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【J2:第4節 甲府 vs 福岡】レポート:未勝利サロン残留も若さハツラツ・甲府。決定力不足で勝点2を失った福岡(08.03.24)

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3月23日(日) 2008 J2リーグ戦 第4節
甲府 2 - 2 福岡 (16:03/小瀬/9,185人)
得点者:0' ジョジマール(甲府)、3' 大久保哲哉(福岡)、61' タレイ(福岡)、71' 大西容平(甲府)

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「お客さん、記者?」、「甲府駄目だねぇ。1年でJ1って言ってるのに、J2で初めて試合をする岐阜に引き分けだもんねぇ」
甲府駅から小瀬スポーツ公園に向かうタクシーの中で還暦をとっくに過ぎたであろう男性運転手に話しかけられた。
「J1昇格を果たした05年も開幕3試合で勝点2だった」、「今のJ2には極端に弱いチームはない」、「ケガ人が戻ってくる4月になれば結果は出てくる」、「巨人だって楽天に負ける」、「アメリカ軍もイラクで苦戦している」と、思いつく限りのポジティブ要素を繰り出した。
「3試合で勝点2でしょ。今日勝てば勝点5か。そしたら順位が一気に上がるね」
意外にサッカーに詳しい。本当は甲府のことが好きなんじゃないかと思いきや、「今日は0−2か1−2だね。福岡って強いんでしょ。水戸に負けたし、今日も負けるよ」、「今日は道路がガラガラ。(観客は)6000人だね」、「小瀬に観に行ってもストレスが溜まるだけだよ」。
結局、このオッサンに全く影響を及ぼすことは出来ないままにタクシーを降りた。

U-19日本代表候補の吉田豊を右サイドバックに、ダイヤの原石・ブルーノをFWで先発させた甲府。キックオフと同時に福岡の選手配置を確認していると、吉田から左サイドでパスを受けたジョジマールがバタバタしたドリブルでDFをかわして左足でシュートを打つ。それがいきなり先制ゴール。しかし、喜びのアドレナリンがまだ体中をグルグル回っている3分後、DFのマークミスから福岡の大久保哲哉にフリーでヘディングシュートを決められてしまう。しかし、アドレナリンのお陰か、不思議と悔しさも中くらいの失点。

イーブンに戻ってからはお互いに中盤の主導権争いに精を出す。福岡はボールを奪うとワンタッチで繋いでくる。予想以上に正確で速い。「今年の福岡はいい」と言われる理由を見せ付ける。そこからの攻撃で際立ったのは福岡の両サイド。逆の密集サイドからボールを受けると左の久永辰徳はクロス、右の田中佑昌は中に切れ込んでシュートと、攻撃の起点としての仕事を果たす。大久保のGK真正面シュートには助けられたが、90分で3〜4点取られても仕方がないだけのチャンスは献上していた。
しかし、この日の小瀬はストレスを溜めさせるだけのスタジアムではなかった。右サイドバックに入った吉田のガッツと上手さのあるプレーがこれまでの3試合を忘れさせてくれた。「吉田は2人いるのか?」と思うほど戻りも速い。ブルーノもシュートは1本だったが、DF2人の間をドリブル突破するなど、前を向いて勝負する面白さを魅せてくれた。

しかし、後半16分にPKをタレイに決められ、1−2になるとタクシーのオッサンの予言が実現に向けて急加速する。接触プレーによる池端のコンディション低下、ブルーノの捻挫などの問題が重なった甲府は、18分から3分の間に久野純弥、大西容平、寄井憲を投入して流れを変えにかかる。そして、寄井のパスを右サイドで受けたスピードスター・久野がゴールライン付近で粘って、中央の大西に合わせる。プロ生活3年間、ゴールに関しては逆シンデレラ状態だった大西にかけられていたノーゴールの呪いが71分に解けて2−2。タクシーのオッサンの予言も消滅し、小瀬にエンターテインメントが戻ってきた。
ロスタイムの4分間を含む終盤は決定機を作り、作られながらもお互いに決められず、うれしさも中くらいのドロー。決定機の数で評価すると福岡が勝点2を失ったと言っていいだろう。FWの決定力さえ向上すれば福岡のサッカーはもっと点が取れる。対して、甲府は勝点1を守った形になるが、吉田、ブルーノ、久野が魅せてくれたプレーによる期待を合わせれば福岡よりも得たものは大きい。

ただ、記者会見で甲府・安間貴義監督の言葉を聞くと、試合の印象に修正が必要なことも判った。記者席からはセンターバックが浮き球を頭で跳ね返すことが出来ないことに不満と不安を持っていたが、安間監督はブルーノの前線からの守備が不完全なことを覚悟して使っており、アンカーの林健太郎を含めて彼らはその負担に文句も言わずに耐えていた。また、吉田についても「ポジショニングにハチャメチャなところがある」と失点の遠因になったことを指摘した。彼らがストロングポイントを発揮したことは高く評価しながらも、「速い選手はどうしても印象に残る。成功しなくてもがむしゃらに行っているとよく見えるところもある」と、評価は単純ではない。
そして、「さらに(センターバックに)人がいなくなってきたけど、また何か考えられるかなぁと思うと面白い」とも言ってしまう。だからこそ、安間監督のレベルに近づきたいし、安間監督、選手を信じてJ1に行きたいと思う。

以上


2008.03.24 Reported by 松尾潤
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