3月15日（土） 2008 J1リーグ戦 第2節
大分 2 - 0 柏　（13:05／九石ド／18,263人）
得点者：31' 金崎夢生（大分）、74' ウェズレイ（大分）

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「自分が得点に絡んだ試合で勝ちたいというのがずっとあったので、本当に嬉しい。シュートは思った通りのコースに飛んだので良かった」試合後のヒーローインタビューを終え、お立ち台を降りた若きの司令塔の顔は、普通の19歳のあどけない笑顔に戻っていた。
MF8金崎夢生。キャンプ前、補強の目玉であったMF家長昭博のケガによる長期離脱が決まってから、この高卒2年目の金崎夢生がトリニータのトップ下を任されることになった。キャンプ中「まだまだプレーが青い」とチーム関係者の心配する声もあったが、それでも金崎はやるしかなかった。なかなかベテラン2トップとのコンビネーションも合わない。この3人のトライアングルがフィットするにはもう少し時間を要すると周囲の人々は感じていた。しかし、そんな心配もよそに、前節の清水ではチームJ1初の開幕白星をあげ不安を一気に吹き飛ばした。

そして迎えたホーム開幕戦。これに勝てばもちろんJ1初の開幕２連勝となる。多くのサポーターが一緒に勝利を分かち合いたい、ともに戦おうと、ホーム開幕恒例の人文字を作り選手たちをピッチに送り込む。

試合は序盤から大分ペース。前節は磐田相手にしっかりとはまっていた柏のプレスが思うようにかからない。それどころか「大分の強烈な2トップを恐れてか」（柏・石崎監督）柏のDFはズルズルと下がってしまって、ラインもなかなか上げられない。逆に大分のがっちりとした守備は柏の攻撃に思うように仕事をさせない。そんな中、前半31分DF深谷友基からのフィードをMF金崎がFWウェズレイに落とし、ワンツーで再び金崎へ。金崎は一旦、シュートの体制を取りながらもドリブルで切り返し、冷静に左足で大きく振りぬいた。柏GK南雄太も反応したが間に合わず、金崎の先制点はゴールネット左隅に突き刺した。
その後も流れは大分ペースで、柏は攻撃の糸口を見いだせないまま前半を折り返した。

前節の磐田戦のイメージを取り戻そうと石崎監督はハーフタイムに「もう一度、自分たちのサッカーを思い出そう」という指示を出して選手たちをピッチに送り出す。その成果もあり、柏の攻撃も活性化してきた後半29分。今度は大分ウェズレイがこぼれ球をトラップし、右足で強烈なシュートを放った。ウェズレイはこれで2試合連続ゴール。さすがの巧さを大分のサポーターに見せつけた。柏はその後、自分たちのプレーを取り戻し果敢に大分ゴールを攻めたが得点ならず、開幕2連勝は大分が手にした。

「シーズンはまだまだこれからだけど、開幕２連勝というのは今までなかったので、これは今後の大分にとって大きな自信になる」と足をつりながらも必死にディフェンスをした上本大海は満足そうに会場を跡にした。シャムスカ監督の当面の目標は、「開幕３連勝」。十分に叶えられる目標だ。今季の大分は一歩一歩着実に進む「カメ」のように、目の前の勝利を掴んでいくつもりだ。