点差の僅差だった。
一方、準決勝で米国代表は2クラブとも敗退した。しかし、どちらも決勝へ進んだチームと僅差の攻防を見せた上での敗退だった。米国勢の大きな躍進を感じさせると共に、今後全くもって侮れない勢力になることは間違いない。

 決勝の相手は06年下半期のメキシコリーグ覇者のチーバス。登録選手はメキシコ人のみの伝統クラブだ。さらに、対戦時にリーグ総合順位ではパチューカが1位に対してチーバスは2位。つまり、これまでの実績から見てメキシコリーグNo.1を決める付加価値のある一戦となった。
初戦はチーバスのホーム、ハリスコ・スタジアム。この対戦の2ヶ月前に行われたリーグ戦では、チーバスが0対1でパチューカに敗れているため、雪辱を期するチャンスでもあった。しかし、結果は2対2の引き分け。パチューカが有利な展開でホーム・ゲームを迎えるかに見えたが、当時のチーバスはアウェイで無類の強さを発揮中。チーバスの地元グアダラハラ市のファンは、誰一人負けを疑うものはいなかったように思う。

 そんな前予想が的中するかのように試合は0対0の引き分けである。ルールに則って、PK戦が行われると、まずは両チームとも5人が成功。チーバスの7人目、アルベルト・メディーナがポストに当てて失敗してしまう。パチューカは同クラブ生え抜きで22歳のランディンが決めて、試合の終止符を打った(総得点数9対8)。これによって北中米カリブ海代表はメキシコのCFパチューカとなり、日本行きの権利を掴んだのである。
実際のところ、大陸予選となったCONCACAFチャンピオンズ・カップ優勝は、最近の同クラブの補強選手による充実度や安定した戦いぶりを考えれば、パチューカ・サポーターならずとも十分に受け入れられる結果であったように思う。

 クラブとしての快進撃はそれだけにとどまらず、同時期に行われていた07年度冬季国内リーグで、クラブ・アメリカと決勝で争って再び国内制覇に成功している。同クラブは前年度FIFAクラブワールドカップの北中米カリブ代表だ。つまり、リーグ優勝でクラブ・アメリカを倒し、現在の真の北中米代表がCFパチューカであることを証明する形となったのである。

Reported by 信藤大輔

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