11月18日（日） 2007 J1リーグ戦 第32節
大分 1 - 3 名古屋　（17:05／九石ド／27,811人）
得点者：15' ヨンセン（名古屋）、56' 高松大樹（大分）、67' ヨンセン（名古屋）、82' ヨンセン（名古屋）

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大分にとって、勝てばJ1残留が決定する大事な一戦は、１−３で名古屋の勝利。気温9.4度と冷え切った九州石油ドームには、駆けつけた名古屋サポーターの歓喜の声だけが鳴り響いた。

残留争いのライバル大宮か広島が引き分け以下の場合、大分は勝てば残留が決定。名古屋は勝てば決まる、という試合。大宮と広島の試合が14時キックオフだったため先に結果を知って、試合に臨むということになる。大分の選手たちはスタジアムに向かうバスの中、それぞれ携帯電話で速報をチェック。大宮・広島が共に引き分けたという結果を知った選手たちは、「よし勝とう」とロッカールームで誓いあってピッチに出た。名古屋はこの他会場の結果により、試合前にJ1残留が決定していた。

立ち上がりは大分ペースだった。しかし、前半15分、大分のミスから名古屋がチャンスを掴みFWヨンセンが先制。これで４試合連続無失点で苦しんでいた名古屋に一気に流れが傾いた。大分はこのヨンセンには充分な注意を払っていた。練習でもヨンセン対策に力を注いだ。しかし、「流動的に動いてくる名古屋の前線に対し、マークが曖昧になり、ヨンセンをフリーにしてしまうことが多くなってしまった。もっと声を出して確認し合わなければならなかった」とDF森重真人は振り返る。

後半から、大分は前節の大宮戦で決勝弾をあげたFW前田俊介をピッチに投入して、点を取りに行く。その采配が当たり流れは大分のものとなり、後半11分、FW高松大樹の同点弾が生まれる。「いける」、前節の大宮戦も先制されてからの逆転勝利。誰もが勝利を予感した。あと１点取れば残留。しかし「みんな、勝てば残留という情報を試合前に知り、簡単に考えすぎていたのかもしれない」とDF深谷友基が振り返ったように、これが裏目に出てしまった。

後半22分に警戒していたヨンセンにCKからのボールをヘッドで決められ、続く同37分にはMF藤田俊哉のクロスを受けたヨンセンが完全にフリーになり、冷静にゴールへ流し込んだ。ヨンセンはこれでハットトリック。「チームに勝利がなかったから、３点も決められて嬉しい。試合前、残留が決まっていたことは知らなかった。勝てばよいと思っていたので」と喜びを噛みしめながら、こう語った。

17位甲府が大宮と引き分けたため自動降格は免れた大分だが、大宮、広島との勝点差は４。まだまだ安心してはいけない。危機感を持って次の磐田戦に臨まなければ足元をすくわれる結果になる。

以上