3月1日(土）に迫った『2008ゼロックススーパーカップ』。
この大会は、リーグ戦開幕1週間前に、前年のJリーグチャンピオンと天皇杯全日本サッカー選手権大会の王者が激突し、新シーズン開幕を告げる大会として実施されている。（今回はJリーグと天皇杯を鹿島が征したので、大会規定により天皇杯準優勝の広島が出場権を獲得）。

このように、リーグ戦開幕を前に、リーグ戦とカップ戦の王者が対決するスーパーカップは世界各国で開催されており、サポーター・ファンの注目を集めている。そこで、今回はイングランドを中心にスーパーカップの歴史や位置づけをを紹介しよう！
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スーパーカップの原型はイングランドの「チャリティーシールド」だ。世界最古のカップ戦であるFAカップ（1881年創立）の勝者と、世界最古のリーグ戦であるフットボールリーグ（FL＝1888年創立）の優勝チームが、翌シーズンのリーグ開幕1週間前に激突する大会で、1908年に始まった。「チャリティー」の名の通り、収入は慈善事業に寄付された（優勝トロフィーがカップではなく盾（＝シールド）だったので「シールド」という）。

20世紀初頭までのイングランドでは、伝統的なロンドンのアマチュア（上流階級）クラブと、北部の労働者階級のプロチームの対抗意識が強く、アマの色彩が濃いFA主催のカップと、よりプロ的なリーグの対抗戦という意味合いもあり、1908年の第1回大会も北部のマンチェスター・ユナイテッドとロンドンのクイーンズパークレンジャーズという対戦となり、1-1の引き分けの後、再試合でマンチェスター・Uが優勝した。

だが、20世紀に入ると戦力的にプロ優位は揺るがず、FAカップもFLの強豪に占められていく。その後、リーグがプレミアリーグに改組されるなど背景は変化し、大会名も「FAコミュニティーシールド」と変わったものの、シーズン開幕を告げるお祭り的な試合として現在も続いている。

このチャリティーシールドを原型に、ヨーロッパ各国でリーグ・チャンピオンとカップ戦勝者による「スーパーカップ」が行われている。この大会の注目度は各国によってまちまちだが、一般的に言えばカップ戦が重視されている国ほど重要な大会と認識されていると言える。イングランドやスコットランドではFAカップは最も伝統がある非常に重要な大会だし、スペインでも国王杯（コパ・デル・レイ）は全国リーグ発足よりはるかに古く、伝統のある大会であり、やはりシーズン開幕前に行われるスペインの「スーペルコパ」は欧州各国の中でも注目度が高い。

また、ヨーロッパの当時の3大カップ戦だったチャンピオンズカップ（現チャンピオンズリーグ）とカップウィナーズカップの勝者同士のスーパーカップも、1972年から非公式な形で行われていたが、1998年以降はUEFA主催の公式戦として、やはりシーズン開幕を告げる試合として、毎年モナコを舞台に行われるようになった。

日本では、かつて日本リーグ優勝チームと大学選手権優勝チームがNHK杯という名称で戦ったこともあったが、Jリーグ発足後、欧州各国のスーパーカップを参考に、Jリーグ優勝チーム対天皇杯王者の試合がゼロックス・スーパーカップとして行われるようになった。スーパーカップの歴史は、日本ではまだ浅いが、日本でも天皇杯は重要な大会として認識されている。カップ戦が重視されているという背景を考えれば、日本のスーパーカップも、今後はさらに注目度の高い大会として定着していくことだろう。

以上

Reported by　後藤健生

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欧州各国のスーパーカップは、出場するクラブのサポーターだけでなく、全クラブのサポーターから注目を集めている。日本においても、リーグ戦の開幕を待ちきれないサポーターは多いはず。3月1日(土）は国立競技場で2008ゼロックススーパーカップを見て、今年対戦するクラブの仕上がり具合をチェックしよう！

【今年もゼロックススーパーカップでJリーグはスタートします！】
2008ゼロックススーパーカップ
3月1日（土）13：35／国立
鹿島 vs 広島
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