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【J1:第2節 札幌 vs 横浜FM】レポート:札幌が勝利目前での手痛い逆転負け。執念を見せた横浜FMは開幕2連勝と幸先の良いスタート。(08.03.15)

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3月15日(土) 2008 J1リーグ戦 第2節
札幌 1 - 2 横浜FM (16:05/札幌ド/25,225人)
得点者:52' ダヴィ(札幌)、86' 大島秀夫(横浜FM)、87' 大島秀夫(横浜FM)

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試合前の選手入場時、札幌ドームのスタンド中が札幌のチームカラーである赤黒に染まり、その一角に設けられたビジター用のスタンドも横浜FMのサポーターでビッシリと埋まり、チームカラーであるトリコロールに染まる。札幌にとって6シーズンぶりのJ1の、そのホーム開幕戦は熱い雰囲気に包まれた。華やかな舞台にまた帰ってきた、そんな気分にさせられる熱気がそこにはあった。

札幌はこの試合、シーズン開幕直前に守備的MFとして獲得したクライトンをFWとして起用。堅実な采配をするイメージがある三浦監督にしては思い切った策に感じる。何しろ札幌の守備戦術ではFWからの献身的な守備が不可欠であるため、加入間もないクライトンをその位置で起用することによってリスクが生じるからだ。そして試合が始まるとさっそくクライトンは広い範囲で自由に動き回り、ボールに積極的に絡もうとしていたため、戦術理解度の不安を感じさせた。だが、相手が最終ラインでボールを持つとしっかりともう一人のFWダヴィと連係を取って守備に貢献していた。試合後に「自分達は守備から入る戦い方なので」と話していたように、どうやらクライトンは札幌の戦術をしっかりと把握し、あくまでもそのプラスアルファとして自由な動きをしていたようである。

ゲームの主導権を握ったのは横浜FMの方だった。ロペス、山瀬功というテクニックのある選手が、ゾーンで守る札幌のMFとDFとの間に素早く入り込み、そこでボールを受けて斜めのパスを配球することでMFとDFが2枚のスクリーンを張る札幌の守備網に揺さぶりをかけた。そして同時に中澤、栗原ら最終ラインの選手がロングボールで札幌のDFラインを押し下げ、間延をびさせることに成功。そうして生まれたスペースを活かして、11分過ぎには持ち上がった中澤が中盤の底から縦に一発のスルーパスを送って決定的なチャンスを作り出したし、20分ころには田中隼の浮き球から大島がフリーで抜け出したりもした。開幕戦でアジアチャンピオンの浦和を下した横浜FMはやはり個々のレベルが高く、後方からしっかりとパスをつないでボールを運べるし、アタッキングサードでも慌てることなくパスをつなぐ。横浜FMが攻め、それを札幌が粘り強い守備で跳ね返す。それは戦前から予想されていた展開ではあったが、横浜FMの展開力そして、起点作りからラストパスまでの一連の動きは見事なものだった。そして同時に、その攻撃を凌いでいた札幌の体を張った守備もまた見事だったと言っていい。

劣勢だった札幌にとってアドバンテージとなったのは横浜FMが3−5−2のシステムだったことだ。札幌は4−4−2で戦っており、もし相手も同様のシステムを採用していた場合には1人対1人でマッチアップする場面が多く、個人レベルの差がモロに反映されてしまう。もちろん4−4−2と3−5−2がぶつかった場合、インサイドに関して言えば3−5−2の方が人数的に有利である。だが、札幌の守備戦術は相手ボールをアウトサイドへと追い込み、そこでプレスを仕掛けるもの。そのためサイドのエリアだけを限定して考えれば、4−4−2で戦う札幌の方が数的に有利だったのである。そうしたこともあって札幌は横浜FMにボールを運ばれながらも田中隼、小宮山というサイドアタッカーに自由を与えず、前半を無失点で終えることができたのだ。惜しむらくは前半終了間際に得たPKをクライトンが失敗してしまったことだろう。

そして後半立ち上がりの52分、クライトンからのボールを藤田が落とし、それをダヴィが右足で蹴り込んで札幌が先制する。堅守をベースとし、先行逃げ切り型で勝ち点を重ねて昨季のJ2を制した札幌にとっては願ってもない展開となった。その後も横浜FMの猛攻を粘り強く跳ね返し、左右アウトサイドそして前線にフレッシュな選手を投入することでそのままタイムアップへと持ち込もうとした。しかし、横浜FMの攻撃は最後までしっかりと複数のパスコースを確保し、札幌に圧力をかけ続けていた。そして札幌が右サイドの選手交代を行なえば対峙する左サイドによりフレッシュな選手を投入し、札幌が左サイドの選手を入れ替えれば右サイドを交代させるという、相手の作り出したアドバンテージを消す桑原監督の采配も冴えた。そして終了間際の86分、山瀬功が蹴った右CKを大島が力強くヘッドで決めて同点とすると、その1分後には再びゴール前の混戦から大島が流し込んで横浜FMが一気に逆転してみせた。CKでの失点が札幌から集中力を若干削ぎ、そして同時に横浜FMに勢いを与えたのだろう。やはり札幌のように守備をベースとして戦うチームがセットプレーから失点してしまっては苦しい。そして基本的には少ないチャンスを活かすというオフェンススタイルなのだから、せっかく得たPKの失敗があまりにも痛すぎた。札幌は粘り強く守って勝利を目前としながらも、手痛い逆転負けを喫してしまった。

札幌は、鹿島との開幕戦では組織的なゾーンディフェンスが機能し、この試合ではゾーンディフェンスの弱点を突かれながらも体を張った守備で粘りを感じさせた。開幕2連敗という結果になってしまったが、どうやら生命線である守備はJ1でもある程度は通用しそうな気配も感じさせた。あとは、それをどのように攻撃へと連動させるかだろう。
一方の横浜FMは開幕2連勝。桑原監督は「手応えはまだまだ」というが、チームのパフォーマンスからは安定感を感じる。バックアッパーがより充実すれば、大きな飛躍もあり得るかもしれない。
両チームの今後には注目が集まりそうだ。


2008.03.15 Reported by 斉藤宏則
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