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【2008Jリーグプレシーズンマッチ 熊本 vs 東京V】レポート:お互いにベストとは言えない状態での注目のプレシーズンマッチは、ホームの熊本が意地を見せてドローに。(08.02.09)

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2月9日(土) 2008Jリーグプレシーズンマッチ
熊本 1 - 1 東京V (14:02/熊本/2,025人)
得点者:35' 飯尾一慶(東京V)、77' 中山悟志(熊本)
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 1月16日に始動して以降、これまで一貫してフィジカルトレーニングに取り組んできた熊本。練習試合もこれまでに5本をこなし、疲労が溜まっている事は否定できない。対する東京Vも、柱谷監督が「今の段階で90分戦える選手を選んで連れて来た」と話した通り、宮崎キャンプでかなり追い込んでいる時期。しかも、キャンプ地の宮崎からバスで3時間かけての当日入りという状況。お互いに、決してベストとは言えない中でのプレシーズンマッチは、それなりの展開、そしてそれなりの結果になった。

 立ち上がりはまず、両チームともに探り合いと行った雰囲気。だが、MF廣山、菅原らを起点にした攻撃を見せ、15分頃から東京Vの時間帯がしばらく続く。16分にFW柴崎のダイビングヘッド、22分にはMF廣山の左からのクロスにFW船越が飛び込むなどチャンスを迎えるが、熊本GK小林のセーブでいずれもゴールを割れず。 一方、“積極的な守備”を今季のテーマとしている熊本は、25分あたりから奪ったボールをシンプルに東京VのDFラインの裏に出すようなシーンが見られるようになり、33分にはMF西森からのパスにFW中山が詰めるが、こちらもGK高木がキャッチして得点には至らない。

 先取点は、そんな緩い展開から突然生まれた。35分、GK高木のキックが前線で競り合ったFW船越の頭をも越え、熊本のDFラインの裏に出て、GKと1対1になったFW飯尾がフワリと浮かし難なく決めた。熊本にしてみれば、船越についていたDF河端が20センチもある身長差を感じさせない競り合いを見せていただけに、こぼれたボールへの対処のまずさが招いた、“いらない”失点だった。

 ハーフタイムに「もっとチャレンジして、仕掛けていける時は積極的にしかけるように」と話した熊本の池谷監督は、右サイドのMF松岡に替えて山内を投入。それが功を奏して、後半開始からは熊本のペース。27分、右SBの河野を下げ、MF熊谷を入れたのに合わせて2トップにすると、前線に上げた山内に何度もボールが出るようになる。しかし、中盤の運動量が落ちて後ろからの押し上げができず、なかなか数的優位を作れない上、チャンスになりそうな場面でもフォローを待ったり外に開いたりと、判断の遅さが目についた。だが依然、流れは熊本。32分、4度続いたCKからFW中山が頭で合わせて同点となり、そのまま試合終了を迎えた。

 ベストメンバーとは言えないにしても、J1のチームを相手に「追いついて引き分けたこと」は評価していい。だが、今週の練習試合で2連敗したことを「気にしない」のと同じように、今日の引き分けは、1ヶ月後から始まるリーグを占う上では、殆ど意味をなさない。
「勝っててもおかしくなかった」(DF福王)、「もっとやれたし、やらなきゃいけなかった」(DF有村)という声も聞かれ、選手たちも内容的には満足などしていない。むしろ、してもらっては困る。

 今日の試合でたびたび見られたような攻撃時のチャンスを、いかに得点という結果に結びつけるのか。そして、失点の記憶をどう生かすのか。開幕までの1ヶ月で、組織としての守備、攻撃については、当然詰めていく必要がある。だが最終的な局面では、選手個々の判断こそが、次のプレーを決める。

 Jリーグ1年目のチームとして、謙虚な気持ちも大切かもしれない。とは言え、決して遠慮する必要はない。1年生らしく、もっと自信を持ってトライする姿勢があってもいいはずだ。

 次のプレシーズンマッチは、開幕を1週間後に控えた3月2日の札幌戦。3週間でどう仕上げるか。戦術面の連係と合わせて、選手それぞれの姿勢の変化に注目したい。

以上

2008.02.09 Reported by 井芹貴志
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