12月1日(土) 2007 J1リーグ戦 第34節
横浜FC 1 - 0 浦和 (14:34/日産ス/46,697人)
得点者:17' 根占真伍(横浜FC)
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ひとことで言えば、両チームが気迫を全面に押し出した素晴らしいゲームだった。特に後半は、猛攻をしかける浦和に対し、横浜FCが堅守で対抗し、スキをみてはカウンターで決定機を迎えるという息もつかせぬ展開に。誰が何と言おうと、サッカーは、Jリーグはおもしろい。そして、すごい。改めてその魅力を感じさせてくれる大熱戦だった。
試合は開始前から異様な盛り上がりを見せる。開門の11時30分前には、浦和サポーターの列、というより群れが日産スタジアムを取り囲んでいた。その様子はさながら、赤い軍勢が城を包囲しているようである。そして、バックスタンドはほぼすべて赤く埋め尽くされ、選手入場時には3枚のビッグフラッグが掲出された。一方の横浜FCサポーターも、ゴール裏一階席部分をほぼすべて青に染め上げ、いつも以上の声援を選手に送る。
前半は、立ち上がりから横浜FCが主導権を握る。やはり疲労からか浦和のプレスがゆるく、根占や滝澤ら中盤の選手が前を向きチャンスを演出。「思った以上に相手がこなかった」とは、滝澤も認めるところである。さらに、「山口選手がけっこうフリーな状況が多かったので、あそこで落ち着かれてしまうというのがあった」(阿部)というように、山口へのプレッシャーがあまいために、山口がさらにプレスのほころびのある地点にボールを配球し、横浜FCの中盤や前線の選手を輝かせていたこともあるだろう。また、大きなサイドチェンジから右サイドのカタタウが見せた、中への切れ込みや、ゴールラインギリギリまでのえぐりなど、ドリブル突破も効果的だった。
すると17分に横浜FCが先制。左サイドで三浦知がDFを一人かわし、バックラインとGKの間にグラウンダーでややプラス気味の絶妙のクロスを供給する。これを中央で、長い距離を走った根占が右足インサイドで流し込むというビューティフルゴールが決まった。失点後の浦和の猛攻があることも予想されたが、あまりリズムは変わらず、前半は1−0で折り返すこととなる。
後半開始早々、浦和は、プレーに雑な面の目立つネネに替え、FW田中達を投入。システムを4−3−3に変更し、平川を左サイドバック、細貝を右サイドバック、中盤はほぼそのままに、前線は左から田中、ワシントン、永井の3アタックで修正を図る。これが横浜FCのサイド攻撃を抑えるなど一定の効果を示したことや、「前半は試合に入りきっていない。もっと攻撃的に戦え」(オジェック監督)と檄を飛ばされ王者のプライドを刺激されたか、浦和のプレスが厳しさを増したことなどもあり、次第にアウェイチームが優勢に。さらに、前半から全員が豊富な運動量を見せていた横浜FCの選手の足が止まりはじめた70分辺りから、浦和の優位は決定的なものとなってくる。
残り時間はすさまじい攻防に。攻める浦和も浦和なら、守る横浜FCもまた見事。浦和のFWがドリブルで1人をかわしても、そこにはまた2人、3人が滑り込んでくる。ならばとクロスを上げれば中央で小村が弾き返し、クロスのセカンドボールからシュートに至ると、横浜FC・GK菅野が立ちはだかる。横浜FCも前がかりになる相手のウラをついてカウンターを繰り出し、あと一歩で追加点というシーンを2・3度迎えた。
特に目立ったのは三浦知で、相手を背負ってのトラップで味方の上がりを引き出し、労をいとわぬチェイシング、フリーランニングでチームを落ち着かせる。この日チームでいちばん走っていたのは彼かもしれない。また、今季限りでチームを去る岩倉の活躍も素晴らしかった。何度か、ワシントンがドリブルで独走、あるいはターンでDFを振り切り、GKと1対1になりかけたが、多くは岩倉が最後まで食らいついてはなれず、結果、ワシントンが最後のボールタッチを誤り、事なきを得ることに。
そして4分のロスタイムののち、激闘の終了を告げるホイッスルが鳴り響く。その場に座り込む浦和の選手、静まりかえる赤いサポーター。しかし、全員がよく戦った。同情などされたくはないかもしれないが、前半の運動量の少なさ、コンディションの悪さは見ていて気の毒になったほど。それでも後半、しっかりと戦う姿勢を取り戻してきたことに心から称賛の言葉をかけたいと思う。試合後、あいさつに向かう選手に対し、多くのサポーターは暖かい拍手を送った。あの戦い振りを見て、ブーイングできる者は少数派というものだろう。わずかな日数ではあるが、しっかりと休息をとって、FCWCに臨んでほしい。
勝った横浜FCは、笑顔の選手、複雑な表情を浮かべる選手さまざまだった。しかし、アジア王者を相手に、前半は、今シーズン終盤で築き上げた自分たちのパスサッカーを展開し、そのサッカーをベースに、後半は昨年の持ち味であった堅守・速攻を加えて勝利をおさめたことは高く評価していいはずだ。もう少し、今のチームをJ1で見てみたかった。来季以降の戦いも決して楽なものではないだろう。それでも再び、この舞台に戻ってくる日のことを信じている。
以上
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