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【FCWC特集】ヨーロッパ代表ACミランの大陸予選勝ち上がりを紹介(07.11.13)

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 06-07シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)制覇に至るまでの道のりは、ミランにとって困難の連続だった。前シーズンのセリエAでは、勝点88を挙げてユヴェントスに続く2位の座を確保していた。したがって本来ならば、予備予選なしで本戦にエントリーし、グループリーグを戦う権利を得たはずだった。
 ところが2006年5月に勃発したカルチョスキャンダルに関与した疑いが持たれ、処分の結果セリエAでの最終順位がひとつ繰り下がって3位となったため、予備予選からのスタートを余儀なくされる。しかしこれでも、当初はセリエB降格処分の可能性すらあったことを考えれば、御の字と言わなければならなかった。

 予備予選出場が決まったのは、8月9日に組まれていた第1レグの、たった2週間前。ミランは、ワールドカップを終えてヴァカンスに入ったばかりだった主力選手を急遽呼び戻し、試合に備えることになる。このプレシーズンキャンプでは、目先の予備予選2試合を戦う最低限のコンディションを整えるだけで手一杯だった。予備予選ではレッドスター・ベオグラードを下して本戦出場を決めたものの、長いシーズンに備えたフィジカルコンディション作りをほとんどできないまま、セリエAの開幕を迎えることになった。

 そのしわ寄せは、予想以上に大きかった。シーズンが始まり、他のチームが調子を上げてくる中、ミランは逆に疲弊して運動量が落ちて行った。テクニックでどれだけ上回っていても、明らかに走り負けし、イーブンボールをすべて敵に奪われるようでは、たとえ相手がセリエA下位チームであっても勝つことは難しい。
 カルチョスキャンダルの処分で勝点マイナス8というハンディキャップを背負っていたとはいえ、リーグが冬休みに入ったクリスマスの時点で、ミランは順位表の真ん中よりも下に低迷していた。開幕前、ガッリアーニ副会長は「8ポイント差はちょうどいいハンディキャップ。クリスマスにはインテルに追いついているはず」と豪語していたものだが、首位を独走するインテルとの勝点差は28にも達していた。

 CLのグループリーグの戦いぶりも、決して安心できるものではなかった。リール(フランス)、AEKアテネ(ギリシャ)、アンデルレヒト(ベルギー)という「1強3弱」の楽な組み合わせだったにもかかわらず、挙げた勝点は、1位で勝ち上がったチームの中では最も少ない10ポイント。グループ2位のリールには1分1敗という成績だった。不振の最大の原因が、すでに見た劣悪なフィジカルコンディションにあったことは確かだ。しかしミランは、戦力的にも小さくない問題を抱えていた。攻撃の中核を長年担ってきたシェフチェンコがチェルシーに移籍した穴は予想以上に大きく、インザーギ、ジラルディーノの不調もあって、深刻な得点力不足に悩まされる。サイド攻撃の鍵を握っていたカフー、セルジーニョの両サイドバックが、年齢的な衰えと故障でほとんど戦力にならなかったことも、状況を悪化させる一因だった。クラブ首脳は1月の移籍マーケットで、前線にロナウド、右SBにオッドを付け焼き刃的に補強したが、ロナウドはレアル・マドリーですでに出場していたため、CLに登録することができなかった。

 2月の決勝トーナメント開始を前にして、ミランを優勝候補に挙げる声がまったく聞かれなかったのは、当然のことだった。本命・対抗はバルセロナとチェルシーであり、イタリア勢からはインテルの名前が挙がったくらいであった。

 実際、グラスゴー・セルティックとの決勝トーナメント1回戦の内容は、まったく褒められたものではなかった。セルティック・パークでの第1レグは、ボールポゼッションで主導権を握りながらも、無理に人数をかけリスクを冒してまで点を取りに行かない、消極的なアウェイ戦術で0-0。勝負をかけたサン・シーロでの第2レグも、セルティックの堅守を崩せず0-0で90分を終える。延長戦に突入した試合に決着をつけたのは、大会を通してMVP級の活躍を見せることになるカカだった。得意のカウンターから40mを独走すると、GKの股を抜いてゴールに流し込む。何とかベスト8進出を決めたとはいえ、FW陣が不振をかこつ中、カカの突破力以外に頼るものがないミランの窮状を浮き彫りにした試合でもあった。

 準々決勝の相手は、バイエルン・ミュンヘン。サン・シーロでの第1レグ、大黒柱のバラックを失い一時の強さを失ったドイツの名門に、ミランは予想以上にてこずることになる。ピルロのゴールで先制し、手堅くリードを守りに入ったところまではよかった。しかし、高さに物を言わせたパワープレーに転じたバイエルンに手を焼き、乱戦に持ち込まれて、終わってみれば2-2。ホームでアウェイゴール2つを与えての引き分けは、負けにも等しい結果である。
 後から振り返れば、アウェイで勝たない限り敗退という、文字通り背水の陣に立たされた準々決勝第2レグが、ミランにとって大会を通じて最大の転機だった。敵地アリアンツ・アレーナに乗り込んだミランは、立ち上がりから終始主導権を握って戦い、前半27分にセードルフ、31分にインザーギが立て続けにゴールネットを揺らして、バイエルンを意気消沈させる。その後は落ち着いた試合運びで相手にチャンスを与えず、余裕でリードを守り切った。大きかったのは、セードルフ、インザーギというふたりのベテランが輝きを取り戻し、やっと「カカ依存症」から脱却するきっかけを掴んだことだ。もちろん、ここから先も最大の主役はカカでありつづける。だがそれも、周囲のチームメイトが調子を上げてきたおかげで、お互いに力を引き出しあえるようになったからにほかならない。それは、この先の準決勝、決勝で示されることになる。

 マンチェスター・ユナイテッドとの準決勝2試合は、ミランの優勝までの歩みを象徴する、素晴らしい戦いになった。土砂降りのオールド・トラッフォードで行なわれた第1レグ、ミランはジダの不運なミスからC・ロナウドに先制ゴールを許したが、カカが爆発的なスピードを見せつけてマンチェスター・ユナイテッド守備陣を翻弄、2ゴールを挙げて逆転に成功する。だがマンチェスター・ユナイテッドも、ルーニーが一瞬の隙を突いて2つのスーパーゴールを決め、終了間際に再逆転。手に汗握るスペクタクルな好ゲームを1点差で制したのだった。

 ルーニー、C・ロナウドという伸び盛りの若きタレントを擁するマンチェスター・ユナイテッドと、成熟の極みに達したベテラン揃いのミラン。若さと勢い、経験と成熟という、相反する特質を備えた2つの好チームが雌雄を決する第2レグは、昨シーズンのCLで最も大きな注目を集めた試合となった。第1レグと同様の緊迫した接戦が予想されたが、蓋を開けて見れば結果はミランが3-0と圧勝。試合開始直後からかさにかかって攻め立て、マンチェスター・ユナイテッドを自陣に追い詰めると、カカとセードルフが素晴らしいコンビネーションで最終ラインを引き裂き、1ゴールずつを挙げて勝負を決める。C・ロナウドはガットゥーゾに、ルーニーはネスタに完全に抑え込まれて、ボールに触れることすらままならなかった。

 そして迎えた決勝の相手は、2年前のイスタンブールで苦杯を飲まされたリヴァプール。ミランにとっては願ってもない雪辱戦だった。試合は、重要なタイトルのかかった決勝戦にありがちな、埒の明かない中盤の潰しあいを基調とするスペクタクルに欠ける、しかし極度に緊迫した内容になった。前半を通して優勢に立ったチームがあったとすれば、それはリヴァプールだっただろう。しかし、終了間際に先制したのはミランの方だった。ピルロのFKがインザーギをかすめて軌道を変えた、幸運なゴール。しかしミランは後半、この幸運を最大限に活かして試合をコントロールし、インザーギが十八番のオフサイド破りで決定的な2点目をねじ込んで、4年ぶりのビッグイヤーを掴み取ることになる。
「4年前よりも今回の方が喜びはずっと大きい。この勝利はシーズン序盤の困難な時期を乗り越えたその上に築き上げたものだから」。試合後アンチェロッティ監督はそう語った。決勝を戦ったメンバー11人中8人は、4年前の決勝でもピッチに立っている。
 過去5シーズンで優勝2回、準優勝、ベスト4各1回。この類い稀な黄金時代に欠けている最後のトロフィを手に入れるべく、ミランは横浜国際のピッチに降り立つ。

Reported by 片野道郎

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