3月23日(日) 2008 J2リーグ戦 第4節
岐阜 2 - 1 徳島 (18:03/長良川/2,028人)
得点者:34' 梅田高志(岐阜)、75' ドゥンビア(徳島)、76' 片山真人(岐阜)
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岐阜にとってはリベンジマッチとなったこの一戦。昨年の天皇杯3回戦で岐阜は徳島に0−2の敗戦を喫している。気合の入る岐阜に対し、徳島は今季ここまで2敗1分けと勝ち星を挙げていないだけに、岐阜を迎え撃つというより、何が何でも勝たなければいけないという気持ちで挑んできた。これは布陣にも現れていた。徳島はこれまでの【4−4−2】ではなく、怪我開けの片岡を左FWに置き、阿部を中心に右にドゥンビア、トップ下に玉乃を置いた【4-2-1-3】にシフトチェンジ。この狙いは岐阜の高いDFラインに対し、阿部をターゲットに置き、スピードある片岡、ドゥンビア、玉乃を裏のスペースに走らせる意図があった。
試合は序盤から前線の4枚に素早くボールを供給して攻め込んでいく徳島がペースを握る。しかし、ラインを下げることなく要所で体を張って自由を与えない岐阜の粘り強い守備を攻めあぐね、徐々に試合はこう着状態に。反対に20分過ぎにはサイドで数的優位を作って攻め込む岐阜に押し込まれ、徳島の4バックに歪が生まれていく。
この歪を岐阜は見逃さなかった。梅田と高木が頻繁にポジションを入れ替え、ここに片桐がサイドに流れて絡むことで、サイドバックとボランチを外に引っ張り出し、中央でスペースを作り出すと、すかさず片山、菅らが飛び出して徳島ゴールに迫った。岐阜の執拗なサイド攻撃が実ったのが34分のことだった。
インターセプトから中央でドリブル開始した梅田が、「3対3の状況でつっかけたら、誰も寄せてこなかったので」思い切りよく25mミドルを放った。地を這うようなライナーのボールは、ゴール左隅に突き刺さり、岐阜が待望のホーム初ゴールを挙げた。
これは一見、梅田の個人技からのゴールに見られるが、これまでの継続したサイドの崩しが、DFラインを下げさせて、かつボランチを両サイドに引っ張り出したことでバイタルエリアに広大なスペースを作り出したからこそ生まれたものであった。
後半に入っても状況は変わらず、岐阜の執拗なサイド攻撃に徳島は苦しめられ続けた。ここで美濃部監督はたまらず65分に、藤田に代え麦田を、玉乃に代えて大島を投入し、布陣を【4-4-2】へ戻した。すると徐々にリズムを取り戻す。73分、右サイド大島のクロスからドゥンビアが放ったドンピシャヘッドは、GK日野のファインセーブにあうが、この流れから75分、ゴール前の混戦でドゥンビアが今度はしっかりと決めて、徳島が同点に追いついた。
しかし、徳島がほっとした隙を岐阜は見逃さない。直後の76分に菅からがら空きの左サイドに流れた片桐へ展開すると、片桐のピンポイントクロスに走りこんだ片山が難易度の高い強烈なジャンピングボレーをゴール左隅に叩き込んで、2−1。今季のJ2ベストゴール候補とも言えるビューティフルゴールで岐阜が再びリードを奪う。徳島としては、美濃部監督が「流れ的にあの失点から立て直すのは難しい」と語ったように、掴みかけていたリズムを再び失った代償は大きく、試合はそのまま終了。岐阜が実に9ヶ月ぶりに長良川での白星を掴んだ。
己の戦い方を最後まで貫いた岐阜と、不調の打開策として変化をつけてきた徳島。奇しくもその差が、スコアとなって現れてしまった。
徳島はこの日も熱心なサポーターが長良川まで駆けつけてくれた。彼らを悲しませないためにも、チームの立て直しが急務だ。「J昇格した勢いをモロに受けた感はある」と西河は語ったが、勢いの差だけではないものはあった。攻撃のバリエーションなど足りない部分を補って、このトンネル脱出の糸口を掴んでほしい。
一方、念願のホーム初勝利を掴み、2勝目を挙げた岐阜にとっては、「チームは試合ごとに徐々に馴染んできた。やってきたことは間違いなかった」(松永監督)、「キャンプからやってきたことは間違いなかった」(高木)と自分たちが貫いてやってきたことへの自信と手ごたえを掴んだ意味では非常に大きな1勝であった。
岐阜の選手たちは、課題はあれど持てる力を十分に発揮し、面白いサッカーを展開してくれた。残念で仕方がないのは、それにも関わらずホーム2戦目で観衆が2,028人という数字。これはあまりにも寂しすぎる。選手たちは岐阜にJリーグの文化を根付かせようとプレーで懸命に表現してくれているだけに、もっと周りが応えてあげてほしいのが本音だ。だが、重要なのはこのような狙いを明確に、全員が最後までハードワークするサッカーを継続していけば、いつか必ず周囲を動かすことが出来るということ。すべてはこれがベースだけに、岐阜はこの勝利に浮かれることなく、一歩一歩戦っていかなければならない。
以上
2008.03.24 Reported by 安藤隆人
J’s GOALニュース
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