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【J1・J2入れ替え戦 広島 vs 京都】広島レポート:広島J2降格決定。この現実に、誰よりも悔しい想いをしているのは、サポーターである。(07.12.09)

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12月8日(土) 2007 J1・J2入れ替え戦
広島 0 - 0 京都 (16:04/広島ビ/23,162人)

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「サポーターをやめることは、できない」試合後、複数の人から、そういう言葉を聞いた。
「死ぬまで、いや死んでも、サポーターであり続けます」そういう人もいた。

だが、涙を流す人がいる一方で、こういう話も聞いた。
「涙が出ない降格って、あるものなんですね」
それは想像を絶する悔しさであり、怒りであり、憤りだった。悔しさで身体がバラバラになりそうなのに、涙が出てこない。そういうサポーターが存在することを、重く受け止めなければならない。

試合そのものは、気持ちが入った素晴らしい内容だった。球際で粘り、ボールを失っても追いかけ、ギリギリのラインでクリアした。立ち上がりの佐藤寿人のヘッドがバーに当たったのをはじめ、何本も決まっておかしくないシュートを放った。しかし、得点が奪えない。この日2万人以上集まったサポーターの歓声や悲鳴が響く。
ロスタイム、ストヤノフのクロスに槙野智章がオーバーヘッドで合わせた。そのボールはポストに当たる。前に跳ね返れば佐藤寿人がいた。だが、ボールはそのまま外に出てしまった。
試合終了。
J2降格。

選手たちはピッチに突っ伏した。何人も、涙を流す選手たちがいた。一方で、自分たちの感情を押し殺しながら必死で応援してきたサポーターから、こんな横断幕が掲げられる。
「結果を出さない監督の続投は許さない」
しかし久保允誉社長は、フロント・組織の抜本的な改革を宣言した後で、こう言い切った。
「ペトロヴィッチ監督は続投させます」
それを彼はサポーター席の前で言い切り、猛烈な批判や罵声を浴びた。互いに感情的になって言い合ってしまったこともあった。だが、久保社長は「どんな批判でも甘んじて受ける」と語り、あえて監督の続投に踏み切ったのである。

横断幕にはもう一つ、こういう言葉が並べられていた。
「地元から愛される魅力あるクラブに」

1993年のJリーグ開幕以降、広島は1994年のステージ優勝以外は、ほとんどの時期を低迷して過ごしていた。観客動員が1試合平均6533人という数字に陥り、経営危機に陥ったこともある。久保社長就任以降、独身寮や練習場など施設の増強、ユースの強化などによって次々と若くていい選手を輩出するクラブになった。観客動員が右肩上がりに転じ、単年度黒字を出せるような体質になった時期もあった。
だが、成績は思うようにあがらない。2003年にはJ2で闘うことを余儀なくされ、J1昇格後も「J2同期」の川崎Fに差をつけられるばかり。大型補強を断行しても状況は変わらず、一方で観客動員は低迷し強化費の増額も手伝って、またも単年度赤字に転換してしまった。

実は、長くクラブを応援し続けるサポーターほど、普段の生活から悔しい想いを積み重ねている。「サンフレッチェを応援しているの?へえ……」というような周囲の反応。「一緒に行こう」と誘っても「いいよ、別に」と言われることが多い。一生懸命に声援をおくっても、チームは敗北を重ねる。伝わらぬ想いに歯がゆさばかりが増幅され、周囲の反応も冷めている。このクラブが広島という地域に愛されているという実感が、サポーターの中で湧きにくくなったとしても、仕方がない。

それでも、前述したように「サンフレッチェが好きなんです」と言ってくれたサポーターは、少なくない。クラブに対して、言いたいことは山ほどある。それでも来年の戦いに向け、必死に気持ちを立て直している人も、多い。

そういうサポーターに対して、いつまでも悔しさばかりを与え続けることはできない。1年でのJ1復帰はもちろん、その後はACLやクラブ・ワールドカップを目指せる状況をつくる。抜本的な改革を抜きにして達成できないことではあるが、そうなって初めて、サポーターに報いることができるはずだ。

久保社長は退任を決意、クラブに常駐できる人材が社長として采配をふるえるような形にする、と語った。今後は会長としてクラブをバックアップする久保現社長としっかりとコミュニケーションを密にとることができ、改革の大ナタをふるえる人材を新社長に据えるということ。まずはどういう形で改革が行われるのか、しっかりと見ていきたい。
誰よりも辛い思いをしているのは、スタンドで、いや全国で祈りを込めて、チームを信じて応援を続けているサポーターだ。クラブ関係者は、そこをしっかりと心に刻み込むべきだ。これからイバラの道が待っているし、批判はそう簡単には収まるまい。しかし、それでも、前を向いて歩いていくしかないのである。

以上

2007.12.09 Reported by 中野和也
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