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【J2:第50節 草津 vs C大阪】レポート:前半は草津、後半はC大阪がゲームを制圧。10対10の戦いは両者痛み分けに終わる。(07.11.18)

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11月18日(日) 2007 J2リーグ戦 第50節
草津 2 - 2 C大阪 (17:03/群馬陸/3,862人)
得点者:21' カレカ(草津)、42' カレカ(草津)、49' 前田和哉(C大阪)、67' 古橋達弥(C大阪)

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死力を尽くして戦った選手たちは、試合終了の笛と同時に、ピッチに崩れ落ちた。2点を先制しながらも勝ちきれなかった草津と、逆転のチャンスをことごとく外したC大阪。結果は2-2の引き分け。双方ともに、つかみかけた白星を逃したと言えるドローゲームとなった。

90分間の白熱したドラマは草津の先制ゴールによって幕を開けた。草津は21分、左サイドを駆け上がった寺田からの低いクロスを、カレカが合わせてゴールネットを揺らす。カレカの3戦連発弾で草津がゲームの主導権を手繰り寄せる。
次に訪れたのは草津にとっての悪夢だった。33分、ゴール前で得たFKのキッカーとなった松下が「遅延行為」を取られ、この日2枚目のイエローカードで退場を宣告される。10人での戦いを余儀なくされた草津だったが、その時間は幸いにも長くはなかった。40分、カレカの突破をファウルで止めた江添が、両者のバランスを取るかのような一発レッドカードで退場。ゲームは10対10の戦いへと移行していく。
そして、そのファウルに激高していたカレカの右足から放たれたFKがC大阪の壁を突き破ってゴールへと吸い込まれる。「あのファウルがなかったら、GKと1対1になって絶対にゴールを決められていた。FKは自分から蹴らせてくれと言った」(カレカ)。重戦車カレカの活躍で、草津は2点をリードして前半を折り返す。

前半の動きを見る限り草津の優位は明らかだったが、ゲームは15分のハーフタイムを挟んで全く別のものになった。昇格へ向けて負けられないC大阪が後半開始とともに襲い掛かる。49分、右CKが逆サイドへ流れたところを前田が詰めて、反撃の狼煙を上げると、その後はC大阪の一方的な展開へ。「退場になったエゾ(江添)の分まで戦うつもりだった」(柳沢)。そして67分、森島康とのコンビでゴール前に進入した香川が古橋へ絶妙のラストパス。それを古橋が確実に決めて同点へと追いつく。

終盤の草津は、C大阪のサンドバッグ状態だった。古橋、森島康の2トップに香川、濱田、さらには両サイドバックまで絡んでくる攻撃は迫力十分。受身に回る草津はいつ逆転されてもおかしくなかった。しかし、勝負を決めるシュートが枠を捕えられない。C大阪は後半だけで5本以上の超決定機を外し、昇格への道をせばめてしまった。「運もなかったけど、これが実力と考えるしかない」と香川。草津も、土壇場で佐藤正がチャンスを迎えるが、そのシュートはバーを大きく越えて、万事休す。草津とC大阪の今季4度目の対戦は、2-2のドローに終わった。

草津相手に痛いドローとなったC大阪は、結果こそ残せなかったものの、攻撃力の高さは存分に見せ付けた。特に香川のプレーには、底知れぬ将来性を感じさせた。「今季最高のゲームだった。まだチャンスはある」(クルピ監督)、「まだあきらめていない」(柳沢)。2人の言葉通り、昇格レースは何が起こるかわからない。C大阪は残り2戦にすべてを懸けることになる。

草津の収穫は、ビルドアップから奪った先制点だ。中盤から右、そして左サイドへとつないで生まれた得点は、今季の集大成と呼べるベストゴールだった。「チームが目指す理想形からのゴール」と櫻田。だが、一方で後半の戦いは、悪いゲームの典型だった。GK本田は「2点を先制しながら、『負けなくて良かった』では、チームはいつまで経っても変わらない。後半だけで20本もシュートを打たれたのは初めて。中盤があれだけ走れなければ勝負にならない。今季は中盤が走り負けている」と指摘した。走らなければいけないチームが走れていない現状をどう捉えるのか。シーズン終盤を迎えて、草津は大きな課題を突き付けられた。

以上

2007.11.19 Reported by 伊藤寿学
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