11月11日(日) 2007 J1リーグ戦 第31節
清水 3 - 1 広島 (13:03/日本平/16,508人)
得点者:27' 柏木陽介(広島)、28' 市川大祐(清水)、66' 藤本淳吾(清水)、82' フェルナンジーニョ(清水)
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少なくとも今日の試合を観るかぎりでは、広島は残留争いをするようなチームには見えなかった。少し何かが違えば広島が勝っていてもおかしくない試合内容だったが、終わってみればスコアは3-1。そこには、時間をかけて少しずつ勝負強さを身につけてきたチームと、結果が出ない中で悪循環に陥っているチームとの差が、象徴的に表われていたように見えた。
試合の立ち上がりでペースをつかんだのは、伊東輝悦の400試合出場達成に盛り上がる清水ではなく、ストヤノフをリベロに入れ、戸田をボランチに上げた広島のほうだった。あえていつもより低い位置で守備のブロックを作り、ある程度清水を前がかりにさせておいて、ボールを奪ったらシンプルに裏を狙うというパターンを多用。そうした縦のボールからウェズレイや佐藤が起点を作り、弾かれたときのセカンドボールに対しても、2列目の柏木や森崎浩らがよく動いて自分たちのボールにする場面を多く作った。
それに対して清水のほうは、「蹴られてから反応している形が多かった」(西部)と裏を狙うボールへの対応がうまくいかず、清水のDF陣にしてはめずらしく、ロングボールでラインを押し下げられる場面が目立った。
そんな流れの中、6分にはウェズレイがロングボール1本で裏に飛び出して右からシュート。7分にも佐藤が左でフリーになってミドルシュートを放つが、ここはGK西部が好セーブ。セットプレーからも広島はチャンスを作った。
ただ、清水のほうも15分を過ぎたあたりから徐々に落ち着きを取り戻し、序盤のちぐはぐだった部分を少しずつ修正していく。そしてポゼッションする時間も徐々に長くなっていったが、ペナルティエリア前では広島が分厚く守りを固め、ボランチの戸田の守備も効いていたため、なかなか攻め崩す場面を作れない。それでも、セットプレーから藤本→高木和のラインで何度か惜しい形を作ったが、これもなかなか決まらない。
そこから試合が動いたのは、27分。広島の左CKのこぼれ球から槙野がつないで柏木が豪快なミドルシュートを決め、アウェイゲームで良い入り方を見せた広島が待望の先制点を奪った。
しかし、清水は失点後のキックオフ直後(28分)、左から攻めて右の市川に展開するという得意な形から、こちらも市川の素晴らしいシュートですぐに同点に追いつく。広島側から見ると非常に警戒していた形からの失点だっただけに、この同点ゴールは試合の行方に大きく影響した。
ただ、広島はその後も素早い攻守の切り換えで、堅実な守りと鋭い攻撃を見せ、35分と42分にウェズレイが決定的なチャンスを迎えるが、どちらもシュートは枠を外してしまう。清水もその間に2度、あわやPKという場面を作ったが、ここでは柏原主審の笛は吹かれなかった。どちらも守備に比重をおきながらも、お互いにチャンスを作り、スリリングで見応えのある攻防が繰り広げられた前半だった。
後半に入ると、立ち上がりからFWの矢島がうまく縦パスを引き出して、ホームの清水が押しこむ場面が多くなり、少しずつ流れが清水側に傾いていく。そして20分には、前半からしつこくドリブルで仕掛け続けていたフェルナンジーニョが、20分にペナルティエリア内で駒野に倒されてPKを獲得。これを藤本がきっちり決めて(21分)、ついに清水が勝ち越し点を奪った。
だが、まだあきらめるわけにはいかない広島は、前半よりもリスクを冒して前がかりに攻め、26分には良い位置でのFKを得る。そこからウェズレイがニアポストを狙う絶妙のシュートを放つが、ここは清水の守護神・西部がスーパーセーブで阻止。27分のウェズレイのヘッドは市川が阻止し、その後のCKからの決定的なヘディングシュートも、ゴールカバーの伊東がクリア。清水の選手たちが身体を張った守りで苦しい時間帯をしのぎ、広島には少し運も足りなかった。
終盤になっても激しい球際での攻防が続き、どちらも勝利への執念を見せたが、次の1点を奪ったのも清水。37分にカウンターから藤本のパスをフェルナンジーニョが決めて、清水が決定的な3点目を鮮やかに奪った。
その後は、400試合目の伊東が、例によって危ないところを的確に察知する働きで清水の守備を安定させ、広島の反撃をきっちりと抑えたままタイムアップ。清水は、苦しい試合にはなったが、勝負強さがついてきたことを示して4連勝(ホームでは6連勝)。伊東の大記録に花を添えると同時に、上位陣との勝点差を維持してトップ3への望みをつないだ。
広島にとっては、何度もあったチャンスの中でウェズレイが1本でも決めていれば結果はどうなっていたかわからないゲームだったが、それを嘆いていても何も生まれない。J1に残るべき力があること証明するチャンスは、まだ3試合残っている。
以上
2007.11.11 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
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