12月1日(土) 2007 J2リーグ戦 第52節
草津 1 - 1 京都 (12:03/群馬陸/5,778人)
得点者:6' 田原豊(京都)、89' 寺田武史(草津)
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選手、サポーターの「底力」と「執念」が、土壇場で京都の堅い壁を打ち破った。ロスタイムに決まった寺田の同点弾は、すべての力を結集させて、奪い取ったゴールだ。勝利を収めることはできなかったが、ホーム最終戦にふさわしいゲームだったことは間違いない。草津は、昇格争いを繰り広げる京都から価値ある勝ち点1を奪い、2007シーズンを締めくくった。
ホーム最終戦、そして京都の自動昇格が懸かる大一番を前に、草津の選手たちは気合が入っていた。しかし、ゲーム序盤はその気持ちが空回りしてしまう。
6分、草津は右サイドからクロスを許すと、田原に高い打点からのヘッドを叩き込まれてしまう。「マークについていたが、その上からやられてしまった」と田中。早い時間帯での失点に草津は浮き足立つ。京都の速いプレッシャーに起点が次々とつぶされ防戦一方。そして21分にはPKを献上し、窮地に追い込まれる。
これが決まれば、草津がゲームの流れを引き戻すことは難しくなったはずだ。だが、草津には今季、2度もPKをストップしている守護神・本田がいた。ゴールマウスに立った本田は、的確な読みで左へジャンプ。森岡のキックを弾き出してみせた。「PKは右か左か2分の1の確率だ。難しく考える必要はなかった」(本田)。本田のセーブによって瀕死状態だった草津は、後半へ向けて息を吹き返していく。
ただ後半の戦いも簡単ではなかった。ポゼッションこそするものの、リスクを避けた戦いに終始する京都の守備網を突破することができない。「ボールは動かしても、最後の部分が足りなかった」(植木監督)。ボランチ松下の鋭いカットもゴールに結びつくこともなかった。高田は「今日に限らず、今季のチームはカウンターの迫力に欠けていた」と振り返った。
時間を消費しながらじっくりと攻める試合巧者・京都に対して、草津は有効打を放てずに試合は終盤へ。指揮官は、松浦・寺田の2選手を投入し、勝負に出る。85分には、契約満了が発表された主将・佐藤正が送り出された。サポーターはJFL時代から在籍しJ昇格へ多大な功績を残したストライカーへの敬意を込めて、「マッスル正美」コールを連呼。スタジアムは異様な盛り上がりを見せていく。
そして迎えたロスタイム、松下が佐藤正をターゲットに蹴ったCKがこぼれ球となり、ファーサイドの寺田の前に流れる。「アキさん(秋葉)から高い位置に残れと言われて前にいったら、目の前にボールが来た。トラップして思い切り蹴った」。寺田が利き足の左で蹴ったシュートはアウトサイドへの回転がかかりながらゴールへと吸い込まれた。ホーム最終戦は劇的な同点ゴールによって、幕を閉じた。
草津は7勝21分20敗の勝ち点42で今季を終えた。目標の2ケタ勝利には届かなかったが、上位陣と互角に戦えるようになったことは大きな成果だ。サッカーの質も著しく変化した。チームを牽引したベテラン秋葉は「引き分けと勝ちは、ほんの少しの差だ。でも、その少しが一番難しい。それを埋めるためには、来季の初日からチーム全員で強い意識を持って練習に取り組む必要がある」と話し、バスへ乗り込んだ。「来季は今年のサッカーを積み上げていくシーズンとなる」(植木監督)。今季の評価が最終的に下されるのは来季となる。
恵まれない練習環境、潤沢ではない資金…Jリーグ3年目を終えた草津が抱える問題は未だに多い。だが、こんな状況の中でも、チームはたくましく成長している。環境を言い訳にはしたくない。2002年、温泉街に生まれたこのクラブは一つひとつの試合に勝つことで、周囲を動かし、不可能とも言われた夢を実現させた。この環境を変えていくのは、選手、サポーターだ。ザスパ草津というクラブには、難解な道を切り拓いていく「草魂」が宿っている。この魂を持ち続ける限り、チームは必ず強くなる。
以上
2007.12.01 Reported by 伊藤寿学
J’s GOALニュース
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