3月23日(日) 2008 ヤマザキナビスコカップ
札幌 2 - 1 川崎F (13:01/室蘭/5,387人)
得点者:3' 寺田周平(川崎F)、74' 鄭容臺(札幌)、85' 西嶋弘之(札幌)
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札幌がJ1復帰後、公式戦での初勝利を挙げた。大宮で2シーズン、J1を戦った経験がある三浦監督は「特には大きな感情は抱いていません」と淡々と振り返ったが、J1でのプレー経験が多くない選手が多数を占めるイレブンの顔は笑顔に溢れていた。
さて、試合の方に目を向けると、開始3分に得点が生まれるという幕開けだった。アウェーの川崎FがCKから寺田のヘディングで先制点を奪ったのだ。これは札幌にとっては非常に痛い失点だった。リーグ戦では開幕から2戦続けてセットプレーから失点を喫しており、三浦監督も選手たちもセットプレーへの意識を高めてこの試合に挑んでいた。それが開始僅か3分にあっさりとCKから失点。同時に、札幌のような堅い守備をベースにカウンターから得点機をうかがうチームにとって、早い時間帯に先制点を奪われるという事実は重くのしかかる。そしてこの試合でデビューした期待の新外国人FWノナトがうまくボールに絡むことができずにいたため、状況としては非常に苦しかった。
試合全般としては、先制後も川崎Fがボールキープで上回って、札幌を攻め立てるという展開だった。川崎Fはテクニックのある大橋が2トップと細かなパス交換をしたり、そこへウイングや守備的MFが絡んで縦に速い攻撃をすることで札幌に揺さぶりをかけていた。前半15分にはジュニーニョから我那覇へという形で決定的なチャンスを作ったりもした。ただし、この試合に勝つということだけを考えた場合には、川崎Fの試合運びは1点リードというシチュエーションに相応しかったとは言い難い。前述したように札幌はカウンタースタイルのチームなのだから、川崎Fは攻め急がずにゆっくりとボールをキープして時計の針を進め、焦った札幌が前がかりになったところで仕留めるというやり方で良かったはず。それが開始3分で先制点を奪えたからなのか、縦へと急ぎすぎていた印象だ。中村という柔軟なゲームコントロールのできる選手を代表遠征で欠いていたことも影響したのかもしれない。
ただし同時に、そこで1点差のまま川崎Fの攻撃に耐え続けた札幌の守備も褒めるべきだろう。ジュニーニョそして鄭大世という強さのあるFWが、札幌のゾーンディフェンスの狭間に入り込んでそれぞれの特徴を発揮するような局面でも体を張ってしっかりと対応していた。そうしたことを粘り強く継続したことで試合の流れを徐々に呼び込むことに成功し、鄭容臺の同点弾、西嶋の逆転弾へとつながったのだ。
試合の流れが川崎Fから札幌へと移ったより具体的な要因は二つある。ひとつは、先制点後もテンポを緩めず攻撃を続けた川崎Fが攻め疲れて中盤での運動量を減らしてしまったこと。そして二つ目は関塚監督が言及したように「(札幌の)サイドバックが高くきたときに、そこを起点とされてしまった」ことだ。二つ目に関して言えば、攻め急いだ川崎Fがゴールに近い内側からの攻撃を多用したため、西嶋、坪内という札幌の左右サイドバックの守備負担が軽くなり、高い位置へと進出できるようになったのだ。この辺りは、勝負におけるひとつのアヤと言うべきだろう。
この試合の結果、ナビスコカップにおける札幌の勝点は4に。この流れをリーグ戦にもつなげたいところ。
対する川崎Fは勝点ゼロのままで、リーグ戦を含めても未だ勝ち星がない状況だ。しかし、代表に複数の選手を送り込んでいたり、負傷離脱者がありながらも高いチームレベルを保っている状況をみれば、川崎Fがこのまま低調なままでいるとは思えない。リーグ戦もナビスコカップまだ2試合を終えただけである。
以上
2008.03.23 Reported by 斉藤宏則
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