3月16日（日）J1 第2節 東京Ｖ vs 鹿島（16:00KICK OFF/味スタ）
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３年ぶりのＪ１開幕戦で川崎Fから貴重な勝ち点１をあげた東京Ｖ。
柱谷監督が「眠れないほど怖かった」と打ち明けた川崎Fの３トップにほとんど仕事をさせず、攻撃ではディエゴ、レアンドロを起点にサイドハーフや福西の効果的に飛び出しもあった。何より選手達が９０分間集中を切らさなかったその戦いぶりは、シーズン前の不安要素を拭い去るに充分なものだった。とはいえもちちろん、「引き分けで喜んでいる場合じゃない（柱谷監督）」という思いはサポーターも同じ。柱谷ヴェルディへの期待が高まる中、いよいよ昨年のＪ王者・鹿島を迎えてのホーム開幕戦だ。

個の力が強力な川崎Fに続き、今度の相手は熟成された組織力を持つ鹿島。守備に関して「川崎Fと同じやり方では難しい」と話す柱谷監督は、今週も非公開練習の中で鹿島対策を入念に行った模様だ。FW田代へ入ってくるロングボールはもちろん、「中盤がポジションにこだわらずどんどん動き回って、そこにサイドがからんでくる・・・攻撃の人数が多く見える（GK土肥）」という鹿島の攻撃に対し、求められるのは判断力。「いろんなシチュエーションの練習をキャンプからやってきた。その中から選手達が正確なチョイスができるかどうか（柱谷監督）」が鍵となる。そして、初勝利の為に必要なのはやはり得点だ。川崎F戦ではシュート８本に終わったが、柱谷監督は「少なくとも１０本はシュートを打たないと」とし、今週の準備を行ってきた。
前節はフッキ封じに奔走した富澤もこの鹿島戦では攻撃への参加を見せていくつもりだとしており、起点になったものの自らのシュートはゼロだったFWレアンドロを含め、全体的なシュートへの意識の高まりがあるか、楽しみにしたい。

一方の鹿島は、開幕・札幌戦の後、すぐにバンコクへ移動。水曜に４０度近い気温の中、ＡＣＬを戦ってきた。地元のタイの選手が試合後に熱中症で倒れたという報道があったほどのコンディションをものともせず９得点を挙げ、凱旋帰国を果たしている。
当然危惧されるのはコンディション面だが、この日程をにらみキャンプ中に取り組んだハードなフィジカルトレーニングがここから活きてくるはず。全く疲れがないとはいかないにしても、まさにこの試合で鹿島の本領が発揮されるだろう。ＣＢの大岩と岩政もリーグ戦へ復帰。その２人を欠き、苦しいスタートとなるかと思われた札幌戦でさえ選手層の厚さを確認できた形となった鹿島から穴を見つけるのは難しく、柱谷監督も「日本を代表するチーム。自信を持ってやっているし、今１番強いと思う」と敬意を表している。

となれば確かに、下馬評では鹿島に軍配が上がるのは致し方ない。が、「どんなむちゃくちゃスゴイ選手がいるとか、すごいチームだ、といっても『結局同じ人間同士、同じプロ同士がやるんだから、そんなに大きな差を感じることはない』ってことを改めて感じた」と川崎F戦の後にDF富澤も言っている。Ｊ２から昇格したばかりのチームが、Ｊ王者に一泡吹かせる・・・そんなサプライズへの期待感を充分持たせてくれる雰囲気が今の東京Ｖにはある。

なんといってもホーム開幕戦。「あの試合を生で見逃した！」と後々後悔することのないよう、味の素スタジアムへ是非。

以上